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「私はロシア人だ」プーチン氏と多民族国家ロシアの軍事体制と愛国心の演説

ウクライナのブチャのでは、FSB連邦保安庁が、怪我人、密告者を中心に虐殺に関与したのではないかとされています。
ウクライナ西部からベラルーシに撤退した部隊は、来週以降、東部に再配置されるとみられています。

プーチン氏には、多くのファンがいて、演説では愛国心に訴えます。今回はプーチン氏の演説に焦点を合わせました。

「祖国防衛戦争」に戦死者がでていることにもあえて触れひつぎになってもどる戦死者を英雄とすることで、愛国心につなげようとしています。

演説を読んで、プーチン氏の人物像と誤算についてみてみましょう。

プーチン大統領の“誤算” 予兆はいつから?分析 2022年4月5日

プーチン大統領の演説より)
「2月24日、ウクライナで特別軍事作戦が始まった
ドンバスの人々を守り、祖国の安全を保障するという任務を遂行する中で、ロシアの兵士や将校たちは、真の英雄のごとく勇敢に行動している。
我が国の軍人は、自らの正当性を十分に理解したうえで、けがを負っても兵士や将校は隊列を離れない。彼らは戦友や民間人を救うため、自らを犠牲にし命を捧げている

プーチン氏は、ロシア軍人を英雄として評しながらも、ウクライナ軍の頑強な抵抗にあっていることを認めていてます。

愛国心の部分で注目した点は?

ロシアは多民族国家であるとした上で、民族は違っても愛国心は一緒なんだと、愛国心で、ロシア国内を、国民をまとめようとしているます。

(プーチン大統領演説より)
「私はロシア人だ。しかし、さまざまな戦士たちの英雄的行為を見るにつけ、私はこう言いたくなる。
私はラック人であり、ダゲスタン人であり、チェチェン人、イングーシ人、ロシア人、タタール人、ユダヤ人、モルドビン人、オセチア人でもあると。
ロシアの300を超える民族をすべて挙げるのは不可能だ。私は、屈強で、力強く、かつ多民族であるロシアのナロード(国民)の一人であることを誇りに思う」

プーチン大統領の心境は?

プーチン大統領は、自身が自分はルスキー・ロシア人で、純粋なロシア人だと強調しています。純粋なロシア人がすぐれているとの自信があります。

しかし、侵攻からおよそ1週間のタイミングで行われたこの演説で、すでに戦争の誤算、異変の予兆がみてとれます。

実際の戦闘は英雄的な戦いではなく、ロシア軍による住宅や病院、民間人への攻撃も行い、人道的な危機が起き、ロシア軍の士気の低下も伝えられています。

洗脳されウクライナは、すでに同じナロードではない、自由を求めるウクライナ人がいることを認めざるを得ないのです。

国民にも不安、異変は?

ロシア国民は20世紀の間、戦争と革命に翻弄され、プーチン氏が大統領に就任した2000年もまだ大変な時代でした。

プーチン大統領は、変化や革命ではなく、「安定」を打ち出し、国民にある程度の生活レベルや所得といった「経済の安定」を提供しました。

演説では、戦死者の遺族への補償金などにも触れています。

(プーチン大統領演説より)
「祖国の安全のため戦って犠牲となった戦死者やけがを負った兵士らの家族を支援することは、我々の義務である。犠牲となった軍人の遺族全員に、保険金と一時金が支払われる。
その額は742万1000ルーブルだ。また、遺族には毎月、補償金が支払われることになる。
それ以外に、作戦に参加して犠牲となった国防省の軍人、治安機関の職員らの遺族には、500万ルーブルの追加支給を実施する必要があると考えている。
けがによって軍務に不適合となった場合は、296万8000ルーブルの一時金が支払われる。障害者となった場合、毎月補償金を受けることになる。
それとともに、作戦に参加しけがを負った国防省の軍人やその他の治安機関の軍人、職員には、300万ルーブルの追加支給が必要だと考えている」

