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いましろたかしと「ドラゴン・タトゥーの女」

これは2017年にFacebookに書いていた文章です

お導き?

時々不思議な偶然の一致が起きる。
昨日の夕方、いましろたかしの
「新釣れんボーイ」というマンガを読んでいた。

いましろたかしというマンガ家自体、
あまり知られていないだろう。
僕は25年ほど前から、
ずっとファンで、
書店で著作を見つけたら、
ほぼ買って読んでいるのだが、
今はそんなにいましろ熱も高くはなく、
時々書店で、新刊を見かけて買うくらいだ。

いましろたかしも
ここ10年くらいは低迷が続いていて、
中途半端な社会批判のような、
ぼやきマンガを書き続けている。

「新釣れんボーイ」も
日々のぼやきを書いたマンガだが、
出版されたのは2016年の10月で、
僕は最近になってこの本の存在を知り、
読んだのも昨日のことだったのだ。

最近のいましろたかしは、
自主映画の制作をしているらしいのだが、
日々の健康への不安から現実逃避するために、
病院帰りにレンタル屋から知人に電話して
「なんか面白い映画ある?」
と聞くシーンがある。

そこでデビット・フィンチャーの
「ドラゴン・タトゥーの女」をすすめられ、
借りて見るくだりがあるのだが、
「うーん面白いな、話がよくわからんが」
というセリフがある。

デビット・フィンチャーは、
僕も割と好きな監督だが、
新作が出れば見るというほど、
熱心に追いかけているというほどでもない。

それで「ドラゴン・タトゥーの女」
という作品名はちょっと頭に引っかかったが、
今度レンタルして見てみよう、
というほどでもなかった。

そうしているうちに奥さんが仕事から帰ってきて、
一緒にお風呂屋に行くことになった。

僕が先にお風呂から出て、
ロビーのようなところで待っている時、
そこに置いてある雑誌を読んでいたのだが、
さすがに入浴施設だけあって、
ロハスがなんとかとか書かれている、
雑誌名も出版社も全く知らない雑誌だった。

ただその表紙に
「おすすめDVD特集」と書いてあったので、
なんとなくその雑誌を手に取ったのだ。

なんとその雑誌は2012年の12月号だった。
その「おすすめDVD特集」では、
ミツバチがどうたらこうたらとか、
少人数で電力会社を立ち上げたとか、
そういうわけのわからない、
ドキュメンタリーを紹介していたのだが、
その記事の冒頭部分に
「最近面白かったのは、
「ドラゴン・タトゥーの女」だけど・・・」
という文章があった。

えっ、「ドラゴン・タトゥーの女」って、
つい最近何かで見たよな、と思ったのだが、
何で見たのかは咄嗟には思い出せなかった。

「何だったっけ?」としばらく考えたのだが、
どうしてもいましろたかしの単行本と、
このわけのわからない地味な雑誌が
むすびつかなくて思い出せなかった。

奥さんがお風呂から出てきて、
車に乗り込んで帰る途中も、
ずっと気になっていた。
もしかしたらいましろたかしの
本の中で出てきたんだったっけ?
と思ったが、確信はなかった。

でも「ドラゴン・タトゥーの女」という題名だけは、
しっかりと頭の中に刻みつけられた。

帰り道にはTSUTAYAに、
借りていたDVDを返しに寄ったのだが、
その時についでに探してみようと思っていた。

ところがTSUTAYAでは
今の僕の課題DVDは日本のアニメなので、
日本のアニメコーナーを見ているうちに
「ドラゴン・タトゥーの女」のことは、
すっかり忘れてしまっていた。

家に帰り着いてから、
そのことを思い出し、
いましろたかしの本を読み返してみたら、
やはり「ドラゴン・タトゥーの女」のことが
書かれていた。

そうならば僕が夕方に
いましろたかしの本を読んでから、
お風呂屋であの雑誌を見るまで、
1時間くらいしか経っていない。

「ドラゴン・タトゥーの女」という、
当時は話題になったかもしれないが、
今ではそんなに語られることもない映画のことが、
こんな短時間の間に
全然別の媒体を通じて
僕の元に情報が届くというのは、
果たして偶然の出来事なのだろうか、
僕はこういうのを
何かのメッセージととらえている。

その後「ドラゴン・タトゥーの女」は見ました。
とても面白かったです。


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