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すみれ野の夢

作・松本優子


瞼を閉じると すみれ香り

広がってゆく
すみれの野原
続いてゆく
月明かりの道

光放ち揺れる
花々を辿っていけば
そこに居るのでしょう?

遠いいつかが
来る日まで待っていて

忘れぬように
すみれの香りを届けて
すみれ色の風にのせて

暖かに揺らぐ
陽だまりのほほえみを
あの時の香りを
すみれ色を
空に溶かして
美しい日々が色褪せぬように

キラキラした笑い声も
キラキラした瞳も
キラキラと
話しかけて来た風も
あの日の
いちめんのすみれの花も

夢ではなかったと
夢ではなかったと

そう、風も答えてくれました

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