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【特別対談】世界をつなぐ、みんなを幸せにする ~SDGs達成に向けて「共」に「創」る金融~

「持続可能な開発目標(SDGs)」とは、2000年からのミレニアム開発目標(MDGs)に続き、2015年に国連サミットにて採択された、2030年までの国際目標です。SDGsでは、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」を誓い、持続可能でより良い世界をつくるための17のゴールを定めています。

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出所:国際連合広報センター

2020年5月15日、クラウドクレジット株式会社は、株式会社丸井グループとの業務資本提携を公表いたしました(※1)。このSDGs達成に向けた両社の「共創(きょうそう)」は、日本国内で「社会とお金を育てる投資」を広めるうえでも、重要な役割を担っていくものと考えています。

そこで今回は、前回(※2)に続き、株式会社丸井グループ傘下であるtsumiki証券株式会社代表取締役CEO 寒竹明日美氏とクラウドクレジット株式会社執行役員CIO 大西志麻里の対談企画第2弾として、SDGs達成に向けて「共」に「創」る金融への想いを皆様にお届けいたします。

※1 本件につきましては、こちらのプレスリリース( https://crowdcredit.jp/info/detail/364  )をご覧ください。

※2 対談企画第1弾は以下をご覧ください。

注:本対談は2020年6月18日に収録したものです。現在の社会情勢を踏まえ、ソーシャルディスタンスを十分に確保した状態で実施いたしました。

1. 自信や自尊心を育むための「インパクト投資」

寒竹氏:前回の対談でご紹介いただいた「社会的インパクト投資レポート」、大西さんのお話されていた課題感などを踏まえて再読させていただきました。ワクワク感や共感という観点では、個人的には「メキシコ女性起業家支援ファンド」シリーズの社会的インパクト投資レポート(※3)がお気に入りです。「マイクロファイナンスを活用して、フルーツの品ぞろえを増やしたら、売上が倍以上になった」というようなストーリーは素敵だなと思いました。

※3 詳しくは以下をご覧ください。

寒竹氏:こうしたストーリーを知ることができると、自分のお金の旅がありありと想像できて良いですね。自分の投資が遠い国の人の生活につながっていて、その方の生活が豊かになるお金の流れがわかり、「誰も傷つけない金融」という実感が持てます。「みんなで未来をつくろうよ!」という誰も取り残さない以上の積極的な呼びかけが伝わってくる、すごくわかりやすい事例だなと感じました。

大西:ありがとうございます。ご覧いただいたレポートのSOFIPA社は、当社が販売しているファンドシリーズの貸付先の1つで、ファンド名のとおりメキシコで事業展開しています。間もなく最初の号が満期償還を迎えて、保有していただいている投資家の皆様に償還金と分配金をお支払いする予定です(※4)。

※4 メキシコ女性起業家支援ファンド1号および2号は2020年6月末に満期償還いたしました。運用結果の詳細はこちら( https://crowdcredit.jp/operation/index/48  )をご覧ください。

SOFIPA社は、オアハカ州を中心に30程度の事務所で展開するマイクロファイナンス機関です。彼らが事業展開するオアハカ州は、メキシコで最も貧困な州の1つとなっています。貧しいことによるしわ寄せは、家庭を支える女性に向かうもので、女性の生活ぶりと貧困の状況には、密接な相関関係がある(※4)といわれています。

※4 貧困削減とジェンダー平等の関係につきまして、詳しくは以下をご覧ください。

大西:SOFIPA社は一貫して「貧しい女性たちを顧客としてサポートすること」をミッションとして掲げており、徒(いたずら)にメキシコ全土へ事業拡大するのではなく、特定の州で重点的に活動しています。それでも39,000人弱の顧客がいて、その全員が女性です。まさしく女性への支援に特化したマイクロファイナンス機関といえます。

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大西:レポートに掲載しているインタビューや写真は、私たちが実際に現地で撮影し、お話を伺ったものです。彼女たちは、もともと固定のお店をもっていなくて、肩にかけるバスケットやワゴンで売り歩いていました。SOFIPA社に支援を受けてからは、ローンを少しずつ借りながら固定のお店を持ち、今では複数店舗を営業して収入を倍増させている方もいらっしゃいます。マイクロファイナンス機関の素晴らしい点は、顧客の暮らしが経済的に豊かになること、そして、それに加えて人と人のつながりを生み出していることです。私はこれを間近で見てきました。

レポートで最後に紹介されている女性はオアハカ州の田舎で暮らす女性です。彼女は15歳から縫製の仕事を家業として継ぎました。教育もままならぬまま仕事を始めることになる傾向はより女性に強いです。彼女の場合は家業的なビジネスから始めましたが、今ではメキシコ中から受注をとれるようになりました。それはSOFIPA社が成長支援したが故だと思います。

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大西:彼女と実際にお話ししてみて、女性の笑顔を見ることができたことに加えて、「自分でこれだけのビジネスをできるようになった」という自信が伝わってきました。ローンを受けることが、エンパワーメントと呼ばれる「自信や自尊心を育むこと」につながっているのです。

