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『智絵里・李衣菜の探訪・羽田イノベーションシティ』あとがき~やりたかったこと・空港跡地との縁~

予定よりだいぶ遅れましたが、なんとか今回も完結できました。羽田空港が沖合に移転した後に残った跡地を再開発して生まれた施設・羽田イノベーションシティ(以下HICity)を智絵里・李衣菜が訪れたこのシリーズ。本当はオリンピック前に終わらせるつもりだったのが、想定より尺が伸びる、ラストシーンで詰まる、なんだかんだオリンピックを観てしまう、ワクチン接種で体調不良……と色々重なって、気が付いたら1か月半も遅れてしまいました。急に涼しくなって、もう夏も終わりそうです。

本当にやりたい放題だった本作

いつもやりたいように作っているつもりですが、今回は特にやりたいことをやった印象です。まずはジングル。旅m@sデビューから6年が経った後の最初の作品なので、その記念として添えました。メロディはお馴染み、多田李衣菜のソロ2曲目、「Sparkling Girl」のサビです。「6」周年、主人公としての出演「6」作目(増えたな……)ということもあって、李衣菜関連の曲にすることは最初から決まりでした。「Twilight Sky」ではなくこちらを選んだ理由はより最近に出たほうだから、トワスカは前川みくの携帯の着信音で使っているから、といった辺りです。ちなみにアレンジするにあたり、6種類の音色を使っています。だいぶ「6」に拘ってますね。

次にOPムービー。「ガールズ・イン・ザ・フロンティア」をBGMとした点は前回OPムービーを採用した高輪ゲートウェイ編と同じです。だってあの曲、都市開発系のテーマに凄く似合うんですもの……未来を切り開けってことで。一方で今回はデレステのMVも活用しています。確かこれも別の方の作品に触発されて、だったと思います。デレステMADの達人たちのようなムービーには遠く及びませんが、よりアイマス動画らしくなったと、ここは自画自賛しています。果たして今後の自作に定着するのでしょうか。

智絵里と李衣菜という組合せ、通称ちえりーなもやってみたかったことの一つでした。既に加蓮と李衣菜(かれりーな)、みくと李衣菜(みくりーな)が実現しており、じゃあ次はということで。そんな中、羽田の再開発が進んでHICityが開業します。そして色々調べると、ちえりーなが適切だということに気が付きました。
・まず空港周辺の施設である←智絵里はVast worldに出演
・足湯が設置されている←温泉ガシャ
・ライブハウスが入居する←ロック!
・取材日直前に共演←智絵里ハロウィンSSR
であるほか、私の過去作の都合ですが
・智絵里は以前にここを散歩したことがある
・ここの取材はロボットの展示会の参加も兼ねるが、李衣菜は少し前に高輪ゲートウェイ駅でロボット等最新技術に触れていた
という事実があり、根拠としてはもう十分でした。

それにしても、結構智絵里が引っ張る感じのストーリーが出来上がってたなという印象です。ちえりーなは李衣菜主導になりがちという勝手なイメージがありますが、そこから外れる形に。きっかけが李衣菜にあったとはいえ誘ったのは智絵里ですし、その後周辺を軽くガイドしたのも智絵里、最後にブックカフェに入るのを決めたのも智絵里……ここまでくると大丈夫かなって。でも、智絵里にとって李衣菜は気を張らずにいられる相手という考え方は割と定着している印象なので、こんな関係になる作品も一つぐらいはあってもいいんじゃないでしょうか。

何故空港跡地に通うようになったのか

前述のとおり羽田空港の跡地は私の過去作に登場しており、智絵里が訪れています。つまり空港跡地が登場するのは2回目です。そしてその間には何度もあの場所を訪れていました。それほど身近になった理由についても触れておきたいと思います。
※1回目はこちら:

まず、蒲田での同人誌即売会の存在は大きなものでした。京急蒲田の駅前にある展示場・PiOでは年に数回、アイマスオンリーの即売会「歌姫庭園」が開催されますが、京急沿線に住む私にとってはありがたい場所。2015年4月の回、サークル参加されたTwitterのフォロワーさんへのご挨拶目的で初めて参加し(これが人生初の即売会!)、それ以来よく足を運んでいます。今ではご挨拶する方も増えました。こうして年に数回生じた蒲田へ出かける機会のうち、日によっては羽田空港の跡地にも足を運んでいたわけです。電車だったり蒲田から徒歩だったりで。

では空港の跡地に通うきっかけが何だったかというと、2016年4月頃のあるネットニュースでした。それは蒲田と京急蒲田を鉄道で結ぶ、通称"蒲蒲線"計画が若干前に進んだともいえる内容でした。

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※蒲蒲線計画のルート。赤線の区間を結ぶが、周りの路線と直通するために緑線の区間もトンネルを掘る必要がある。
余談だが左方の矢口渡駅はナムコ旧本社の最寄り駅だった

