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「業務効率化がゴールじゃない」CTOとPMが目指す、飲食業界における真のデジタル化

CRISPは「サラダ屋さん」…ですが、オーダーシステムやセルフレジなど、飲食店で必要不可欠なプロダクトを開発している会社でもあります。そのため、エンジニアはもちろん、いろいろな職種のメンバーが集まっています。

2021年8月に、プロジェクトマネージャー(以下、PM)としてCRISPへ入社したykoba(わいこば)もその一人。(写真右)

実は、ykobaはライブドアをはじめとしたベンチャー企業での新規事業開発経験のほか、ベネッセでは教育事業のデジタル化も担当していました。そんな彼が「飲食業界」へ挑もうと思ったのはなぜか?CRISPのCTOであるwadatch(わだっち)が聞きました。(写真左)

小林 佳徳 YOSHINORI KOBAYASHI | Project Manager
新卒で大日本印刷株式会社に入社後、株式会社ベネッセコーポレーションなどで、インターネット領域におけるデジタル事業の立ち上げを担当。株式会社ライブドアでは企業再生のために人事や総務、広報業務を経験。2015年からはEdtechやHRtechのスタートアップでの事業並びに管理部門責任者を経て、2021年8月より株式会社CRISPにジョイン。
社内ではykoba(わいこば)と呼ばれている。
和田 洋樹 HIROKI WADA | CTO
ニックネームは中学生の頃からwadatch(わだっち)
株式会社SRAを経て、2006年にグリー株式会社入社。決済・広告システムや社内システムの開発・運用を行う。その後、株式会社サイカ、フリーランスを経て、2018年1月にメルカリでCorporate Engineeringで人事評価・組織系システムの企画・開発・運用マネジメントを担当。
2021年1月より株式会社CRISPのCTOとして、モバイルオーダーアプリを中心としたCRISP Salad Worksで飲食業界のDXに挑戦中。


入社動機は「デジタルからもっとも遠い事業」と「ひろしさん」

wadatch:ykobaさんはそろそろ、CRISPへ入社して2ヶ月過ぎようとしていますよね?入社のきっかけは何だったんですか?

ykoba:いろいろありますが…やっぱり一番の動機はひろしさん(CRISP代表取締役社長、宮野浩史)のインパクトの強さですかね。

wadatch:それは僕も同じだ(笑)。

ykoba:wadatchさんもでしたか(笑)。もちろん、良い意味ですけれど!

wadatch:僕は自分自身のキャリアを選択するなかで「1つ尖ったものを持っている人と一緒に仕事をする」を重視してきました。その点、ひろしさんは尖っているし、何よりCRISPでの仕事が好きすぎる!!(笑)。でも、そこがとても魅力的だと思っているんです。トップがほかの誰よりも一番嬉しそうに事業の未来を語っている姿を見ていると、とてもいいなぁと思ったんです。

僕はメルカリやGREEでもエンジニアとして働いていました。特にGREEでも初期フェーズでは、社長と近い距離で仕事をしていました。彼らが見ている風景は…僕たちとはぜんぜん違うし独特です。正直言って、発言内容がころころと変わったりして大変だと思うこともまあまあありましたが(笑)。今となって考えるとみている視点が異なっていた、ということなのかなと思っています。おかげで、代えがたいスキルを得られました。

ykoba:よく「経営者視点を持て」「視座を高めろ」と言いますが、つまりそういうことですよね。目の前の仕事に追われてばかりでは、ふと気づくと目線が低くなっていたりする。でも、社長の意思決定についていく現場はなかなか大変なんですけどね(笑)。

wadatch:そして、僕がCRISPへ入社を決めた理由がもう1つあります。それが、飲食は「デジタルから遠い事業」ということ。とても難しいけれど、おもしろそうだなと思ってしまったんです。

ykoba:同感です。私も、いわゆる「飲食業界のデジタル化」に興味がありました。入社のきっかけはスカウトメールでしたが、受け取った直後はCRISP自体にピンときていなくて。「以前食べたサラダ屋さんの名前がCRISPだったような?」と思うくらいでした。そして、そのとおりだったという(笑)。カジュアル面談などを通じて、実はサラダを売るだけでなく、飲食店に必要なシステムやプロダクトをつくる会社であると知りました。

私は前職までのキャリアで、教育事業をデジタル化するような仕事もしていました。そこでの経験も活きると思えたことも、動機の1つですね。

開発スタッフも店舗スタッフも、自由に動きながら結果を出せる体制にしたい

wadatch:入社前後でギャップはありましたか?

ykoba:ある程度覚悟はしていたのですが、思っていたよりも業務範囲が広かった、というギャップはありました。それもそのはずで、次々と新しく取り組んでいるプロジェクトが多く、それぞれが始まったばかり。内定してから入社までの間にも色々状況が変わっていました。なので、新しく立ち上がった取り組みを1つでも早く形にしたいと思っているところです。

wadatch:具体的にはどんなプロジェクトですか?

ykoba:入社前の面談でひろしさんが「店舗で働くメンバーをもっと正当に評価できるようにしたい」と話していました。というのも、飲食業界では事業にどれだけ貢献したか(=店舗の売上が伸びる)よりも、「どれだけ長い期間働いたか」「長い時間働けるか?」が評価される現状があります。新しくシステムを開発して導入することで「本当に評価すべき人」を明確にし、現場のパートナー(社内では店舗スタッフをこう呼んでいます)が、例えば顧客対応などの「本来やるべき仕事」に注力できる環境をつくりたいと考えています。