寒竹氏:自尊心が育まれるって良いですね。「自分もやればできる!」という自己肯定感は、どんな仕事をしていても同様に大切だと思います。

2. あらゆる人が「資産形成」に取組む意義

大西:メキシコから日本に目を移すと、賃金格差や昇進機会、ジェンダーギャップにおいても、残念ながら遅れているように思います。寒竹さんはCEOでいらっしゃいますね。日本の金融機関で経営トップが女性というのは珍しいと思います。また、tsumiki証券さんは女性のお客様が多いそうですが、女性が資産形成に取組む意義はどこにあるのでしょうか。

寒竹氏:それは、「お金を稼ぐ」とか「お金と共存する」といったことは、以前と比べて男性か女性かと問わなくなったからだと思います。昔の日本社会だと、「男性が稼いで、女性が家を守って家計のやりくりをする。一方で大きなお金の決断は男性がする」というやり方が主流だったかと思います。私の家庭もそうでした。

今は、男女問わずみんなが100年生きるために、その時々に役割を果たせる人が果たすというやり方が主流になったと思います。家族の有無に関わりなく、みんなが自立していないといけないという意識が高まっているということです。

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大西:ライフスタイルが多様化して伝統的な家族の在り方が変わってきたから、もともと注視されていなかった女性自身が自分で資産形成していくということが新たに見直されて重要になってきているのかもしれないですね。

寒竹氏:投資というと特別な感じを持たれるかもしれませんが、「朝起きて顔洗って歯を磨くといった生活の一部に投資を入れたい」とよく社内で話しています。そういうのができると良いですね。

大西:面白いポイントです。日本の中で女性の役割が変わってきていて、資産形成や投資、お金の位置づけも変わりつつあるのでしょうね。

3. 「課題」を「価値」に変える~「共」に「創」る金融~

大西:丸井グループさんは「共創サステナビリティ経営」を掲げていらっしゃいます。こちらについて教えていただけますか。

寒竹氏:丸井グループのビジネスすべてが「共創」で、すべてのステークホルダーと価値をつくることを目指しています。「サステナビリティ(持続可能性)」という点では、そもそもサステナビリティを意識しない会社は支持されない世の中になっているのかなと。「自分さえ良ければいい」ではなく、「子どもたちの世代や、地球を犠牲にしてはいけない」という考えは、丸井グループに限らず世界中の会社に必要な考え方ではないでしょうか。

採用面接の手伝いをすると、20代のサステナビリティに対する意識がすごく高くて驚きます。「社会の課題を解決したい!」、そういう意識ですね。「お客様の身近なお困りもあるけど、世界的な問題でもある、そういう世の中で起きている課題を解決しながら仕事をするのは素敵だ!」とお話される学生さんが多いです。若い世代の多くはそういう価値観なのだな、企業もそうならないと優秀な人材を採用できないなと思っています。

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出所:株式会社丸井グループHP( https://www.0101maruigroup.co.jp/  )

丸井グループのやってきたことは、お客様をはじめとする様々なステークホルダーと共創活動することによって、「課題」を「価値」に変えるということです。それがサステナビリティのビジネスモデルだと考えています。

たとえば、お客様にご支持いただいている「ラクチンシリーズ」という靴があります。靴のお悩みは、最初は「痛いよね」とか「走れるパンプスがいいよね」といった課題から始まりますが、深みや広がりがあります。サイズについては、「足が小さいから、パンプスを履きたいけど、標準サイズしか売ってないから履けない」といったことに加えて、性の認識も多様になっているので「元の身体は男性だけど心は女性。パンプスを履きたいけど欲しいサイズがない」といったジェンダーの問題まで内包しています。現在はこうした課題を解決するために、パンプスの場合は19.5cmから27cmまで作っています。

大西:共創サステナビリティは課題を理解し解決して、価値を生み出すということなのですね。

寒竹氏:tsumiki証券も、「一部の方の特別なものになりがちな金融を変えたい!」と思って設立された会社です。所得とか年齢とか、投資経験とか関係なく、自分で幸せに生きていくためには、ある程度お金が必要で、それを上手に増やして楽しく生きていけたら良いじゃないですか。そういうお手伝いを金融でできたら良いなというのがtsumiki証券です。

大西:ライフスタイルの多様化のなかで女性も自分で資産を形成する必要があり、まさに「お金どうしよう」という課題感を、tsumiki証券さんを通して価値に変えて、新しい投資機会をつくっていらっしゃるのですね。まさに共創サステナビリティの一環で取り組んでいるのがよく伝わってきます。

寒竹氏:クラウドクレジットさんが考えるサステナビリティはいかがですか。

大西:私はよくSDGsの17のゴールを見ているのですが、金融は大きな目標に掲げられていないのです。この理由について私は、金融はすべての礎になっているからだと考えています。貧困削減も、気候変動問題も、ジェンダー問題も、色々な問題を解決する礎となるのは金融、SDGsのすべてを支えるのが金融だと思っています。

私たちが取り組んでいる全ての案件が、サステナビリティで、SDGsのどれかのゴールにつながっていたいなと。それが私たちとしてのサステナビリティだと思います。また一女性として、ジェンダー平等も意識していきたいとは考えています。

寒竹氏:良いですね、全部SDGs 。それがお金のすごいところですね。

大西:血液の役割を金融は果たしているので、すべての縁の下の力持ち的な存在でありたいですし、これからもそういうファンドをつくり続けたいなと思っています。

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◇ファンドの手数料およびリスクについて
ご出資いただく際の販売手数料はいただいておりません。
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クラウドクレジット株式会社
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