【CIOインタビュー】システム管理部門のトップが語る「プラットフォームとしてのクラウドクレジット」
2019年11月1日、当社執行役員の中から新たに2人のCIOが誕生しました(※)。今回はそのうちの1人であるChief Information Officer(最高情報責任者)・宮田 修宏(みやた のぶひろ)にインタビューを行い、システム管理部門のトップとして当社が投資家の皆様にご提供するプラットフォーム運営のこれまでとこれからについて語ってもらいました。
※当社執行役員の新役職就任について詳細はこちら(https://crowdcredit.jp/info/detail/343)をご覧ください。
クラウドクレジットのビジネスモデルの魅力
―宮田さんの前職までのご経験を教えてください。
宮田:私は理系の大学出身で専攻は数学だったのですが、実家が卸問屋を営んでいたことから中小零細企業経営や中小企業コンサルティングに興味があり、都内の信用金庫で総合職として働くことをファーストキャリアとして選びました。
1年目は支店勤務で、預金・融資に関する営業に従事していたのですが、早くも2年目にシステム部へ異動を命じられました。後に聞いた話なのですが、どうやら採用の段階で専攻、入社テストの結果等からシステム部門への適正があるとの評価をいただいていたようです。正直、就職活動をしていた時にはエンジニアになるつもりは一切なかったので、驚きました。
ただ、実際に仕事をしてみると肌にあっていて、今となっては良いキャリアの方向付けをしていただいたなと思っています。システム部では業務システムの設計・開発、データベース管理、業務システムに関するヘルプデスク等を経験させていただきました。金融機関におけるシステム部門なので、どちらかというと「専門職」というよりは「何でも屋さん」に近かったかもしれません。
―当社へ入社するきっかけは何だったのでしょうか。
宮田:初志のとおりビジネスに直接携わる経験がしたかったことに加え、成熟し落ち着いた会社ではなく、現在まさに伸びている会社に身を置き、会社の成長を実感しながら働きたいと考えて、転職を決意しました。
当社を選んだ理由は、スカウトメールをきっかけに社長の杉山に会い、直感的に「自分がやりたいことはこれだ!」と思えるほど、ビジネスモデルに魅力を感じたからです。実は、杉山に会う前に、幸いなことに複数の企業から内定をいただいていたのですが、後日全てお断りしました。
―当社のビジネスモデルの魅力とは具体的にどういったところでしょうか。
宮田:日本国内の金融機関の預貸率は低水準で推移しています。一部の金融機関では、預金者の皆様からお預かりしているお金の半分からそれに満たない程度しか貸し付けに回っていません。私自身の営業力不足も要因の一つではありますが、実際に営業活動を経験すると、資金需要も強くなく、融資先を探すのに苦労しました。
一方で、ニュース等から海外には資金需要のある先がたくさんあることは分かっていました。そのことから「海外のお金の足りないところに資金を融通できればすごく面白いだろうな」と思っていました。
「貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)」について言葉は知っていたのですが、法律的に少し難しいという認識でした。そのような状況で、海外の会社を融資対象にして実際に業務運営している会社があることを知り、驚きと同時に「絶対にここで働きたい!」と思いました。
集合知の最大化を目指す理想のCIO像
―当社に入社してからどのような経験を積んできたのか教えてください。
宮田:当社には2017年8月に入社し、システム管理部に配属されました。入社当時はエンジニアの人数が少なく、まさに「何でも屋さん」でした。当時は正社員のエンジニアが2名、同期入社が私の他に1名いたので、当時システム管理部長だったCOOの並木も含めてシステム管理部としては4、5番目のメンバーでした。
社内のITヘルプデスク、PCのキッティング(PCをすぐに業務で使える状態にする一連の作業)や情報機器管理、分配関連の業務支援や分配金システム開発時のPM、保守開発のシステム設計、マクロ等の開発、テーブルメンテナンス等、本当に多種多様な経験しました。もともと社内SEだったので、幅広い業務に従事することについては全く苦ではありませんでした。
業務をこなしていく中で、だんだん社内で折衝をする場面やマネジメントをするような場面が増えていきました。2018年10月頃、当時のシステム管理部長の育休取得がきっかけでシステム管理部長代理になり、2019年3月からシステム管理部長、2019年7月から執行役員就任、2019年11月からChief Information Officer(最高情報責任者、以下「CIO」)就任という形で少しずつ役割が変わってきております。
―当社の中でCIOをどういったポジションと定義しているでしょうか。また理想とするCIO像はどういった存在と考えていますか。
宮田:CIOとは「IT戦略と経営戦略を統合し、戦略実行を推進する」という重要なポジションだと理解しています。ただ、私自身理想とするCIO像という確固たるものはもっていません。
ただ、「IT戦略と経営戦略を統合して実行するために、どのようなアプローチをとるべきか」を考えて行動しています。私は自分のことを特別頭がいいわけでもエンジニアとして優れているわけでもないと思っています。ですから、私一人の意見で判断を下すのではなく、専門知識を持った各メンバーに頼れる部分は頼りつつ、集合知をできるだけ大きくすることを意識しています。
そのため「IT戦略と経営戦略を統合し、戦略実行を推進する」という役割を自分一人で担うというイメージはあまりもっていません。そこに向けてIT部門メンバーや経営陣、ビジネス部門を巻き込んで、集合知からバランスを考えながら判断して、IT部門のメンバーにも経営陣にも納得感のある形で、自分たちで立てた戦略を実行する、私はその指揮を取る役割だと考えて行動しています。
