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函館SS2024の雑回顧

はい。というわけで、サマースプリントシリーズの第一戦目の函館スプリントステークスが終了しました。
天気は昼頃から雨が降り、そのまま小雨が降り続く中、馬場状態は良発表のまま事実上は稍重寄りのレースとなった。
結果は以下の通り

スタートからコーナーまで

2番カイザーメランジェがハナをとる展開に、二の足を踏んでしまったアサカラキングが2番手に着け、8番カルネアサーダ、10番ウイングレイテスト、4番サトノレーヴ、13番ビッグシーザー、5番オタルエバーが先団を形成。
中団では7番シュバルツカイザー、6番シナモンスティック、9番キミワクイーン、11番ジャスティンスカイ、12番ジュビリーヘッドまでひとかたまり。
その後ろに15番マテンロウオリオン、16番ゾンニッヒ、1番サウザンサニー、離れた最後方に14番セッション。

コーナーから最終直線にかけて

隊列は大きく変わることなく3ハロン33.4秒をマーク、4コーナーをカーブする頃には前との差はなく、2番、3番、4番、8番、5番が内目を選択、10番、13番、7番、9番、6番が内からやや外。
11番、15番、16番、14番が大きく外を回される展開に。

最終直線の攻防

直線コースに入り、最初に前へ追い出したのは10番ウイングレイテスト、2番カイザーメランジェと3番アサカラキングの間に空いたスペースから4番サトノレーヴが抜け出しそのまま先頭へ。
内からやや外目を走っていた13番ビッグシーザーもウイングレイテストの外から被さるように抜け出し、5番オタルエバーはその後ろから、1番サウザンサニーはサトノレーヴの後ろから猛然と脚を伸ばしてくる。
そのままサトノレーヴが先頭を押し切り1着でゴール、2着にウイングレイテスト、ハナ差でビッグシーザーが3着に入線。
追い上げたサウザンサニーが4着、オタルエバーが5着までという結果に。

入線した馬について

5着 オタルエバー

先行集団のすぐ後ろに取り付き、最終直線で抜け出しを図る函館1200m戦において最も勝ちやすい進路取りを選択。
洋芝適性は実績通りであり、湿った馬場に強いリオンディーズ産駒であることから馬場状態もプラスに働いたと見える。
上位勢とは差のない競馬が出来ていたため次走も期待が出来る。

4着 サウザンサニー

去年の冬から今年の春にかけて下級条件を連勝し、陣営のコメント通り充実期に入っている。
重馬場の凱旋門を勝利したワークフォースを母父に持つため、今回の馬場状態も大幅に向いた状態であった。
最終直線では後方11番手から驚異の末脚を見せ4着まで追い上げてみせた。単純に馬の力を評価することができるためこの馬も次走に期待が持てる。

3着 ビッグシーザー

ストームキャットのクロスを有することから渋った馬場への適正面は問題なく、洋芝への適性も見せているビッグアーサー産駒。
スタート直後は外枠から斜めに切り込み、まさしく下記の記事で記述した内容を実践し難なく先行集団へ。

その後はスムーズに馬を運び、最終直線では内でごちゃつく馬たちから一頭分離れた外を走るという筆者が最も理想とする競馬を選択。
惜しくも3着までという結果に。
ただ、このレースに来るまでの調教過程が緩かったことから本命は次のキーンランドカップに向けたものではないかとも考えられる。
その上で3着という結果であれば陣営にとってはこの上ないことだろう。この後の動向に注目したいところ。

2着 ウイングレイテスト

前半33.4のハイペースから先行で粘りこみの2着。元々1400mを主戦にしていた部分でスタミナ面は申し分なく、スピード面ではサクラユタカオー、粘りこみと下りに強い部分はスクリーンヒーロー産駒であることが大きく影響していると考えられる。
斤量59キロを背負った上でこのパフォーマンスはG1スプリント戦線でも十分通用する内容を見せたと言える。他馬同様、次走にも期待ができる。

1着 サトノレーヴ

2着に1馬身差以上をつける圧勝振りでこの中では抜けたレベルを見せた。
元々このレースに実績のあるロードカナロア×サクラバクシンオーで血統面については文句のつけようがない。
また、年齢を重ねてくるとロードカナロアの持つストームキャットは主張を強めてくるため、ナムラクレアやファストフォースの前例があるように来年の高松宮記念までにはさらにパワーアップした状態を期待することが出来る。

短距離とスタミナの関係について

最後に血統面から言えるスプリントとスタミナの関係について記述していく。

ついついスピード面にばかり気が向きがちになるスプリント戦だがスタミナ面を重要視しなくてはいけないケースは往々にして存在する。
ハイペースの中、先頭まで押し切るにはスピードに加えて、スタミナ面の補強が必要となり、その要素存分に伝えている代表的な馬がサクラバクシンオー。

サクラバクシンオーはサクラユタカオー由来のスピードに加えて1200mをスタートからゴールまで全力で走り切るスタミナを持っていた。
それは母サクラハゴロモの全兄アンバーシャダイ(菊花賞、有馬記念勝ち馬)由来のものと考えられる。
ちなみにサクラハゴロモ自身は快速牝系である。
「ステイヤーとスプリンターは表裏一体である」という考え方が存在するが、それはまさしく上記のサクラハゴロモとアンバーシャダイの関係性に他ならない。

上りから始まり、急なコーナーを下りながら走っていく函館競馬場においてはかなりのスタミナを要するため、こうした血を持つ馬が結果を残している(スピード面で優秀なロードカナロアにその血が合わさったら言うまでもない)。
掲示板中3頭がその血を持ち合わせている今回の函館SSの結果を見てもそれは明らかである。


終わり

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