プーチン大統領 3月3日 安全保障会議での演説

プーチン氏を支持する人が、彼のどのようなスピーチを聞いて支持しているのかについて、見てみるのはとても興味深いです。

私たちがまさにネオナチと戦っているということは、戦況を見ればわかる。民族主義者やネオナチの部隊は、その中には中東などからやってきた外国人よう兵もいるが、彼らは民間人を人間の盾にして身を隠している。
すでに言及したことだが、完全に客観的なデータ、彼らが大型兵器を住宅地に配備していることを示す写真がある。彼らは一緒になってまさにそのような形で、非常に過激なならず者のように行動し、住宅や幼稚園、病院から兵器を撤去するという約束を守る代わりに、逆に戦車や大砲、迫撃砲などをさらに送り込んでいる。

また、彼らはウクライナに留学していた数千人の若者や学生といった外国人も人質にとった。ハリコフの鉄道駅では3179人のインド人、その多くが学生だったが、彼らを1日以上留め置いた。そして彼らの多くはいまだに足止めされ続けている。
ネオナチは、ハリコフから逃げ出そうとしていた中国人留学生らにも発砲した。そのうち2人がけがを負った。繰り返すが、数百人の外国人が戦場から逃げ出そうとしているのに、彼らはそれを許そうとしない。実質、人質に取って時間稼ぎをしているか、もしくはリビウ経由でポーランドに避難するよう提案している。

我が軍は、例外なくすべての戦闘地帯に人道回廊を設けた。民間人や外国人が安全な場所へ移動できるよう輸送手段も提供した。民族主義者らが、それを許さないのだ。実質、人々は戦火の中に捨て置かれているのだ。
自国民に対しては、ネオナチはさらにひどい扱いをしている。すでに述べたように、人々を人間の盾にしている。我が軍は次のような事実も指摘している。

ドンバスの人民共和国の都市、セヴェロドネツク、リシチャンスクなどでは、アパートの住民たちが中層階に追いやられ、下層階では窓や壁が破壊されて大型兵器や大砲が設置され、戦車が置かれ、屋上や上層階には迫撃砲とスナイパーが配置されている。
これだけ非人間的に民間人を扱ったのは、ソビエト軍がウクライナの解放などを目指して戦った時のファシストだけだ。

繰り返すが、我が軍の兵士や将校は民間人の犠牲を出さないために力を注ぎ、残念ながら自らが犠牲になっている。
今、ウクライナでは私たちの兵士や将校がロシアのために、ドンバス住民の平穏な暮らしのために、ウクライナの非ナチ化、非軍事化のために戦っている。

何年もかけて西側がロシア国境のすぐそばに作り上げてきた「反ロシア」が、わたしたちを脅かすことのないように。
最近あったように核兵器で脅されるというようなことのないように。

我が国の国民は、自国の軍に誇りを持っている。私たちは常に、戦死した戦友を記憶に残していく。
彼らの家族、子供たちを支えるため、彼らに教育の機会を与え、家族や親族を支援するために、できるだけのことをする。
ウクライナでの特別軍事作戦における任務遂行にあたり犠牲となった戦士たちを追悼したい。

親愛なる同志の皆様特別軍事作戦は、厳密に予定に従う形で、計画通りに進んでいると申し上げたい。すべての任務は成功裏に達成されつつある。

次は、私たちは勝利している、戦争は格好いい、というビデオです。

ロシア兵“ピースサイン”笑顔で攻撃「毎日こんな感じ」 ※動画視聴の際ご注意下さい[2022/04/08 10:43]

ロシアが新たな動画を公開しました。そこには、ピースサインでウクライナを攻撃する兵士の姿が映っていました。また、これから流れるVTRには、遺体の映像が含まれています。「つらい」と感じる方は、無理なさらないで下さい。

ウクライナ東部には、プーチン氏を支持する人々も多くいます。次は、支持者の町の映像です。

「300%ロシアを支持」ウクライナ隣国の“親ロシア村”を取材 分断狙う“偽情報”拡散の実態【news23】

ウクライナに隣接するモルドバ。ロシアによるウクライナ侵攻後、モルドバ国内の分断を煽るような偽情報やウクライナ避難民へのヘイトが広がっています。その実態を国山ハセンキャスターが取材しました。