―宮田さんのリーダーとしてのマネジメントのスタイルはどういったものでしょうか。
宮田:調整役に近いです。人を巻き込んでみんなで何かやるという時にみんなが動きやすいように意識しています。自分が引っ張って「ガンガンついてこい!」というタイプではないし、それをやると一瞬でチームが崩壊してしまうおそれがあると思っています。マネジメントのスタイルについて、憧れの人、参考にしている人はぱっと思い浮かびません。私自身やチームメンバー、組織の個性に合わせてマネジメントのスタイルを作り上げていければと思います。
クラウドクレジットのプラットフォーム運営のこれまでとこれから
―当社のシステム管理面でのこれまでとこれから、継続すべき点と改善すべき点について教えてください。
宮田:システム管理と一口に言っても、当社内では様々な役割があり、大きく分けると3つあると考えています。1つ目がプラットフォーム運営、2つ目が社内業務システム、3つ目は社員が仕事をしやすくなるようなIT環境を整えるインフラ部分です。
どれもビジネスに大きくかかわる重要な部分ですし、どれ一つ手を抜けないと考えています。プラットフォーム運営については新機能開発を進めるとともに既存機能を使いやすくする努力を継続していきたいと考えています。
社内業務システムについてはファンド関連の計数管理に関するWebシステム化は重点的に進めたいです。また、IT環境という面ではセキュリティ面や内部統制強化が継続的な課題となります。こちらについても、業務効率をできるだけ犠牲にしないように社会環境、会社の成長に合った整備をしていければと考えています。
―当社のプラットフォーム運営における投資家の皆様に提供する新機能にはどのような意図があるのでしょうか。
宮田:当社から発信している情報のキーワードとして、「分散投資」という言葉があります。例えば、当社のファンドを全種類購入すると様々な地域や事業者のファンドに対して投資ができます。最近は、リスクを減らすことを目的として当社のファンドで分散投資を実践いただいている投資家の皆様も多くいらっしゃいます。
一方で、現在お持ちいただいているファンドのポートフォリオがわかりにくいという課題を抱えておりました。その解決策の1つが「ダッシュボード機能(※)」です。本機能につきましては現在保有しているファンドのポートフォリオを直感的にわかるように表示し、今後のご投資の参考にしていただくとともに、分散投資を実践されていない投資家の皆様に対してはリスク軽減を目的とした分散投資をおすすめする機能になっております。
※ 本機能の詳細はこちら(https://crowdcredit.jp/info/detail/344)をあわせてご参照ください。
また、いざ分散投資をしようにも、どのように分散するべきかわからないという声も多いと認識しております。これに対して、複数のファンドを1セットにして一連の手続きでの購入を可能とする「パッケージ機能」のリリース準備を進めております。ただ、本機能もリリース後に改善できる点はたくさんあると考えております。
その延長線上として例えば、分散投資という点では、地域や事業者の分散はできても、期間分散しやすいプラットフォームはまだ不十分だと思いますので、期間分散しやすくなるような機能のご提供もしたいと考えていますし、運用中のファンドごとの情報を早く正確にお客様にご提供できるような機能開発も進めていきたいと考えています。
ダッシュボード機能やパッケージ機能、そして近い将来に向けて開発を検討している機能は、基本的に「投資家の皆様がより分散投資を徹底しやすくする」ことを目指しています。
―機能面で使いやすくなる一方、投資家の皆様のリスクに対する感度が低下してしまう懸念についてはどのように考えていますでしょうか。
宮田:解決策としては、リスクに関する情報発信を増やすということが考えられます。リスクそのものについては、分散投資を徹底していただくことができるようにすることで当社のファンドで大きく損をする人を減らすことができると考えていますし、それこそが、「フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)」として当社に求められていることの一つだと理解しています。
―最後に投資家の皆様へメッセージをお願いします。
宮田:当社は「様々な国の人や事業者へのローンに投資し、投資家の皆さまの資産形成と世界の成長をつなぐプラットフォーム」という特色あるサービスを強みとしています。他社が手掛けていないような特色あるサービスであるが故に、プラットフォームも社内システムも、開発時に参考となる他社事例がなく壁に当たることも多いです。
その中で、「便利で安全なプラットフォーム」を投資家の皆様に提供するということを常に意識しております。
引き続きITの面から多角的に当社ビジネスを支え、投資家の皆さまに、より便利で安全なプラットフォームを提供できるよう邁進してまいります。
投資家の皆様におかれましては引き続きご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
◇ファンドの手数料およびリスクについて
ご出資いただく際の販売手数料はいただいておりません。
なお、出資に対して、年率換算で最大4.0%の運用手数料を運用開始時に(または運用開始時および2年度目以降毎年度に)いただきます。
また為替手数料その他の費用をご負担いただく場合があります。
為替相場の変動、国の政治的・経済的なカントリーリスクや債務者の債務不履行等により、元本に欠損が生じるおそれがあります。
ファンドごとに、手数料等およびリスク内容や性質が異なります。
詳しくは、匿名組合契約書や契約締結前交付書面等をよくお読みください。クラウドクレジット株式会社
第二種金融商品取引業:関東財務局長(金商)第2809号
一般社団法人 第二種金融商品取引業協会 加入
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