制作メモ「404」①(世界観とか)
こんにちは、青木です。
きっとこれをあげるころには桜が咲いていることでしょう。
★こちらは本編の制作メモ①となっております。
【経緯】
星新一さんの「神」という小説のオチを勘違いしたことから生まれました。
①昔、アニメになったものを断片的に見てこの作品を知りました。ラストは「神のデータをたくさん入れた機械は最後見えなくなりました」という終わり方だったなぁとおぼろげに覚えており、「神っているかどうかわからなかった」的なオチかなと思っていました。ですが、「ただ単に機械がエラー起こして存在を濁されただけじゃないか」とも思って「404」(エラー)というタイトルでなんか作ろうとストックしていました。
★下記の文庫版でもう一回読み直したら「金持ちがビジネスのために作らせて、結果悪用したことに天罰がくだる」という流れだったので中間だけ覚えて最初と最後がまるっと抜けて覚えてました。ごめんなさい、星先生。
②そして、学生時代にこの話を完全に勘違いしたまま読書好きの友人(「神」は未読だが星新一は何冊か読んでた)と「最後、神様はいるのか」という話をした時に『(否定する根拠がないから)漠然と【なにかがいる】と思うが、助けてはくれない。ほんとに何かいるだけ。だったら自殺する人もいない』という結論に至りました。(※あくまで青木とその友人と宗教観です。人の数だけ宗教の考えがあると思っているので、宗教そのものを否定をするものではありません。)
③タイトルを決めていろいろ模索の末、「その【漠然とした何か】」が世界を見ているなら無慈悲な現実を何を思って作っているのか」という視点でつくろうとなり、序・終・4つの短編の想像上の公演になりました。
【メモ書き】
①フライヤーに書かれた英文
★要約「怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ」
演劇の特徴として、目の前で生身の人間の役者がどんな物語を演じても観客は【他人事のように】物語を観ることが出来ます。でも、演劇だけでなく実際は日常生活の中でテレビも同じだと思ってます。現実で起きた凄惨な事件はどこか遠くのことのように感じてしまうところがあり、「あの人がいけなかったからそうなった【それにあてはまらない自分はそうならない】」と思っている(思ってしまうし、思わないと生きてはいけない生存本能みたいなもの)」があるなぁと…。
なので、今回(「404」)の全体像として「他人事だと思ってるその世界はあなたのいる現実ですよ。たまたま運が良かったから生きているだけ。でも、神のような【それ】から逃れる解決策はエラーがかかったようにわからず、それも含めて誰もそのエラーの部分を知らない(そして、知る由もなく滅ぶだろうね)」的なニュアンスが伝えられたらいいと思っています。
ちなみにこれを組み込むために初期案からポスターをかえました。
②本公演の構成、同時に課題
「404」は下記のような流れで組んでおり、短編を組み合わせてワンセットというような形で作成しています。1本のストレートもので一人の人間を壊していくより、不特定のまったく関わりのない人間がランダムに壊れていく方が「理不尽」を押し出すことが出来ないかなと…。
1回目2回目の公演は共通項が伝わらなくて楽しめる仕様ですが、今回は上記の流れに気付いてもらえるかどうかが課題にあり、気付かないまま終わると「あれはなんだったんだ」という不燃未消化で終わる危険性がはらんでいると思っています。
(★初演/再演は実際に青木が学生時代に自主企画で打った実際の公演(学内)の時の記録です。やっぱり、実際に公演を打ったり誰かと作る方が問題の洗い出しが出来るし、得られるものが大きい…。)
③【人が壊れていく=トラウマを題材とする】ということ。
これは長文そして青木の中で気がかりというか、自己課題としても『制作メモ「404」②』を設けても書きます。
「404」は観る人によっては辛い描写が出てきます。
そのまま「残酷性を伝えることも社会問題に関わることも立派な表現だ!よそだってやってる!だから突っ切ってやるぞ!」とは考えていなくて、何かしら【観ないという選択肢】の提案として
①フライヤーへの記載
②[さよならキャンプ]という劇団さんが発案した観劇あんしんシートの使用
をあげて、今の考えを書き残してこうと思います。
それではまた…。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?