図の赤線の区間は距離こそ1キロ弱と短めですが、線路で繋がっていれば両側から直通し東急線、更には埼玉方面と羽田空港が結ばれる可能性を秘めています(線路幅という大問題はさておき)。そのため結構前から期待されていたところ、4月に国交省が首都圏の数ある鉄道建設の計画を評価した際に良い評価が得られたのです。
そこで思いついたのが、蒲田から"蒲蒲線"予想ルート、京急の線路沿いの道を経て羽田空港まで歩く、将来の羽田空港アクセス路線をイメージしたウォーキング。全長10キロ程度で、一応趣味のウォーキングのコースの体を為しているはず。早速、次の旅m@sのネタに決まりました。取材日はルート上にあるPiOで開かれる歌姫庭園にぶつけ、両方の用事を一気にこなせるようにしました。

そしてその取材で初めて羽田空港移転後の跡地の現状を知り、なかなかの衝撃を受けました。てっきり駐機場なり関連会社の事業所なり、空港施設の一部になっているとばかり思っていたので。実際は移転から15年以上経った後も転用されず、滑走路の舗装はあるという中途半端な形で残されていました。また別の場所にも草が生えた空き地が広がっているのを目の当たりにし、羽田空港の知らない一面を見たような取材になりました。

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※2016年4月撮影
上:現在の羽田イノベーションシティの敷地周辺。戦後の強制移転の歴史を伝える案内板がある
下:多摩川沿いの空き地。現在は道路が移転し、遊歩道もできた

しかしそれだけなら、一度訪れたきりになったかもしれません。そうならなかったのは、再開発の計画があることを知ったから。動画制作中に色々調べていると、ある資料に将来の姿が載っていました。最先端技術の研究開発の場、日本の文化の発信の場となる施設ができるとのことで、品川の車両基地跡(現在の高輪ゲートウェイ駅周辺)と並んで将来が楽しみな場所へと自分の中で変わっていきました。
その後HICity開業までの間は、2018年10月、2019年9月、2020年2月に現地を訪れています。2018年訪問の時点で、将来施設が開業したら旅m@sにしようと考えており、そのため事前に色々記録しておきたいと撮影に励みました。

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※2018年10月撮影
上:案内板のあった辺りは更地になり、土地の造成中。奥の建物は天空橋駅の入口
下:道路を川沿いに移し、ホテルの土地を捻出する工事の最中。左手には作りかけの遊歩道が(フェンスが見える)

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※2019年9月撮影
上:HICityの建物が姿を現した
下:一部が完成した遊歩道から撮影。左手にはホテルの建物が見える。まさか開業できないとはこの時誰が思ったか……。
川の対岸を結ぶ橋の姿はまだない(この直前の台風の影響で工事にも遅れが出ている)

まとめると、企画したウォーキング兼取材でこの場所を知って衝撃を受けたこと、将来が楽しみな場所だと知ったこと、現地の近くまで出かける用事が定期的にあったことで何度も通うようになったわけです。振り返ってみると、大袈裟ですが人生を感じますね。今のエリアに住んでいて、歩く趣味があって、あるゲームに取り組んで知り合った人に挨拶しに即売会に行く習慣があるからこうなったわけで。長いこと注目して旅m@sの形にできたのは高輪ゲートウェイ編と同じですが、より自分のしてきたことが結びついていることもあって、完結に対する感慨深さはあれ以上でした。

おわりに

今回のシリーズで、2020年10月――開業3か月後、本格稼働直後のHIcityとその周辺の様子をお届けしました。動画でも触れているように、再開発はまだ続きます。HICityにも2022年にオープンするエリアがありますし、その隣には公園が整備される予定です。また多摩川スカイブリッジと名付けられた両岸を結ぶ橋が2021年度中に開通します(歩道もできるそう)。それぞれどんな姿になるのか楽しみですし、オープンしたらまた訪れてみようと思います。それこそ即売会のついでにでも。
それにしても気がかりなのが、某感染症の影響で開業できずにいる施設のこと。HICityでは「羽田昔ばなし横丁」、そして多摩川沿いの空き地を活用してできた住友のホテル、正しくはホテルや商業施設・バスターミナルから成る「羽田エアポートガーデン」。これらは海外との往来がある程度の水準まで戻らないと営業できないでしょうから、まだ厳しいかもしれません。いつまで寝かせておけるか、少し不安ですが……その点からも、蔓延防止に微力でも協力していきたいと思わされます。

そういうご時世ですからなかなかお出かけもままならず、今回の完結で旅m@s化可能なネタは本稿執筆時点では使い切ってしまいました。今回で累計39タイトルになるのですが、果たして40タイトル目はいつ誕生するのか……興味あるネタも秋頃にありますが、扱えるかはわかりません。当面はTwitterでのお知らせのとおり、来春にかけて休止していた英国編の制作に移る予定です。色々心境の変化もあって、このほど再開となりました。完結まで見守っていただけると幸いです。

それではここまでお読みいただき、ありがとうございました。
英国編第23話でお会いしましょう。

-以上-


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