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#63 私の仕事の評価軸/くろさわかな

【往復書簡 #62 のやりとり】
月曜日:及川恵子〈「よかったらぜひいいねボタン、高評価をお願いしまーす」的なもの〉
水曜日:泖〈もっとホメてくれ〉
金曜日:くろさわかな〈目指せきれいな五角形〉

目指せきれいな五角形

若い頃は、“わたし”や“わたしの関わった仕事”に対する評価は、クライアントや上司や第三者や……とにかく自分以外の他人がするものだと思っていました。
だから、「これが最高!」と提出したものに対して少しでも納得できない修正依頼が入ると、「わたし以外の意見がここに混ざってしまうと、わたしに正当な評価が返ってこない」とでも言わんばかりにガーガーと反論する、自分勝手な一面もありました。

自信がなかったから余計そうだったんでしょうね。
今だって自信満々というわけではないですが、「自分の仕事の評価は自分がしたっていい」「そもそも自分がしたことを1から100まで見ているのは自分しかいないんだから」という至極当たり前のことに気がついて、ふっと肩の力が抜けたように思います。

自分自身で評価するようにしてから、評価軸もいろいろと変わってきました。
最初は、自分もクライアントも「楽しい」と感じられた仕事だったら大成功じゃないかと「楽しみ度」を最重要視していました。わたしはやりたいことがやれれば楽しいし、クオリティだって上がる。それがクライアントの好みにマッチすれば万々歳の大成功!…というような。ですがそれって内輪で盛り上がっているだけでだったり、楽しかったけど赤字ギリギリみたいな状況になりやすい。結果、「楽しみ度」が高くても、仕事として成功と言えるかは別問題だなあと思うようになりました。

じゃあ最初に設定した目的が果たせればそれでいいかというと、これもまたしっくりきません。過程になにがあっても結果良ければすべてよし…なわけがないのです。アクセス数や売上が増えても、その道すがらに大量の屍が転がっているとしたら、到底いい仕事だったとは思えません。

いろいろ考え、結論としては何事もバランスよく、でした。

レーダーチャート

①楽しかった?:純粋にその仕事が楽しかったかどうか。またやりたいと思えるかどうか。

②新しいことした?:自分にとって、まだ試したことのない技法やツールを使ったかどうか。その仕事でなにかしらの成長ができたかどうか。

③クライアントは満足してる?:クライアントは楽しそうだったか。こちらの提案や納品に満足しているかどうか。

④目的は達成できた?:設定した目的からずれずに着地できたかどうか。

⑤利益は出た?:自分もクライアントも納得できる対価をいただけたかどうか。

このレーダーチャートが大きくてきれいな五角形になることはなかなかありません。なんだか歳をとるにつれ、下の方を重視しすぎて偏っているような気もします。もっと上も引っ張り上げてかないとなー。バランスよく、ね。

くろさわかな

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