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#観劇記録「僕の右手に君の手を」

今年がはじまってもう1か月が過ぎるってよ、青木です。

本日、EN劇集団さんたばっぐさんの「僕の右手に君の手を」を観劇に行きました。昨年のハレノワガチ演劇祭の時に聞いて、これはいかねばと思い…。

あらすじ
岡山に取材に来た、三田尚人と鈴木真理子は、
同じく取材にやってきた服部と高島と共に、
フォトグラファーで姉妹の由奈と由美のインタビューに向かう。
「由奈が人を撮ると、撮った相手に不幸が訪れる」
その話の真相を探るべく、高島は由奈に写真を撮ってもらう。
その夜。三田の部屋に黒猫と白猫がやってきた。
2匹の猫は三田に話しかける。
「由奈を助けてほしい」
そこへ服部から電話がかかってくる。
高島が事故にあったと…

さんたばっぐの最後のプレゼントは
三田尚人シリーズを決定付けた代表作
笑って、泣けて、熱くなる、ちょっと不思議な物語
これがさんたばっぐのやりたかったお芝居です

さんたばっぐ公式HP(https://www.suntabag.com/nextstage.html)より引用

〇感想


三田尚人シリーズもといこの作品も初見だったのですが
様々な「ま?え、ま??」がたくさん詰め込まれた公演でした。

ボクね、白状するとチラシとタイトル、あらすじからね、完全に「ハートフルな心温まるきれいな作品」だと勝手に思って見に行ったんです。

(いい意味で)だまされた!!

もうさんたばっぐさん名義の作品は今回が最後とはいえ、ネタバレ抜きで感想を書くなら騙されて「ま?」ってなります。

今回、あらすじにもある「猫」がキーになってくるのですが序盤のセリフや白猫のしれっといったセリフがどんどんどんどん響いてきて「ま?!」となりました。黒猫と白猫、青木は完全に主人公を励ます癒し枠だと思っていました。ごめんなさい。そして猫だけでなくタイトルがあの場面とあの場面に出てきた時はまったく同じ文言なのに違うシチュエーションであんなにこうぐっとくるものがあるとは…。素敵でした。また、他の登場人物もみんなキャラクターが濃くて、でも誰かが打ち消されることもなく、気づけば目で追ってしまった魅力あふれるキャラクターたちでした。

また、事前にX(旧:Twitter)で「音や光をバチバチつかうぜ!」的なことを書かれていたのでかげながら演出も楽しみにしていたのですが小説並みに物語が複雑で人数出てきてさらに目まぐるしく場所が変化するのに「あ!塀だ!」「あ!道路だ!」って音や素振りで瞬時にわかり置いてけぼりになることなく見ることができました。

今まで気づけば活動が終わっていなくなっている劇団さんを岡山で多く見かけることがあって、「もう一回、あの公演、みておけば…」と思うことが度々あったのですが、最後にさんたばっぐさんの作品を劇場で見ることができてよかったです。


〇余談

今回の公演で青木が個人的に感慨深かったのは演出です。作品の感想とは別に設けたのは良し悪しとは関係なく、公演後の余韻に浸っていた時に個人的に思い出したことがあったので書き記しておこうと思いました。

今回の公演、室内外問わず場面がたくさん出てくるのですが暗転が一度もなかったり、あえて(?)観客側に背中を向ける場面がありました。背を向けるときにあえて顔が見えないところもよかったですし、場面によってキャラクターがとても引き立つような演出になってました。

青木はちゃんと学べる場所も教えてもらう機会もなかったので演劇の詳しい演出はからきしわからいのですが、学生時代の部活で発表会や大会がある度に審査員の方に言われたのは「暗転の回数や場面転換に時間かけてはいけない」「お客さんに背中を向けるのはご法度」だということは口酸っぱく言われていましたし、他校も必ずいわれるようなぐらいの頻度で突っつかれてました。(※きっともう何十年も前の話なので審査基準は変わってると思います。しらんけど)

学生時代、「なんでだめなのか」を知る機会があっても「どうすれば改善できるのか(何を手本や基準にすればいいのか)」、それを教えてくれる人はいませんでした。そして不思議だなと思ったのは「プロの人はOKでもなんかだめな演出(客席側から役者が登場するみたいなもの)」もあって、「なんでなんだろう」と思っても理由なくもやもやこともありました。

きっと納得できるなにかがあるしそこから得られるものもあったと思うのですが、そんなことを教えてくれるであろう人がいるのは強豪校の他校の顧問なわけで…。仮にその顧問のもとへ行けば知ることができたとしていくら勉強して成績を上げても両親に反対されて進学先に選べたわけではなくあきらめるしかなかったわけで…。

なんでこんな話をしたかって。
さんたばっぐさんはこの時期に出会った劇団さんのひとつだったので。

※観劇記録はこちら

地区大会や発表会も天神山文化プラザで行われているので「同じ建物の舞台で、そして岡山でこんなお芝居できるんだ」と夢というか希望というか、目標のようなものを観客席からでしたが当時与えたのはいい思い出です。

昔も今もボクはどこかの劇団に入ることはできなかったのですが、自分の小遣いやバイト代を握りしめて「作品を見て模索していた時期」に何が面白いと思ったんだろう、どうすればこんな演出ができるにだろうと頭で必死に考えて、試して、失敗して…。でも今以上になにくそで頑張れていたのだと思い返すと懐かしく、同時に存在は大きかったんだなと思います。

まぁ、名もなき観客で、なおかつ演劇を続けたかった人間が勝手に思っていたことなので…。でも、さんたばっぐさん名義の作品は今回で最後でしたので書きました。

はさみ込みの中に新しい劇団さんのお名前のものをみかけたのでかげながらそちらも楽しみにしています。

それではまた。

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