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クラウドBOT®が目指す世界

WEB自動化サービス「クラウドBOT®︎」を提供している(有)C-RISE代表の村井と申します。
クラウドBOTは、昨年11月にクラウド型RPA「C-BOT」としてα版を無料公開しました。

その後、もっと分かりやすい名前という事で、クラウド上にBOTを作れるサービス「クラウドBOT®」に名称変更しました。
今でも社内や初期ユーザーから「シーボット」というワードが出てきます。
慣れると短いワードの方が言いやすいんですね。

そんなクラウドBOTですが、今春に正式サービスの開始を予定しています。
そこで、このサービスの開発に至った経緯や思い、今後どんな展開を考えているのか等を自分なりに整理してみようと思い、noteで公開する事にしました。

まずは会社紹介、15年目のベンチャー企業

C-RISEロゴ_文字

まずは、会社のご紹介です。
直接サービスと関係無いお話なので興味無いという方は読み飛ばして下さい。

社名は「有限会社C−RISE」です。
ベンチャーやスタートアップ系というと、合同会社、株式会社が一般的です。有限会社と聞くと昔からある小規模オーナー企業といったイメージを持たれる事も多いです。最近では、有限会社って何?っていう人も増えているかも知れません。
細かい法律や制度の話は置いといて、有限会社というのは2006年5月の会社法施行によって廃止された会社体型です。
簡単に言うと、それまで会社を作る時に最低限の資本金が定められていて、株式会社は1000万、有限会社は300万でした。その資本金の制限が撤廃されて1円から株式会社を作れるようになりました。少額資本で株式を作れるなら有限は要らないよね。という事で廃止となりました。
(有)C-RISEが設立されたのはその前年、2005年7月なので、現在15期目になります。
話をさらに創業時に戻します。
私が創業したのが1998年4月、富山県高岡市で個人事業主として開業しました。Windows95の発売後、インターネットが普及し始めて、巷でSOHOという言葉が流行っていた頃です。
まだ、ホームページを持ってる会社も多くなく、企業ページにもCGIやSSIでアクセスカウンターとか設置されてた時代です。
その後、インターネット関連を中心とした請負開発をしていく中で、共同で開発する仲間も増えてきました。
創業から6年後の2004年、色々あって石川県金沢市に移住し別のIT企業の役員として経営に携わる事になりました。
結果、それまで富山で一緒に開発してたメンバーは代表不在で事業を継続する事になる訳ですが、契約や資金管理等、個人事業のままでは色々と不便なので翌年2005年に有限会社C-RISEとして法人化しました。
それから10年間、私は代表として経営は見つつも現場不在の状態でソフトウェア開発会社を続けてきました。
そして、C-RISE設立から10年後の2015年に前述の企業を出て新たに起業する事になったのです。
当時37才にして再スタートです。金沢で新たに会社を作る事も考えましたが色々考えた結果、2016年に(有)C-RISE 金沢支店を設置し新事業を開始しました。
15年間、代表は変わっていませんが、実質的な第二創業ですね。
現在は主にエネルギー管理システム(EMS)の開発を手がけており、電力の見える化や仮想発電所(VPP)のプラットフォームを開発し、クラウド上での実証や運用等を行っています。このあたりはクラウドBOTサービスと直接関係無いようにも見えますが、大量データの取り扱いや負荷分散、冗長化等の技術はEMS開発で培われた部分が大きいです。
そして、2018年頃から、seleniumで複数のWEBシステムを連携する。いわゆる開発型RPAのプロジェクトが増えてきました。まさにクラウドBOTサービス立ち上げに直結する開発内容です。
このような紆余曲折の中、有限会社C−RISEが自社サービスとしてクラウドBOT®の開発に着手し始めたのが丁度1年前、2019年1月の事です。

クラウドBOTの着想(始まりはシステム連携)

