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365日日本の名建築48

岐阜県多治見市にモザイクタイルミュージアムという建物があります。

設計者は情熱大陸でも取材されたことのある建築家の藤森照信さんです。

岐阜県多治見市はモザイクタイルの発祥地で、全国一の生産を誇ります。

モザイクタイルといえば、その華やかなデザイン性もあって、建築をデザインする人であれば、一度は用いたことがあるくらい有名なタイルですね。

そんなことから、この場所にモザイクタイルミュージアムが誕生しました。

それにしてもこのミュージアム、とても独特なかたちをしています。

土で塗られた壁と滑らかな曲線で造られた姿は愛嬌があり、見る人によっては良い意味で間が抜けているようにも見えて、可愛げがあるように思えます。

とても大きな建物なのですが、入口は割と小ぶりです。

その小ぶりな玄関を通り先へ進むと、中はとても落ち着きのある空間になっていました。

入場料を払い、奥へ進むと展示室に向かう途中に通る階段室に驚かされます。

その空間はとても洗練されていて、まるで自然にできた洞窟の中を登っているような不思議な空間体験ができます。

階段室を登って4階の展示室に入ると、今度は予想を裏切る真っ白なモザイクタイルで造られた半外部空間の展示室と出会います。

そこは天井の一部分が空に向けて大きく開口されているので、晴れた日は差し込む光で満たされた雪国のような空間を味わうことができます。

この美術館は2,3階も展示室になっていて、そこではモザイクタイルの歴史やバリエーション豊かな装飾タイルを見学することができます。

また、1階ではタイルアートを創作できる体験コーナーもあったりと、家族や友達、恋人と一緒に行けば思い出創りに最適です。

この建物をじっと見ていると、本当に面白い姿だなぁと思うと同時に、なぜこの姿・形にしたのだろうと考えたりします。

良い意味で街並みに「隙」を創ってくれることで、建物に近づきやすい雰囲気を生み出している気がします。

建築にとっても人にとっても「隙」というものは必要なものなのかもしれませんね。

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