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データドリブンかつ、クリエイティブドリブンに。 外食業界をひっくり返すサラダのため、 デザイナーができること。

オフライン(店舗)とオンラインが複雑に絡みあったレストランの実現には、ユニークかつ拡張性のあるデザインの重要性が高まっています。データによるデザインが重要視されるCRISPにおいて、デザイナーはどのようにブランドへコミットしているのか。CRISPのリードデザイナーとして様々なデジタルデザインを担当する、シュンスケさんにインタビューをしました。

CRISPのサービスやプロダクトに興味のあるUI/UXデザイナーの方。また、デザイナーとしてのCRISPの仕事が少しでも気になる方に、読んでいただければと思います。

井関俊介 SHUNSUKE ISEKI | LEAD DESIGNER
桑沢デザイン研究所プロダクトデザイン卒。上場企業や大手代理店の案件を数多く経験した後に2009年に独立し、デザイン会社である株式会社バケモノを設立。同社代表を務める傍ら、株式会社CRISPにリードデザイナーとして参画。German Design Award 2020 WINNER。


サラダをごちそうになんて、「狂ってる」と思っていた。

―― シュンスケさんが担当している業務内容について教えてください。

CRISPが自社開発しているデジタルプロダクトのデザインと、ブランド全体のクリエイティブ統括が主な担当です。モバイルオーダーの「CRISP APP」や店頭セルフレジの「CRISP KIOSK」、 サラダのサブスクアプリ「CRISP REPLENISH」のUI· UXデザインの他、全てのウェブサイトのデザインを担当しています。

―― 幅広く担当しているんですね。

僕らはまだ小さなスタートアップでデザインチームも数名。明確なガイドラインがない部分も多いです。ですからCRISPのブランド価値向上につながることであれば、何の担当であるかには縛られず、専門外のことについても積極的に関わるようにしています。

―― シュンスケさんは、ご自身で会社も経営していますよね。CRISPに参画することになった経緯について教えてください。

僕のやっているデザイン会社へ、CRISPのクリエイティブを依頼されたことが発端でした。最初は2015年だったので、まだ店舗も1号店しかなかった頃です。WEBサイトから始まり、サイネージやKIOSK、アプリなど継続的にクリエイティブ全体を任せられるようになりました。さらに事業や経営ことも少し意識しながらのクリエイティブを追求するため、2020年からCRISPのリードデザイナーとして本格的に参画することになったんです。

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―― 2015年当時のCRISPの印象は覚えていますか?

代表である宮野浩史さんの印象がとにかく強烈でした。「狂ってるな~」と思いましたから。

―― 狂ってる、とは?

ヒロシさんは、「サラダをごちそうにしたい」って言うんです。「サラダを、ステーキや焼肉みたいに特別なとき食べるものにしたい」 と。しかし当時は、世間にも僕にも、サラダがごちそうだなんて感覚はなかったんですよね。野菜を食べることはどちらかというと義務感だったし、サラダに高いお金を払うのはなんだかなぁと思っていたし。正直に言うと、当時は無理だろうと感じてしまいました。でもヒロシさんのアツいプレゼンは3時間も続いて。

―― 3時間ですか!

初めて会った人からサラダのプレゼンを3時間も聞くんです。狂気じみてるって、思いましたよ(笑)。

テクノロジーとクリエイティブ。
ふたつの力なら、業界を変えられる。

―― 狂いそうなほどの熱意を感じる話です(笑)。無理だろうと思いながらも、CRISPに携わり続けたのはなぜですか? どんなふうに印象が変わったんでしょう。

主に理由はふたつです。ひとつは、これまでの外食産業とはまったく異なるやり方だと感じられたことでした。CRISPが目指しているのは、単なる「おいしさ」や「おもてなし」ではなかったんです。それはいまでも同じ。テクノロジーを中心に据え、顧客体験の最大化を目指す企業なんです。たとえば、サラダの注文はタッチパネルやアプリから。これはユーザーからすると、注文が手軽にできることになります。しかも口頭での注文ではないので、その人の過去の注文に関してデータが残りますよね。そうすると、ユーザーに関するデータやメニューに関するデータが蓄積する。サービスの企画やマーケティング、現場の接客といったことにそのデータを活用することができるんです。

―― なるほど。外食店舗におけるテクノロジーやデータの活用はまだまだ進んでいません。外食産業のあり方を根本から変える存在になれるのならば、それは面白そうですね。

ただおいしさだけを追求して「サラダをごちそうに」と言われたら長い道のりに感じたかもしれません。しかし当時からそうやって業界の手法やあり方から変えていこうとしていることが感じられた。だから「サラダをごちそうに」も、叶いそうな気がしたんです。

―― そうだと思います。もうひとつの理由はどんなことですか?

CRISPが圧倒的にクリエイティブドリブンだったことです。

―― クリエイティブドリブン、ですか。

特に当時は、売れる から、ウケるから、ではなく、カッコいいと思うから、が判断基準として最優先だったんです。自分たちのやりたいことを貫けるのは、デザイナーとしては魅力的な環境だったと思います。

―― それまでシュンスケさんが経験してきた広告の仕事とは異なりますか?

