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読書記録(「こどもの一生」編)

こんにちは、青木葎です。

先日、感染対策をぴっちり行い、3月に演劇ユニットLOOP⑩さんの公演「子どもの一生」を見てきたので記録として。

(あらすじ)瀬戸内海の小島をレジャーランドにするため、下見にきた二人。島には一軒の民間診療施設があり、そこには女二人、男一人の患者がいた。二人は治療のためと称して入院し、一週間を過ごすことになる。自身の意思とは関係なく、治療のために「こども返り」していく5人の男女。治療は順調に進んでいるように思われたが…。

(舞台感想)

役者の方がとてもキャラの濃いゆい方が多かったです。大道具・小道具のセットというよりは、役者の演技で魅せるお芝居でとても迫力のある演技が魅力のお芝居だったと思います。約2時間ノンストップのお芝居でボリュームもありました。

1月ごろ別のお芝居を見に行った際にもらったポスターも凝ったもので宣伝されていて、興味が引き見に行きました。県外の方も招き入れていたので力を入れていたんだと思います。

(読書記録)

①「こどもの一生」中島らも(小説版)

https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?jdcn=08746057946675000000

②「中島らも戯曲選Ⅰ こどもの一生・ベイビーさん」中島らも(戯曲版)

小説では戯曲では表現できない、食事のこまかな内容や日記・カウンセリングを通したキャラクター一人一人の個性が際立っていていた印象です。小説版は10歳に精神が戻っている表現がひらがなでされているのですが、文中でててくる病名・薬物名と合わさってそれが気味悪さを引き立たせていていました。

戯曲版では小説版よりもエピソードが厳選されてているのですが生生しさが緩和されているのか、個人的には戯曲→小説で読んでよかったなと思いました。また、劇中のみでててくる「キューピーさん」「ビリケンさん」のエピソード、あれがあるだけで後半の山田のおじさんを観客が勝手に想像し引き立たせていたので、多くで語らず印象で殴るって大切だなとも思いました。

驚いたのが一度改定されているためか、ラストが全く異なります。ボクが見たものの中では、公演で見たものが改定後のような表現が入っていました。ネタバレは控えますが、ざっくりお伝えすると狂気が増してます

小説・戯曲と比較読みして、表現方法が異なると全然違う印象を受けるんだあなぁと思ったのと、戯曲版では役者さんによってだせる個性もあるんだなと思いました。余談ですが、昔WSの雑談でボク台本書いてるとんですいう話をした時に、フリーの役者さんから「台本つまんなくたって役者がしっかりしていたら面白くなるよね」と言われて、ちょっと魚の骨が喉にひっかかった思い出があるのです。(当時のボクは「こちとら何ヵ月もかけて愛情注いで作品書いてんだぞてめぇ」と心の中でメンチ切ったことはここだけのお話です)

でも、ボク自身、学生演劇でしたが、書いた時のイメージに沿って役決めをしたこともあれば、本読みをして自分が想像していたよりも「もう生きてる!キャラが生きてる!」とイメージとは違うもののそれが逆に全体を踏まえたうえですごく似合っていた役者さんに出会ったこともあります。

舞台も、戯曲も、小説も、この表現だからこそ映える書き方見せ方があって魅力的なものがあると知れたのが今回の一番の収穫でした。

それではまた。

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