中国のラグビー大会事情を少し調べてみる

你好!
今回は中国のラグビー事情について書いていこうと思います。直近では東京五輪で日本が苦戦する一方で中国が健闘しました。
何故?と思う方も多い上に、中国国内のニュースは欧米圏(Googleなど)のメディアにはあまり出てこないので謎多き存在というのが現状かもしれません。そこで拙いながらも軽く調べてみました。

※一般に言われているのがコーチが優秀だったということで、それはその通りです。ここでは試合数や対戦環境を軸に置いた視点で描いている記事になります。

中国・香港ではラグビーの事を「橄榄球」「橄欖球」と言います。香港は欖球と表記することがあります。
また、アメフト「美式」と区別してイギリス式ー「英式」が頭につきます。
個人的に日本の「闘球」よりも好きな表現です。

1.世界での立ち位置

15人制ラグビーは不人気です。世界ランキングで見ても男子ラグビーは80位に沈んでいます。女子でも23位です。
日本が男子が10位・女子が12位なのでポピュラーとは言い難い状況です。

7人制ラグビー女子のランキングの方を見てみますと、以下のようになります。男子は中国は圏外なので女子のみで見ていきます。

●日本

2019 13位
2020 11位
2021東京 12/12位
●中国
2019 11位
2020 13位
2021東京 7/12位

結果だけを見ると2020年から2021年にかけて順位に変動が起こったように見えます。これの原因・要因について次章で考えてみます。
(↓参考サイト)

2.中国代表の構成

中国代表のメンバー・コーチ・スタッフの構成はweibo(微博…twitterの中国版の様なもの)で見つけることができました。

队员13名:
陕西:于丽萍
安徽:吴娟
上海:刘潇倩、谷瑶瑶
江苏:王婉钰、闫美玲、杨敏、陈可怡
山东:杨飞飞、唐铭琳、于晓明、阮洪婷、徐晓燕
工作人员7人:领队陈应表、副领队王姝、主教练麦金托什·尤恩、中方教练陆专、体能教练张哲浩、物理治疗师卡拉、录像分析师许亿官。

メンバーとしては江蘇(江苏)省・山東(山东)省・上海のメンバーが大半を占めています。
15人制のラグビー日本代表でトップリーグの決勝を戦ったサントリーとパナソニックのメンバーが多数を占めていたことを鑑みると、江蘇・山東省がとても強いことが窺えます。

下の「工作人員」はコーチ・スタッフの事を指しています。

チームリーダー(日本だとディレクター相当) 陈应表・王姝
HC 麦金托什·尤恩(Euan Michael Gordon Mackintosh)
コーチ 陆专(陸専)
トレーナー 张哲浩(Chang Albert Che-Hao)
理学療法士 卡拉(Kara Fowke Jane)
分析官(≒アナリスト) 许亿官

中国ローカルの人材と海外の人材のミックスであることが分かります。日本でも似たような傾向はありますね。

3.中国国内大会の結果を見てみる

2020年度の大会でいくつか結果が出ていたので見ていきます。

A.全国大会
中国にも日本の国体のような全国大会があります。
ラグビーについては、2020年の場合は男子が10チーム、女子が9チーム参加しました。その結果が下記のようになっています。
A組は学生、B,C組が男子、E,F,G組が女子です。

画像1

決勝は男子が山東vs北京、女子が山東vs江蘇の組み合わせになり、男女ともに山東省が勝利し優勝しています。(詳細スコア見つからず)


B.山東省の省内大会(※U18、U16)

男女ともに優勝した山東省ですが、省内大会がユースであります。山東省の中でも煙台市が強豪のようです。煙台市は大連市・青島市の近くに位置している都市です(青丸)

煙台

上海や江蘇省に近いのはもちろん、韓国や福岡からも近い所に位置しています。

中国では甲組(2004-2005年生まれ)・乙組(2006-2007年生まれ)という組み分けをしていますが、要はU18、U16と同じ意味合いです。
11~12チームがエントリーし、甲組は男女ともに煙台市、乙組は男女ともに青島市が省内で1位になっています。

4.最後に

日本では日本代表がチャレンジチームとして、女子7人制のリーグに参加し実戦経験を積んできましたが、中国はそういったリーグの情報は得られませんでした。(もしかしたら非公開であるかもしれない)

ここからいえるのは、
●試合数も重要ではあるが試合の強度・チームのまとまり方も同様に重要である
ということかもしれません。

2020年にも代表戦を行っていないアルゼンチン代表が初めてオールブラックスに勝利しました。(オールブラックスがオーストラリア戦でやや疲弊していたのもありますが)

日本代表についても対戦を積み重ねるのと同時にチームのまとまり方・まとめ方について方針の再考が必要だったかもしれません。
(要因はいろいろ考えられますが強いて言うなら30代の経験の豊富な選手を入れても良かったかなと。出場機会は少なくともコーチ兼選手として置くことの意義が大きいような選手も主要大会では必要になりますー野球日本代表でいうと大野雄大、田中将大)

言うだけなら誰でもできますけどね。難しいですね。
フランス代表も最後の敗者復活戦から東京での銀メダルに繋げましたし、日本女子代表に関しては2024パリでの予選突破・巻き返しに期待したい所です。

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