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エッセイ

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2021年1月の記事一覧

父とバスケと私 #Bリーグオールスター

「チケットを買ったから、バスケの試合を観に行こう」 3〜4年くらい前だっただろうか。正月休みに実家に帰った時に、突然父に誘われた。どうやら、地元である横浜のチーム、「ビーコルセアーズ」の試合のチケットを2枚「買った」らしい。 父は昔から不器用である。性格は真面目。責任感があり、物静か。いい意味でハイコンテクストなコミュニケーションが得意なのだが、悪い意味で言葉が足らない。物事の過程を話さないタイプの父に育てられたおかげで、人が本当に言いたいことを想像するスキルを鍛えられた

シチューを作ると「ガラスの天井」が崩れる音が聞こえた

「これは食べ物じゃないから捨てるね」 大学2年生の秋。この言葉を聞いて以来、私は料理を辞めた。当時付き合っていた彼女に言われた言葉だ。 大学の近くに一人暮らしをしていた私には、半同棲をしていた彼女がいた。正確にいうと、門限が厳しく、夕方になると実家に帰るような人であった。 そんな人が、今日は両親が旅行で出かけているから...という漫画でしか聞いたことがないセリフを言って泊まりに来た。 普段なら絶対起きていない時間帯まで、映画を観たり、夜通し話をした。電気を消して天井を

3メートル先を照らしながら歩いていく

私と「はたらく」の初めての出会いは、1メートル四方の試着室の中だった。 社会に出て働きたいなんて一度も思ったことはなかったが、大学3年生の時に、ついにリクルートスーツを買った。 正確には親に買ってもらった。これから就職活動をする私のために、正月の休みを使ってスーツを選んでもらった。 「試着してみなよ」 と言う親の声に、全く気乗りしない声で面倒臭そうに答えて試着室へ向かう。 「サイズが合わなければお声がけください! 」 店員が餌を見つけたかのような声で、試着室のカー

「RANGE(レンジ) 知識の『幅』が最強の武器になる」とかいろんな本読んだ正月

年末年始の休みも終わり、今日から仕事始め。12月25日が2020年最終の出社だったため、大体10日間くらいの休みだったけれど、まったり休んだ結果、すっかり休みボケな感じで出社し、時間内に仕事が終わらずしっかり残業しました。 けど1日会社にいたら不思議なもので仕事の感覚を取り戻すもの。打ち合わせが続いたことも功を奏し、人とビジネスの話をする感覚を取り戻しました。我ながら、今日はちゃんと朝起きて仕事に行ったことだけでも偉いと思う。 さて、唐突ですがタイトルどおり正月に読んだ本