見出し画像

未完成の薬の情報を患者に伝えるということ

先日、ある患者会の方の話を聞く機会があった。
その病気は難病とされるもので、治療へのアクセスが限られ、使える薬も少ない。

いろいろなエピソードや想いを聞くなかで、印象に残ったものがある。

「製薬企業は、薬ができた時だけ患者に接触するのではなく、途中経過も教えてほしい。論文を探して読めば情報はあるのかもしれないが、そうではなく、患者にとって分かりやすい形で情報を出してほしい。」

たしかに、製薬企業は販売に至った後でなければ、薬の情報を患者コミュニティに伝えてない印象がある。
では開発途中の情報が表に出ないかというと、そうではなく、論文にもなるし、IR情報として株主向けに公表される情報もある。
そうであれば、同質の情報を、患者向けに分かりやすくした上で提供することも可能なのではないか。

薬の開発は失敗することもあるから、上市できるか不透明な薬の情報を患者向けに伝えることは、むやみに期待を持たせてぬか喜びさせることになりかねない、という懸念はあるのかもしれない。
でも、どうせ情報そのものは世に出ているわけだし、今は患者参画の医薬品開発ということも言われているのだから、途中経過を積極的に伝えていくという姿勢があってもいいように思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?