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Suhr Classic S Antique ファーストインプレッション

2016年製のClassic S Antiqueを中古で購入した。

一ヶ月以上、実店舗や通販・オークションなどで好みに合うSuhrを探していた。ステンレスフレット、シングルコイル、細身のネック、そしてフロイドではないトレモロユニットという条件に合うシンプルで安価なStandardを探していたのだが、意外にもこれらの条件を満たすStandardがなかなか現れない。そんな中でネックの太さ以外の条件を満たし、見た目的にも価格的にも悪くないClassic S Antiqueをネットで見つけた。ネックの太さは重要な要素出し、ネット通販なので試奏できないので少し悩んだが、思い切って試してみることにした。

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購入から数日後、商品が届いたのでまずはコンディションのチェック。ネックはストレートか若干順反り状態で問題なし。弦高は結構低めに設定されているが、長年ストラトタイプのギターを所有していなかったので、どのくらいが適当なのか判断が難しいので、一旦そのまましばらく弾いてみることにした。フレットはステンレスということもあって全く問題なし。ブリッジはなぜかサドルの位置がほぼテイルピース側に固定されている。当然オクターブのピッチがずれているため、オクターブ調整を行った。なぜテイルピース側に寄せていたのかは謎だが、幸いブリッジに異常はなかったので、それぞれ適切な位置に調整してオクターブ調整完了。

最初に音出しをしたタイミングでは、オクターブのピッチがずれていたこともあり、そこまで良い音が鳴っている印象がなかったのだが、少し時間をかけて細かくオクターブ調整を行った結果、音の印象がかなり変わった。

まず、意外と生音がよく響く。絶対的な音量が大きい、というよりは中音域〜高音域成分が大きいのではないかと感じる。ステンレスフレットによる音の立ち上がりの速さも相まってか、生音の時点でハイが結構強く出ている。そして、そのせいなのか、それとも別の要因なのかわからないが、ハイポジションでも音が響きやすい。これらの特性で、ギタースラップをするとどの位置でも非常に良い音が出る。

音作りに関しては、正直なところまだ苦戦しており、美味しいポイントを引き出せていないという感覚がある。YamahaのTHR5のCrunchチャンネルでは、割と簡単に心地よいクリーントーンを出すことができた。

いつまでも気持ちよく弾き続けられそうな良い音なのだが、録音用のアンプシミュレーターを使った細かい音作りでは、狙ったような音を出すのを非常に難しく感じる。ニュアンスを出せるようにしつつ、それでいて聴きやすい音、というのを作るのが難しい。歪んだ汚い音にならないようにしつつ、音量を上げようとするとなんだかモコモコした音になってしまう。

ネックに関しては、二日弾いていたらかなりしっくりきて驚いた。元々薄いネックが好みで、Even C Slimでも若干太いなと感じる時があるほどだったので、それよりも太いEven C Mediumは全然フィットしないのではないかと思っていた。実際初日時点では、太さを感じていたのだが、二日目の夜にはもうほとんど違和感を感じなくなった。

2点式のトレモロユニットは、普段使っているPRSの6点式に比べると動き出しの部分の抵抗が少ないように感じる。あまり使わないが、クリケット奏法もできる。また、弦の弾き方によってアームを使わずに意図的にスプリングを振動させることもできる。人によってはこれを好まないだろうが、個人的にはニュアンスの出し方の一つとして、名前がよくわからないこの奏法が結構好きだ。

PRSもそうなのだが、アームの取り付け・取り外しに都度レンチが必要になるのは不便だ。アームをつけたままではケースに収納することができないので、都度外すことになるのだが、毎回レンチを使うのは不便だ。IbanezのEdgeのように工具無しで脱着ができたらよかった。

まだまだ音作りを筆頭に苦戦している部分が多いのだが、それでも二日弾いてみてどんどん身に馴染んで、イメージ通りの演奏がしやすくなってきている感覚がある。同時に、演奏の粗を誤魔化しにくいような感覚もあり、このギターを弾きこなすには、基礎をしっかり練習する必要性があることを感じている。

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