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ポケモン脳が起こす領域展開

作品は常に人の心と関わりがあります。

漫画を読んで悲しい気持ちになる、楽しい気持ちになる、ドキドキ、ワクワク…。
それらの感情はどんな風に引き起こされるものなのでしょうか??

創作においてのキャラクターづくり、演出で心理学はとても有用な学問だと思っています。

そこで、クリエイターズマガジンは犯罪心理学などを専攻されている方にも記事をお願いしてみました!!!
心理学や行動科学のアプローチから、人間の心や行動の意味を考えて作品の演出に取り入れてみるのはいかがでしょうか??

子どものころ熱心に任天堂の「ポケットモンスター」に熱中していた脳みそには、数百種のポケモンを区別するのに特化した、独自の脳領域を発達させている・・・という研究が発表されました!


ニュージーランドの社会人大学生、とら です。道徳/哲学/社会/神学などの分野から、人間などの行動を観察して、その原理などを研究しています。人間など、この世に存在するものの面白い・怖い・不思議な言動について記事にしていきます。さていきなりですが皆さん。ピカチュウは好きですか?私は断然、リザードン派でした。ポケモンレッド版を差し込んだ灰色のでかいゲームボーイを持って東京ドームにミュウをもらいに行ったのも覚えています。暑い夏休みも、公園で通信ケーブルを使って友達対戦。懐かしい。本日は学術誌『Nature Human Behavior』に掲載された興味深いポケモンと人間の脳の働きに関する研究をご紹介します。


人間の脳みそ:高次脳機能

言語や行動、知覚、認知、記憶、注意、判断、情緒など、大脳で営まれる様々な機能のことを高次脳機能といいます。心肺停止で脳みそに酸素が届かず、低酸素状態によって損傷してしまうと、いままでに見られなかった症状がうまれることがあり、これを高次脳機能障害と呼びます。高次脳機能障害には、計画や把握といった行動遂行機能に障害がでたり、記憶の障害も出るので注意欠陥が増えたり、そして感情が止められないといった情緒障害などが起こり、日常生活において問題がでてくるようになります。この高次脳機能において、高次視覚野(画像から物事を処理する能力)は重要です。この機能構成は、顔や場所を判断する領域は個人差に関わらず、驚くほど一貫しているそうです。どの脳の側面が、この脳組織の発達と地形を制約するか?ということに関する研究が行われました。なんと、スタンフォード大学の心理学者チームは、子供の頃にポケモンを【頻繁】にプレイしたことがある人々の脳内で、ポケモンのキャラクターが優先的に活性化されていることを発見しました。つまり、ポケモンのための特別な領域が、脳において展開されているのです。え、何だって!?(笑)

S大学 ポケモンキャラクターによって活性化される脳領域を見つける!


この研究結果は、人間の視覚構造について2点の関連するミステリーを解明するのに重要でした。一つ目は、言葉や顔などの識別には反応するのに、車や建物などには反応しない脳の領域があること、そして二つ目は、どうして全員の人間の脳の「同じ場所」にその反応が現れるのかということでした。この反応は、年齢や性別、人種に関係なく、ほとんどの人で同じ位置に現れるのです。
研究者は実験にあたり、幼少期(1995~98年に5歳児だった年代)ポケモンをとにかくプレイしまくった11人(中には研究所のリーダーも 笑)と、ポケモンを一度もプレイしたことがなく、「ポケモン、ナニソレ、おいしいの?」な11人を集めた。MRIで言葉や人の顔などその他の画像と一緒にポケモンの写真をみせて検証。そうすると、とにかく幼少期にポケモンをプレイしまくった達人たちは、ポケモンのキャラクターに対して、他のイメージよりも強い反応を示したという。
「最初はゲームボーイのポケモンのキャラクターを主な研究に使いましたが、その後、いくつかの被験者にはアニメのキャラクターも使いました」と研究者のゴメス氏。また、「アニメのキャラクターは画素数が少ないにもかかわらず、脳領域を活性化させた」とのこと。研究チームがこのデータを分析したところ、仮説の通り、ポケモンプレーヤーはみな脳の同じ領域に、キャラクターを識別することに特化した新たな部位をもっていたのです。

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