もちろん全てではありませんが、広告の、しかも受託の仕事であれば、結局はクライアントの売上のためのクリエイティブです。どんなにいいデザインだったとしても、売上に貢献しなければ意味がない。そうすると、デザイナーとしてやりたいことと、クライアントが求めいているものが一致しない場面というのはいくらでもある。これは、多くのクリエイティブを仕事にする人間が経験してきていることではないでしょうか。しかしCRISPの場合は、売れることが絶対の基準ではありませんでした。

―― じゃあ、デザイナーとしてやりたいことがCRISPでならできた?

当時できることが嬉しかったし、今もできていると思います。もちろんデータを重んじる企業なので、データを活かしたクリエイティブは求められます。でもそれは、クリエイティブを縛るためのデータではなく、クリエイティブをよりよくするためのデータ。データドリブンであり、クリエイティブドリブンなんですよね。判断基準として「カッコいい」は忘れられていないと思います。

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事業に寄り添って、自分の手で育てていく楽しみ。

―― 受託でつくるの広告と、事業の内部に入り込んでのクリエイティブ、大きな違いがあるんですね。

そこの違いで言うならば、もうひとつ大きな違いが挙げられますね。

―― どんなことでしょう?

広告の仕事はどうしても、つくって終わりになってしまいがちです。世の中に出た後、どんな効果が出たかをきちんとわからない場合も多い。あるいは、何かそこに改善のアクションを起こすことも多くはないのではないでしょうか。

―― 広告はどうしてもそうですよね。媒体に乗るときやキャンペーン期間の、その瞬間どれだけ効果を出せるかの勝負が大切。

そうなんです。でも事業に入り込んだクリエイティブだと、改善を繰り返しながらつくり続けることができる。むしろ、続けることを強く求められるんです。つくったものをリリースして、データを見て、改善して、を繰り返す。そうすることで、日々よりよいサービス、よりよいブランドが育っていく感覚はひとつの面白みなのではないでしょうか。スピードも早いので、自分と事業がどんどん成長しているのがわかるのも楽しいかもしれませんね。

―― 事業に近いところにいるから、自らの肌感覚やデータを基にクリエイティブを改善できるのもいいですよね。

そうそう。あらゆるデータを使えますし、なんなら店舗に自ら足を運んで現場を知ることもできる。デザイナーの仕事って、デザインだけじゃないんですよ。いいデザインのためには、もしかしたら現場でのオペレーション改善が必要だということがわかった、なんてこともあるかもしれないし。

―― 幅広い視点で、CRISPそのものをよくするためのデザインが体験できると。

ええ。この会社には、与えられた仕事だけしかやっちゃダメなんて決まりはありません。むしろ、常に新しいことに挑戦させてもらえます。

―― シュンスケさんは、最近どんな挑戦をしましたか?

僕は最近、動画のディレクションにチャレンジしました。採用動画制作のプロジェクトが急に立ち上がり、やってみようと。そういうところに勢いよく挑戦させてもらっています。


これまでとは全く違う環境で、
これまではなかったチャレンジをしてみよう。

―― CRISPが今回、UI/UXデザイナーを募集しているのにはどのような背景がありますか?

そうですね。端的に言えば、UI/UXを専門的にやってきた方が必要なんです。もちろんこれまでお話してきたように、僕らはひとつの専門や担当に縛られず、多くのことにチャレンジする集団です。一方で、データやテクノロジーというひとつの大きな柱をより強いものにするためには、やはりそこを得意とする人が必要になる。僕たちの強みをより伸ばしてくれる、デジタルプロダクトに強いデザイナーの方に大きな期待をしています。

―― CRISPはどんな人に向いている環境だと思いますか?

これまでとは違う環境で、やりたいようにチャレンジしてみたい人には向いているんじゃないでしょうか。まず、他の業界にはある仕組みやサービスでも外食産業ではまだないものってたくさんあるので、そこでまずは新たなチャレンジの機会がたくさんあると思います。知らなかったこと、専門外のことも楽しみながら、やってみたいことを形にしていってくれたら嬉しいです。それから、得意なことやバックグラウンドが様々なメンバーがいるので、刺激を受けながら成長もしていけるのかなと。

―― 新しく仲間となってもらう人には、どんなことを望みますか?

まずは、デジタルプロダクトが好きな人がいいですよね。いままで自分のスマホに2−3000個はアプリインストールしてみちゃってます、なんて方がいたら大歓迎。それくらいの熱意がある方と働きたいです。でも、それをただ好きで眺めているというよりは、それをどう活かすかという視点を大事にしてほしいですね。未来を一緒に見ていきたい。そのUI/UXで未来がどう変わるかとか、事業がどうよくなるかとといった視点を持って。そんな中で自分をさらに成長させたいプロフェッショナルな方には魅力的な環境だと思うので、ぜひ仲間になってほしいと考えています。

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