[メンテナンス]Squier Affinity Stratocasterのメンテナンス
勉強も兼ねてストラトタイプのギターで少し遊びたいなと思い、安い中古のSquierのストラトキャスターを購入した。今回も実物を見ずネットでの購入となったが、適度に悪いコンディションだったので届いて早速メンテナンスを行った。
コンディションの確認
まずはボディとネックの状態のチェックから。ボディやピックガードにはステッカーが多数貼られていたが、幸い大きな傷や凹みはほとんどなかった。15年前のギターなので木も乾燥が進んで痩せたのか、塗装にごく浅い凸凹が発生している。10年以上たったポリ塗装のギターでは比較的よく見られる現象だと思う。大きなステッカーはどうやらアマチュアバンドのロゴのようだった。
幸い、ネックに大きな反りはなかった。1Fと13Fを抑えると、7Fでわずかに隙間が確認できる状態で、トラスロッドをいじる必要はなさそうだ。中古でギターを買うときに一番怖いのはここなので、一安心だ。幸いにもネックにも傷や打痕はなかった。フレットはかなり錆びて腐食が進んでいたが、凹みや溝はなく8割以上残っている様子だった。ネックも木が痩せたのか、バリが発生しているため、多少整える必要がありそうだ。
少し不思議なことに、これだけフレットが錆びている一方でペグやブリッジはほとんどサビや汚れが見られなかった。
電気系統はジャックが緩んでおり、そのせいで音が途切れるため後で締めてから確認していく必要がありそうだ。
フレットのメンテナンス
まずは一番状態の悪いフレットの手入れから取り掛かる。古い弦を外して、ネックをボディから外す。やはりデタッチャブルネックのギターはメンテナンスがしやすい。
バリがでている箇所をヤスリで慎重に削る。以前はこの作業をする時もマスキングをしてから行っていたが、十分にバリが撮れたかどうかのチェックが難しく効率が悪いため、最近はマスキング無しで作業している。指板に傷をつけないように慎重に行う。フレットの終端部分も若干シャープで指に引っかかる感じがあったので、少しだけ面取りをしてスムーズにした。やはりフレットの処理はギターの価格によって違いがわかりやすく現れる箇所の一つだ。
バリ取りと終端の処理が終わり、今度はマスキングをしていつも通りFernandesのスクラッチメンダーとサーフェイスプロテクターを使ってフレットを研磨する。今回のフレットの錆び、腐食はかなり激しい様子だったがしっかりと取り除くことができた。
フレットの研磨が終わったらマスキングテープを剥がし、まず指板を硬く絞った布で水拭きする。このギターの指板はローズウッドなので、その後少量のレモンオイルで保湿をしておく。以上でネックの手入れは完了。
左が手入れ前、右が手入れ後。大分綺麗な状態に復元できたと思う。
ステッカーの除去
ボディとピックガードについたステッカーの除去を行う。レモンオイルを使うと取りやすいという話があったので試してみた。若干取りやすくなった気がしたが、その後レモンオイルをボディから拭き取るのが面倒であった。
ピックガードの丸い部分は白いステッカーが貼られていたわけではな買った。過去にステッカーが貼られていたと思われる箇所が白く残り、それ以外の部分が紫外線で変色してしまったようだった。残念だが、この変色はどうしようもなさそうだったので、ピックガードは新しいものに交換することにした。
ピックガードの交換
ノブ類を外してからピックガードを外す。ピックアップセレクターのノブがやたら硬く取り外すのに苦労した。ジャックが緩んでいる点以外、電飾系の動作は良好だったので、配線はいじらずにそのまま新しいピックガードに付け替えることにした。
交換用のピックガードはホワイトパール柄のものにした。ストラトタイプのピックガードには8点留めと11点留めがあるが、このAffinity Seriesのピックガードは8点留めだった。8点留めピックガードでも、微妙にメーカーや時期によって寸法が異なるものがあるらしい。運よく、今回購入したピックガードはこのストラトに無加工で取り付けることができた。
ジャックを締める
ジャックが緩んでいたため、締める。一旦本体から取り外して、裏側を指で抑えた状態でボックスレンチで固定した。
スプリングハンガーの調整
ネックを固定し弦を張ってチューニングをする。ネットで調べたところSquierの標準の弦のゲージは09-42っぽかったので、新品の09-42の弦を張ってみた。レギュラーチューニングに合わせたところ、ブリッジがベタ付けの状態になっていたが、アームを使ったビブラートがスムーズにかかるように少しだけスプリングハンガーの位置を移動して、わずかにフロートした状態に調整した。
弦高調整
購入時点では、ブリッジのサドルの高さが揃っておらず、若干ビビりが発生する弦があったため、高さを揃える。今回は弾きにくくならない範囲で、音の伸びが良くなる高さに調整した。
オクターブ調整
最後にオクターブ調整を行った。写真では、サドルの位置を調整してるため机に水平にギターを置いているが、ピッチのチェックはギターを普段弾くポジションに構えた状態で行っている。
オクターブ調整には、以前も投稿したKORGのPitchblack+を使っている。やはり視認性が良くて作業のストレスが少ない。
完成
以上で、メンテナンス完了とした。弾きやすさ的にも見た目的にもなかなか良い仕上がりになったと思う。
早速、このギターのサウンドに合わせて一本録音してみた。
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