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ある顧客で当社開発のWEBシステムと他ベンダ開発のWEBシステムを連携する為、サーバにseleniumを入れてブラウザを自動操作する事になりました。
他ベンダとの連携であれば、通常、他ベンダにAPIを実装してもらい、API呼び出しにより連携すべきです。しかし、それでは事業的に間に合わないので何か方法は無いかという事で、暫定的な繋ぎ対応としてブラウザを自動操作する方式を提案し開発しました。
私は当初、ブラウザ操作を自動化するというのは暫定処置であり、根本的には対象システムに連携APIを実装し、通信手順に基づいて連携する事で「ちゃんとしたシステム」を開発するべきと考えていました。
もし高速で自動操作した結果、問題が発生した場合、対象システムのベンダからサポート外と言われる可能性も十分あります。
しかし、一度その方式でシステム連携した所、顧客の反響は非常に良く、その後毎月のように新たな自動化の依頼を受けるようになりました。

正直戸惑いました。正式にAPI連携した後に使われなくなる一時的な仕組みの為に毎回オペレータの操作をヒアリングして開発をするのが非生産的に感じたのです。
しかし、顧客としてはシステムの都合や綺麗な設計よりも、とにかく早く事業を進めたい。一回の開発で、従来の手作業が無くなるなら、まずは作って欲しいと考えるのは当然です。
当社も受託開発会社なので受注が増えるのは本来喜ばしい事だと思いますが、やはり一つ一つの操作手順をヒアリングしながら実装して、運用手順が変わったら随時修正していくというのは開発というより作業に感じられたのです。
そして悶々と毎月新たな操作手順のロボットを開発していく中で、一つの答えにたどり着きました。

ロボット作成もコンピュータに任せよう

つまり、ユーザーが操作手順をコンピュータに教えると新しいロボットが出来上がるシステムを開発しようと思い至ったのです。

一般的なRPAと何が違うの?

最近よく聞くRPA製品(あえて製品名は上げませんが)。
その多くはWindowsアプリの自動操作ができて、ロボットを作る為にユーザの操作手順を自動記録できて、もちろんWEBブラウザの操作もできちゃいます。
そういうRPA製品と比べるとロボットの場所がデスクトップからクラウドに移っただけで発想自体そんな新しい事でも無いのでは?と感じる方も居られると思います。
その疑問に対してはデスクトップ型RPAやサーバ型RPA、クラウド型RPAとか色々な種類のRPAの違いを上げる事もできますが、クラウドBOT構想の最大の特徴は前述の着想経緯にもある通り、

複数のシステム間を連携する事

にあります。
本来APIで連携したかったが、APIが無いのでやむを得ずシナリオ通りブラウザを自動操作するプログラムを開発して連携する。
そういった開発からエンジニアを開放します。逆に「必要なAPIを作成する手段」それを非エンジニア(一般のWEBシステムユーザ)に開放します。
ノーコードでコンピュータに手順を教えるだけで新しいロボットを作れるようにするのです。
このような構想から始まっているので、クラウドBOTには一般的なRPA製品には無い大きな特徴があります。

・BOT(ロボット)を作成すると自動的に入出力が定義される
・新しいBOTを作ると新しいAPIとしても呼び出す事ができる
・BOTとBOTを繋いで複数のシステムを連携する

一般的なRPA製品は、「いつもの作業」を自分の代わりにロボットがやってくれて、作業効率が飛躍的に伸びて、作業精度も格段に上がる!
という事を目的としているものが多いです。
基本的にロボットの目的は人の代わりに作業をするデジタルレイバーなのです。
もちろん、クラウドBOTも従来のWEB操作を自動化できて作業効率向上!っとうたってますが、大きな目標としては人の代わりではなく複数のシステムをつなぐ、API処理の代わりを目的としています。

APIの目的はソフトウェアとソフトウェア、システムとシステムを繋ぐ事です。
これを非エンジニアがノーコードで実現できるようになった時、新しいシステム連携、新しいビジネスモデルが生まれるのでは?と考えたわけです。

一般的なiPaaSと何が違うの?

