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#97 冷めるスイッチ

【往復書簡 #97 のやりとり】
①(9/2):くろさわかな〈勢いに任せるなかれ〉
②(9/5):及川恵子
③(9/7):泖 

勢いに任せるなかれ

なにかしらの作業中、BGM代わりにNetflixを流すことがあります。

BGM代わりなので、「映像をずっと見ていなくてもなんとなくストーリーがわかる作品」がよく、さらにいえば「日本語吹替え」がベター。耳があまりよくないもので、オリジナル言語が日本語だと意外と聞きとれないことがあるんです(テレビでバラエティを見るときも字幕に頼っちゃう…)。
声優さんの発声は不自然で苦手だという意見も聞きますが、耳だけで情報を得ようとすると、滑舌がよくて、声だけでどんな状況かわかるような演技をしてくれている方が助かるんですよね。

というわけで海外のドラマばかり見ています。「イカゲーム」「ペーパー・ハウス・コリア」みたいにちょっと血なまぐさい韓国のドラマか、「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」「殺人を無罪にする方法」みたいに悪いことして深みにハマっていく裁判・刑務所絡みのドラマが多いです。

(「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」は特に好きな作品…。シーズン7まであるのでだいぶ長いですが、今3周目です。)


そういえば「イカゲーム」が流行ったとき「返り血が飛ぶのはいいけど、それがかかって画面が汚れる演出は冷める。『そこにレンズがある、カメラで撮影している』っていうことを意識してしまうから」というレビューを見ました。

「返り血がこっちにまで飛んでくるのは迫力が出るなあ。なんで日本のドラマとか映画はこういう演出をしないんだろう」と思っていたわたしにとって、この「冷める」という意見は目からウロコでした。きっとみんな、多かれ少なかれ「冷める」スイッチがあるのではないでしょうか。

わたしが「冷める」のは、『犬猿の仲の2人がいつものようにギャーギャー言い合って、「あんたのせいでしょ!」「いいかげんにしろ!」って言いながら顔を思いっきり近づけた挙句、一瞬静かになって見つめ合い、突然キスを始める』…っていう海外ドラマで見かけることが多いワンシーンです。

ものすごい剣幕で怒鳴り合っていたはずなのに、突如チュッチュ音が聞こえてくるもんですから二度見ですよ。で、「あー…、出川・上島のキス芸パターンになっちゃったかー……」って、興ざめです。場合によってはもうその作品を見るのをやめちゃうくらい冷めてしまいます。登場人物の心の動きは、勢いに任せないでもっと丁寧に描いてほしいし、そこを雑にするくらいならくっつける必要なんてないじゃない!?

おふたりは、どうにも冷めちゃう演出やシーン、セリフはありますか?
なければおすすめのNetflixの作品を教えてください。日本語吹き替えだと嬉しいです!

ちなみに、逆にテンションがあがるのは『バケツくらい大きいアイスクリームを抱えてこれまた大きいスプーンで食べている』シーンです。大好きです。

くろさわかな








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