見出し画像

【函館SSに向けて】逃げ馬と枠の話ー本当に外枠は不利なのか?ー

1.はじめに~夏競馬開催~

ついに今週から夏競馬が始まります。
今までの東京競馬場、京都競馬場に函館競馬場が追加された3場開催となり、また忙しい競馬予想生活が訪れようとしています。

さて、そんな夏競馬の一番の目玉と言えば…?

そう、サマースプリントシリーズですね

去年のサマースプリントシリーズチャンピオンはジャスパークローネでした。

全六戦にも及ぶ短距離重賞をもって夏の短距離王を決めます。
そんなサマースプリントシリーズの第一戦が今週日曜日に函館競馬場で開催されます。

出馬確定前ですがなかなかの粒揃いですね

前置きはこれぐらいにして本題に入ります。
芝1200mで行われるスプリント戦においてとても重要になってくるのが枠順の話。
とりわけスタートから先手を奪ってそのままゴールまで駆け抜ける逃げ馬にとって、その重要性は大きなものになってきます。

そこで通説とされているのが、逃げ馬など前目で競馬をする(したい)馬にとって、内枠は好材料、外枠は割引き材料となる。といったもの。

理屈は簡単で、外枠よりも内枠出走となる方が最初の直線から第一コーナーまでをロスなく立ち回れることができ、その後もスムーズに自分の競馬に持ち込めるため外枠より内枠が有利であると。

ん~~~ほんまに外枠は不利なんかなぁ?

2.坂道と楽な上り方の話

話は一転、変わりまして。
みなさんはこんな理論を耳にしたことありませんか?

「坂道や階段などを登る時、真っ直ぐ上るよりも斜め上を目指して上った方がラク(脚にかかる負担が少ない)」

という理論です。

物理学の話になってややこしいので詳しい解説は省きますが、これは全体の仕事量は同じだが距離が長くなるため、単位時間あたりの運動強度は小さくなるというもの。
要は「短くて急な坂道」を「長くて緩い坂道」に変換しているようなものと考えてもらえば大丈夫です。前者よりも後者の方がラクに歩けるのをなんとなく想像できるかと。
当然この理論は物理が働くこの世すべてのものに当てはまるため競走馬にも当てはめることができます。

そしてそれを実際に競馬で実践した人がいるんですよね。それがこの記事に書かれています。

この記事に書かれている通り、「長い坂を真っ直ぐに駆け上がるのは馬に負担がかかる。そこで坂は斜めに上がった方が上りやすい」というアドバイスを受けた安田隆行元騎手はトウカイテイオーのダービーで直線真ん中から斜めに切り込んで坂を上がっていき見事、日本ダービーを制覇しました。

3.函館競馬場について

ここで話を本題に戻します。
本当に逃げ馬にとって外枠は不利になるのか。
ポイントになるのは函館スプリントSが開催される函館競馬場のコース形状です。

これが函館競馬場芝1200mの簡単なコース形状になります。
おや? スタートから最初のコーナーまでが緩やかな上り坂になっている…?

そういうことです。

確かに一般的には逃げ馬にとって外枠は嫌われるものになるでしょう。
ただしかし、スタートから最初のコーナーまでが緩い上り坂になっている函館競馬場においてはその限りではありません。
それは題目2で記述した理論が当てはまるからです。

実際に函館競馬場を舞台に外枠出走となった逃げ、もしくは番手で競馬をする馬で好走した例を見ていきましょう。

18年HTB杯 8枠16番モズスーパーフレア1着(通過順2-2)
16年函館SS 8枠16番ソルヴェイグ1着(通過順2-2)
20年函館SS 8枠16番ダイメイフジ2着(通過順1-1)

また、函館競馬場とは異なりますが次のようなケースもあります。

京都競馬場芝3200mは特殊なコースとなっており、スタートから最初のコーナーまでが函館競馬場と同じく上り坂になっています。

このレースの動画を実際に視聴して頂くとわかりやすいのですが、8枠17番での出走となったドゥレッツァがスタートから猛烈な脚で斜め上を目指して切り込んでいき、ラクにハナを奪っています。
当時はルメールマジックだとか暴走だとか言われていましたが、トウカイテイオーと同じく題目2の理論が有効に働いた瞬間であったと言えます。

4.終わりに

というわけで長々と書いてきましたが、"スタート後の直線から第一コーナーにかけて上り坂になっているコース"においては、
逃げ馬にとって外枠は一概に不利であるとは言えない(むしろ有利?)説を記述させていただきました。

函館競馬場で狙いの逃げ馬が出走する場合、予想の参考になるのではないでしょうか?
世間的には外枠が嫌われている状況ではオッズ妙味も考えられますし尚更ですね。

アサカラキングが外枠を引くことを願っています✨


終わり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?