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PlayTech改造計画1

激安のギターに高いパーツを取り付けてみたらどんなことが起きるのか。長年興味があった疑問だが、今回ついに試してみることにした。現在手に入る新品で最も安いギターをベースに、Suhrのピックアップなどを載せてみて音がどう変わるのか検証してみることにした。

土台として購入したのは、PlayTechのストラトST250。円安やインフレなどで数年前に比べると若干値上がりしてしまったが、それでも2023年1月現在新品で1万円前後で購入することができる。3シングルタイプとSSHタイプがあるが、3シングルタイプの方が若干安かったので3シングルタイプにした。(なお、後で述べる通りSSHタイプにしておけばよかったと後悔した)

ギターを開封して真っ先に気になったのがこの指板。妙に黒い。サウンドハウスのHPではローズウッド指板ということになっているが、それにしては不自然なくらい黒いし、木目らしいものも見えない。気になったのでサウンドハウスさんに問い合わせてみたところ、ローズウッドではなくリッチライトだということが判明した。(最近変更があったらしく、その後HPの表記も更新された。)

以前試したSelder ST-16も指板は人工素材だったが、それとはまた違った手触りだ。個人的にはPlayTechのリッチライトの方がよりスムーズで違和感のない仕上がりになっていると思う。

フレットの仕上げは値段相応で、表面はざらざらしており末端部分も若干のバリが発生している。皮膚を痛めそうだったので、ここだけは試奏したり改造する前に手入れしておくことにした。

今回初めてHOSCOのフレットエンドの仕上げ専用のヤスリを使ってみたのだが、これがとてもよかった。棒ヤスリで作業する場合に比べて、1/3〜1/4程度の時間で作業が終わった。普通の棒やすりでフレットエンドを整える場合、どうしても指板を削ってしまわないように神経質に作業しなければいけないが、このヤスリは刃がある面と刃がない面から構成されており、指板の上を滑らせながらフレットの側面を削ることができるようになっている。(メイプル指板の場合はちゃんとマスキングはしたほうが良いとは思うが)

動きの悪いペグがあったり、スイッチの動きが固かったりと、使われているパーツに安さを感じる部分はあるが、ギターとしての造りはある程度しっかりしているように見える。センターもある程度しっかり取れており、ネックの組み込みにも目立つズレはない。ネックに目立つ反りはなく、弦高も標準的な高さだ。オクターブ調整もしっかりされていた。上述の通りフレットの仕上げが雑だが、そこを除けばギターとしての弾きやすさは悪くなさそうだ。

ただし、組み込みはある程度力技で行われているように感じられる部分もある。各部のネジやナットがやたら固かったり、ブリッジ固定のネジはよくみると微妙に位置が揃っていなかったりする。

裏蓋を開けてみると、ブリッジアースがスプリングをかける爪のところにハンダ付けされていた。Squierのギターでもこの場所にハンダ付けされたものを見たことがあるが、ここにハンダ付けをするのは何か理由があるのだろうか。ちなみに、このギターの場合スプリングを取り付けた後でブリッジアースのハンダ付けが行われたようで、ブリッジアースのハンダを取らないとスプリングを外すことができない状態になっていた。

細かく見ていくと気になる点はあるギターだが、木工部分の造りは悪くなさそうなので改造のベースとするには十分に良さそうだ。今後時間をかけて少しずつこのギターを改造していってみたいと思う。

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