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初めてのリフレット - フレット打ち編

溝切りまでの作業から数週間、時間ができたのでいよいよフレットを打ち込んでみることにした。

まずは打ち込むフレットの購入から。工房やメーカー以外でフレットを購入する人なんてそんなに多くないだろうと思ったが、意外にもAmazonでもかなり多くの種類のフレットが販売されている。事前に調べていた情報から「ステンレスよりニッケルの方が難易度が低く、工具への負担も少ない」「フレットを適切な長さにカットしてタングの部分の処理をするのが結構大変そう」ということがわかっていたので、カット済みでタング処理もされているニッケルのフレットを買うことにした。初回はまず失敗して買い直すことになるだろうという予想から、なるべく安いやつを選んだ。

届いたフレットを苦労して長い順に並び替えて、1フレット目から打ち込んでいくことにした。

フレットを打ち込む前にフレットを指板のRよりも多少きついくらいのRに曲げる必要があるのだが、この作業にかなり苦労することになった。世の中にはこのフレットにカーブをつけるためのフレットワイヤーベンダーという専用工具があるのだが、作業開始時点ではこの作業の重要性がよくわかっていなかったこともありこの工具は購入していなかった。

まずそもそもこの工具がない状態でフレットを曲げるという作業自体がなかなか難易度が高い。ニッケルとはいえそこそこ硬いので、指先の握力だけで曲げれるようなものではなく、ペンチを使って机に押し当てたりしながら曲げていくのだが、フレットの断面は凹凸があるのでふとした瞬間にペンチで押さえていた部分がずれてしまう。さらには力の加え方を間違えると変なところに折れができてしまい、元に戻せなくなってしまったりする。後述する通り、この作業の重要性が一番の学びだったので次回やるときはこの工具を買おうと思う

そして、この曲げ具合がかなり重要で曲げ具合が足りないとフレットを打ち込んだ際に両端が浮いてしまい、逆に曲げすぎたり変な曲がり方をすると中央部分がしっかり入り込んでくれない。結果的にかなりの時間をこのフレットにちょうど良いカーブをつけるための作業に費やすことになった

両端を打ち込んでから中央部分を押し込んでいくようなイメージでフレットを打ち込んでいく。ヘッドの部分が大きいハンマーだと周りのフレットや指板も叩いてしまうので、小さめで先端がゴムになっているハンマーを購入した。やってみるまで、フレットを打ち込む作業はそこそこ力を入れてやるものだと思っていたのだが、実際にやってみると力はほとんど入れなくて良い作業だということがわかった。

最初の10フレットぐらいは、両端が浮いてしまったり中央が浮いてしまうという問題が起きて、全然うまくいかなかったので結局一旦全部抜いて打ち直す形になった。二周目でようやく少しずつコツを掴み始めたのだが、それでもやはり浮きが気になり、結局各フレット3-4回程度打ち込み直すことになった。自分の場合は打ち込む前に「いかにちょうど良いカーブをつけられるか」が、一番重要なポイントだった。

なお、フレットは24本セットで短い方から順番に打ち込んでいったのだが、途中で長さが指板の幅と合わなくなってしまった。自分で切り直すのも大変そうだったので、結局二セット目を購入することになった。

気になる点が全て解消したわけではないが、これ以上のクオリティアップは現段階では難しそうだったので、一旦この状態で次のステップに進むことにした。


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