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連載【2】 5歳と1歳の育児中の専業主婦が刺繍教室を始めることになった閃きとは?

 当時は幼稚園や公園友達とお互いの家を行き来して遊ばせることが週2回ほどあった。遊ばせている時間、ママたちはお茶とお菓子で他愛のないお喋りをして過ごすのだが、我が家に集まったときは、壁に飾った刺繍作品が話題になることが相変わらず多かった。しかし「教えるって何を教えるの?」と考えていた私は「教えて」という言葉をいつも笑ってスルーしていた。
 そんなある日のこと、あるママから相談を受けた。それは、小学生の上の子の通う英語教室のバザーに子ども自身が手作りしたものを提出しなくてはならないが、自分は針仕事が苦手なのでどうしていいかわからない。子どもでも作れるような刺繍を教えてやってほしい。ということだった。子どもに教えるならできるかも?私は引き受けることにした。
 どんなものを作るか?英語教室では聖書にも親しんでいるということで、栞に決定。なるべく簡単で沢山作れるクロスステッチのデザインを考え、可愛い色味の刺繍糸を用意した。1時間ほどのレッスンだったが、私自身とても楽しく充実し、なんとも言えない達成感に満たされた。それは自分自身への思いがけない新たな発見だった。

明日に続く

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