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EF EPIで見る日本の英語の危機的状況(茹で蛙)

日本で暮らしているとそんなに英語に接する機会がないため、
英語を使わなくても日常生活においてそんなに不自由を感じない。
しかしニュースでも聞いているように今日も多くの外国のお客様が
仕事や旅行で来日し、場所によってはここは日本か?と錯覚に陥ることにも遭遇する。

日本での英語の教育では小学校高学年から始まり、中学で3年間、高校(中学から高校への進学率97〜98%前後)で3年間、大学(高校から大学への進学率58%、2020年)で4年間は学ぶ機会がある。それだけ英語の教育に触れてきているにもかかわらず、いざコミュニケーションとして使おうとすると、その不出来に残念な気持ちになる経験をしたことがある人が多数であろう。

英語の習熟度を測る指標は多種存在する。
有名どころでは一般的には英検、ビジネス的にはTOEIC(トーイック)、
留学用にはTOEFL(トーフル)といったところ。

少し国際的に視野を広げて、CEFR(セファール)は欧州では一般的。
そんなことを調べていたらEF EPIという各国の英語習熟度の指標を見つけた。
米国、英国、カナダなどのネイティブの国はランキングから除外されている。
詳しいことはそちらのホームページを読んでいただきたい。
EF EPI

各国の英語習熟度ランキング
薄々気づいていたが、日本の位置にショックを覚えた。
113カ国中87位
アジアにおいては23カ国中15位。
ちなみにアジアでの順位は以下の通り
(カッコ内は113カ国中の順位)

1位シンガポール(2)
2位フィリピン(20)
3位マレーシア(24)
4位韓国(49)
5位ネパール(57)
6位イラン、ベトナム(58)

この辺が世界順位の中央値

8位バングラデシュ、インド(60)
10パキスタン(64)
11位モンゴル(73)
12位インドネシア(79)
13位中国(82)
14位アゼルバイジャン(83)
15位日本(87)
16位アフガニスタン(88)
17位ミャンマー、キルギス(90)
19位ウズベキスタン(93)
20位カンボジア(98)
21位タイ(101)
22位カザフスタン(104)
23位タジキスタン(112)

日本の位置の低さよ、嘆かわしい。
輸出入が当たり前のように行われている昨今での経済の国境は無いに等しい
にも関わらず、国別GDPで2023年第4位(ついこないだドイツに抜かれた)の
日本で英語が使えないなんて、
今更ながら島国感覚から抜けてない。

よく日本を憂いる記事で、
失われた30年とかセンセーショナワードで表現されることがあるが、
憂いるだけでは現状は変わらない。
政府のせいにすれば一時的な溜飲を下げる効果はあるのだろうが、
それで物事が良くなった試しはない。

もちろん英語ができるようになったからと言って
経済状況が一気に好転するわけではないが、
前進する糸口になるのはいうまでもない。
かと言って早期教育に熱を入れすぎて母国語を疎かにするのも別の問題も生じる。
教育は上から下への圧が否が応にもあるが、
自分自身の開発には自分でその環境に気づかない限りは
行動に移せない。

このままでは言語コミュニケーションにおいて日本は茹で蛙である。
いや、もはやなっている。

官民揃ってWELCOME TO JAPANを謳うのはいいが、
単発で来てもらっても継続的な関係がなければ、未来は明るくならない。

日本よ、平和ボケは忘れよ、昭和の先人が築いてきた恩恵に感謝をしつつ、
そこに胡座をかくな、気づいた時にはだいぶ手遅れになる。
そして気づいている人たちとそうでない人たちとで差は開いていく。
そうでない人たちが格差が!とか騒いだところで虚しいだけではないだろうか?

続く。

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