一方、ウクライナ東部では爆撃により大きな被害が出続けています。

【速報】ロシア軍がイスカンデル発射か 死傷者多数 ※動画視聴の際はご注意ください[2022/04/08 19:06]

ウクライナ東部のドネツク州クラマトルシクの駅をロシア軍がミサイル攻撃し、避難するために駅にいた乗客ら、少なくとも30人が死亡し、100人以上がけがをしたということです。

【ウクライナ侵攻】ボロジャンカで新たに26人の遺体

ウクライナは7日、キーウ近郊のボロジャンカで、2棟の建物の下から、26人の遺体が見つかったと明らかにし、ブチャより、「はるかに犠牲者が多い」といわれています。

キーウ近郊マカリウで132人の住民遺体見つかる

ブチャやボロジャンカなど以外の地域でも、住民の被害が次々と明らかになっています。
マカリウでは、射殺された132人の住民の遺体が見つかったと伝えました。
地元の関係者は「住民はロシア軍に射殺された。1か月以上にわたって電気やガス、水がない状態が続き、町の40%が破壊された」と伝えています。

ロシア政府 国際的な人権団体など登録を抹消

ロシア政府は8日、「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」などの15の拠点について、登録を抹消したと発表しました。
「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」はプーチン政権を批判する人権団体に対して抑圧を強めていました。

WHO“医療施設や救急車などへの攻撃 100回超えた”


WHO=世界保健機関は7日、ロシアによる医療施設や救急車などに対する攻撃が100回を超えたと明らかにしました。
WHOのテドロス事務局長は「国際人道法に違反する医療への攻撃が続いていることに憤りを感じる」と強く非難。

駅に攻撃“52人死亡” 欧米側は軍事支援を強化

ウクライナ東部で、鉄道の駅が短距離弾道ミサイルによるとみられる攻撃を受け、地元の州知事は52人が死亡したと明らかにしました。
この攻撃について、アメリカ国防総省の高官は8日、ロシア軍が短距離弾道ミサイルを使って行ったという分析を明らかにしました。

ウクライナ公共放送 マリウポリから4万人強制移送

ウクライナの公共放送は動画投稿サイト、ユーチューブで現地の状況を連日、国内外に英語で発信しています。
東部のマリウポリの住民が、ロシア軍によってロシアのほか、東部のドネツク州とルハンシク州に強制的に連れて行かれ、すでに少なくとも4万人がロシアなどに強制的に移送されたとしています。

ブチャ市長「9割近くに銃撃された痕」

ブチャの市長は、これまでに300人以上の住民が殺害されたと答えていますが、「死者の数は日々、増えている」と述べ、被害がさらに増えるおそれがあります。

「9割近くの殺害者には、銃撃された痕がある」と答え、
「ロシアの侵略者たちは、ブチャにある会社の敷地内に遺体をまきのように積み上げていた」などと述べ、現地の状況を説明しました。

ドネツク州知事「駅攻撃で50人死亡 98人けが」

ウクライナ東部ドネツク州のクラマトルスクの鉄道の駅が8日、攻撃されたことについて、子ども5人を含む50人が死亡し、98人がけがをしたと発表しました。
「当時、駅の周辺には避難をするため、4000人余りの市民が集まっていた」とSNSに投稿しました。
一方、ロシア国防省や大統領府は、「ロシア軍は攻撃していない」と関与を否定しています。

ロシア軍が撤退 チェルニヒウ市長「軍人と市民 約700人死亡」

ロシア軍が撤退した北部・チェルニヒウのアトロシェンコ市長が、「侵攻が始まってから、軍人と市民の合わせておよそ700人が死亡した」「侵攻開始前の人口はおよそ29万だったのに対し、現在、市内に残る住民は8万人から9万5000人程度に減っている」としています。

ウクライナ検事総長「キーウ州 650人の遺体 40人は子ども」

「ボロジャンカ、ブチャ、ホストメリ、イルピンなどで合わせて650人が遺体で見つかっている。このうち40人は子どもだ」と述べ
「プーチンは、21世紀の重大な戦争犯罪者だ。
ウクライナの法令では大統領と、外相、首相を訴追できないが、国際法廷なら可能だ」と述べて国際社会と協力して責任追及していく姿勢を強調しました。

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