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No.130食品って何?(細菌性食中毒No.3)

こんばんは。

No.128と129は「感染型細菌性食中毒」を書きましたが、今日は「毒素型細菌性食中毒」の説明です。

「毒素型」は、原因菌が増殖する際に、産生する毒素が原因で起こる食中毒で、一般的に潜伏期間が短いのが特徴。

原因菌がどこで毒素を産生したかによって、「食品内毒素型」と「生体内毒素型」に分類できる。

◼️食品内毒素型
原因菌が食品中で毒素を産生し、その毒素を食品とともに摂取することで起きる食中毒のこと。

①黄色ブドウ球菌食中毒
鼻粘膜や化膿した傷の中に多く存在する「黄色ブドウ球菌」が耐熱性の「エントロトキシン」と言う毒素を作る。
汚染源となる人の手指を介し、弁当やおにぎり、麺類などの食品に広がる。

⚫️黄色ブドウ球菌と食中毒の特徴
・潜伏期間が短く、発熱がほとんどない。
・熱、酸、アルカリに強い性質がある。
・症状の経過は早く数時間で回復する。

②ボツリヌス菌食中毒
細菌性食中毒の中で最も致命率の高い食中毒ボツリヌス菌は土壌などに広く分布しており、酸素がある状態では芽胞で存在している。
菌の種類は、AからGまで全7型あり、人間が中毒を起こすのはA 、B、E、F型である。
日本での発生型はE型がほとんどだったが、近年はA型だとB型の発症例も見られる。症状は神経障害で麻痺や言語障害、手足のしびれなど、重篤の場合は、死に至る。

⚫️ボツリヌス菌と食中毒の特徴
・偏性嫌気性菌のため、酸素のないところで増殖する。
・芽胞は熱に強いが、毒素は比較的熱に弱いと言う特徴がある。

◼️生体内毒素型
原因菌を摂取した後、腸管内で増殖する際に毒素を産生し、その毒素が原因で発症する食中毒のこと。

①ウエルシュ菌食中毒
ウエルシュ菌食中毒の原因食品は、肉・魚介類の缶詰やカレーや麺つゆなど。
大量調理をする集団給食施設で多発するため、「給食病」とも呼ばれる。
人間の悪玉菌の1つでもあり、一定数以上に増殖すると、毒素が産生され、発症に至る。

⚫️ウエルシュ菌と食中毒の特徴
・偏性嫌気性菌なので、酸素のないところで増殖する。
・芽胞は熱に強く加熱しても完全に死滅しない。
・予防のポイントは再加熱する場合、食べる直前に内部(中心部)温度が75度以上になるよう、よくかき混ぜながら加熱すること。

②セレウス菌食中毒
セレウス菌食中毒は、生体内毒素型の「下痢型」(原因食品は、肉類や弁当など)と食品内毒素型の「嘔吐型」(原因食品は、米板や焼きそばなど)の2つのタイプがある。

⚫️セレウス菌と食中毒の特徴
・芽胞は熱に強い。
・下痢型の毒素は熱に弱く、嘔吐型の毒素は熱に強い。

次に続けます。

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