その根底には、ひろしさんは社員に対してガチガチのマネジメントをするのではなく、自由に動きながら結果を出せる体制をつくりたい考えがあります。仕事ができる人は、その方がパフォーマンスが高くなりますから。そういった考えにも共感したんです。

wadatch:僕は2021年1月に入社したのですが、プロダクト・チームともに混乱状態だったので「何から始めればいいのか」がわからなくて悩みました。そのときの記憶があったので、ykobaさんが入社したときには最初に「とっかかり」のあるオンボーディングを意識したつもりです。

先ほどykobaさんも話していましたが、僕もひろしさんと同じく、一人ひとりが意思決定しながら仕事ができる環境をCRISPでつくりたい。なぜなら、その人ならではの仕事の価値観が含まれた動き方をできたほうがいい成果が出るから。うれしいことに、ykobaさん含め、いろいろなメンバーによって雰囲気はいい方向へ変わりつつあると感じています!

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「デジタル化=効率化じゃない」と断言したい理由

wadatch:ykobaさんが話しているデジタル化とは、いわゆる「DX(デジタルトランスフォーメーション)」のことですよね?具体的に、どんな状態を指していますか?

ykoba:断言しておきたいのは、「ExcelやGoogleスプレッドシートを導入して作業を効率化する=デジタル化(もといDX)ではない」ということです。むしろ、その先に真のデジタル化があると思っているんです。

例えば、家計簿アプリ。収支をつける作業自体を楽にするだけでなく、「来月使える予算はこれくらいになる」「貯金に回すならこれくらいにおさえたほうがいい」など、レコメンドされる状態までいくことに価値がある。電子書籍に関しても「持ち運びが便利になった」だけでなく、本を読むスピードをデータ解析して「あなたと相性がいい本はこれです」となったらおもしろくないですか?CRISPでも、ただ注文が楽になるだけでなく、その先にあるまだ見ぬすごい世界を実現できればと考えているんです!

wadatch:わかるなぁ。以前までのデジタル化は「便利なツールをつくること」でした。しかし、それはもう当たり前のこと。そして、我々がつくろうとしているのは「システム」です。

ツールとは、便利な機能やサービスを指す。一方でシステムは、デジタルと人がかけ合わさって構築された「系」です。CRISPでは飲食店における情報システムをつくるわけですが、基盤の開発だけでなく「それによって人の行動がどう変わるのか」も含めていろいろ考えていくことになります。

ykoba:そうですね。ただ、我々が向き合う飲食業界は歴史が長いこともあり、急に大きく変えるのは難しい。そもそも諦めている人のほうが多いかもしれない。その意識ごと変えられるものをつくれたらいいですよね。

wadatch:まだ存在しないものをつくろうとしているわけですからね。例えるなら、ガラケー時代に「スマホが必要だよ」と言ってもすぐに理解してもらえない感じ!CRISPの場合は一般のお客さまがユーザーなだけでなく、レストランのパートナーもユーザーです。それぞれにアプローチが異なるところも、面白くもあり難しさの1つですね。

ykoba:まだ見ぬものに挑むことが、スタートアップの醍醐味です。一般的なSaaSは、コンピューター上で完結するものが多い。でも、CRISPのSaaSはリアルにデジタルをかけ合わせていくことになる。具体的に言うと、19店舗それぞれのビジネスモデルをSaaSと見立てて、月間アクティブユーザー(MAU)やLTV、月次売上(MRR)を伸ばしていく。同時に、各店舗の魅力を出せるようにしていきたい。新しい仕組みをどんどん追加し、アップデートしながら数字を伸ばしていく仕事は、CRISPならではですね。

「プロダクト・ビジネスともにグロースさせたい」

wadatch:GREE時代に「よかった」と感じているのは、ビジネスサイドだけでなくエンジニアも事業に責任を持てるところでした。チームによって関係性は変わりますが、エンジニアが事業責任者になり、ディレクターのような動き方をすることもありました。僕が所属していたチームでは、エンジニアと事業責任者は別にし、お互いの立場で切磋琢磨できる体制にしていました。CRISPでも、そういった動き方ができないかと考えているんですがどうですか?

ykoba:いいですね!CRISPのプロダクトはSaaS的な色合いが強いので、BizDevだけでなく今後はインサイドセールスやカスタマーサクセスのようなポジションも含めてチームを構築したほうが絶対にいいです。現在、すでにいろいろなポジションのメンバーと話し合いながら開発を進めていますし、そうやってチームを横断して事業に貢献していくのは何より楽しい。

wadatch:賛同してもらえてよかった!僕はCRISPのCTOですが、開発体制を整備するなかで感じたのは「エンジニアがもっと活躍できるようにするには、ビジネスサイドの人がもっと必要」でした。ykobaさんは、ビジネスもプロダクトもわかる。PMとして入社してもらっていますが、もっとマルチに動いていただきたい気持ちが強いです(笑)。

ykoba:ぜひとも!これまでのCRISPでは、ビジネスサイドを全面的にひろしさんが担当していました。しかし今後は、これからCRISPが進むべき大きい青写真をひろしさんには描いてもらって、それを実現するためのアイデアを具体的にビジネスに落とし込み、グロースできるメンバーの必要性を感じています。まずは私が人目のPMとして、ひろしさん&開発チーム&店舗パートナーとバランスよく連携しながら、プロダクトを起点にビジネスをグロースさせていく部分を引き受けていきたいです!

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