多分、それほど大きく違わないかも知れません。
クラウドBOTは、初期構想よりWEB操作をAPI化する事を目指してきました。
その先は、もちろんAPI同士を繋ぐ事です。
API同士をノーコードで繋ぐ。いわゆるiPaaSです。

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クラウドBOTは、WEB操作をBOT化したものをB-BOT(Browsing BOT)と呼んでいます。そして、すでにAPIを提供しているサービスにアクセスするBOTをA-BOT(Application BOT)と呼んでいます。
そして、これらをつなぐBOTがC-BOT(Chain BOT)です。
現状、A-BOT、C-BOTは、まだ開発中で現在利用頂く事はできません。
さらにB-BOTもまだまだ機能強化が必要です。
ただ、クラウドBOTをiPaaSとして見た時に言える大きな特徴は、

APIが無いWEBサービス/システム/サイトもつなぐ事ができる

という事です。

非エンジニアがBOTを作る

実際、プログラム経験が無い非エンジニアがBOTを作る。
そういう事が可能なのでしょうか。
結論から言うと、可能だと考えています。
ただ、非エンジニアの誰もが作れるわけではありません。
プログラマである必要はありませんが、作成する人のITスキルや業務知識、応用能力等によって作れるBOTのレベルが大きく変わると思います。
同じプログラム言語でもプログラマのスキルレベルによって出来上がるソフトのレベルが大きく変わるのと同じです。
すでにRPAの資格等も出てきてる様に、今後はノーコードのエンジニア(クリエーター?)も専門職になってくるかも知れません。
クラウドBOTが目指すのは、新たにBOTを作成しようとする人の学習コストを大きく引き下げる事です。
対象とするユーザ層を極力広く、学習コストを極力低くする為のこだわりが

ノーコード、ノーインストール

です。
始める為に専用ソフト、専用プラグイン等一切不要、パソコンやスマホのWEBブラウザですぐに作成できる。
そして、プログラミング的な用語を極力排除し、コード記述も一切不要とする事で、触りながら理解してもらいます。
学習意欲のあるユーザと、学習コストの低いサービスとがお互いに歩み寄る事でユーザ主導の自動化は加速していくと考えています。

まとめ

クラウドBOTの開発経緯を書くつもりが、会社とサービスの紹介が中心の記事となってしまいました。
クラウドBOTの初期リリース時に、「RPA」としてリリースするべきか色々葛藤がありました。
サービスとしてはRPAの側面もあり、iPaaSの側面もある。しかし、今提供できるのはB-BOT、つまりRPA機能です。
まずは今見える範囲を全面に出してクラウド型RPAとしてプロモーションしていこうと考えました。もちろん、一般的にRPAというフレーズに対する認知度が上がっている事も理由の一つではありますが。
尚、本記事の内容は、あくまでサービス構想における思いです。システム連携に限らずこれから色々な人に色々な使い方をして頂けるよう、様々な見せ方で露出もしていきたいと考えています。
もしかしたら、我々が思いも寄らない使われ方が主となって、サービスの方向性も軌道修正していく事になるのかも知れません。
ただ、当面の間、クラウドBOT構想は大きくぶれる事なく開発を進めていく事になるのだろうと思っています。
今回は、クラウドBOTの大まかな構想と思いを中心に書いてみましたが、また今後もサービス開発にあたっての技術的な面や、今後の構想、狙い等も記事にしていけたらいいなと思います。

最後に、クラウドBOTは現在α版として無料公開中です。

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ご登録頂いた方は、正式サービス開始後も引き続き無料プランをご利用頂けるので、是非一度触ってみて下さい。
現在、マニュアルが無いので操作方法は動画をご覧下さい。

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もしよろしければ、感想やご意見等もいただければと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました!



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