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『ガンスリンガー・ガール』と旅行-聖地巡礼について&アニメレビュー

こんにちは、実際にクリエイターです。突然ですが、みなさんはイタリアに行ったことはありますか?私はあります。

めちゃうまのピザやめちゃうまのハムを初めとした上質な食文化が楽しめるのはもちろんのこと、数多くの美術館や歌劇場など芸術的な文化の集う国でもあります。おすすめです。

絵が全部石で出来ててすごい

ところで、『ガンスリンガー・ガール』についてご存知でしょうか?
このアニメは、戦闘用に身体を改造された「義体」と呼ばれる殺し屋の少女たちが、擬似的に兄妹関係を持つ男とタッグになりテロ組織と抗争を繰り広げていく…というのが主なあらすじなのですが、そのストーリーの中で美少女たちの内面に潜む問題を描写していくことで物語とキャラに深みが生まれ、それがこのアニメの大きな魅力となっています。

本作はイタリアが舞台で、作中にも多くの実在の建造物が登場します。

ウフィツィ美術館で会話するシーン

シニョリーア広場で噴水を背景に登場キャラクター同士が彫刻について語っているシーン、ウフィツィ美術館から出て市街地を走行するシーン。イタリア特有の路駐や道の感じなど細かい描写と自分自身の体験が重なり、通常とは違う良質な視聴体験を味わうことができました。

過去に私は『三ツ星カラーズ』を視聴直後に上野の風景を楽しんだり、『かくしごと』視聴後すぐに目黒近辺を歩いたりしました。関西では、下鴨神社で森見登美彦作品の後味に浸ったり、阪急電車で『涼宮ハルヒ』シリーズの聖地を巡ったりしたものです。
これだけ聖地巡礼が好きで何度もしている私が、なぜガンスリンガー・ガールについては殊更にあれこれと書いているかというと、これがアニメ視聴前に意図せず行った聖地巡礼だからです。

イタリアではガンスリンガー・ガールは名前だけ知ってるぐらいで過ごし、めちゃうまジェラートで多幸感を得たり、色んなことを体験しました。
ただし、イタリアの体験はイタリアでの体験として自分の中で切り離して考えていました。イタリアはトイレの治安が悪く、ほとんどのトイレに便座やカバーがありません。初見は流石にビビりましたけど、慣れます。でも、日本に帰ったら日本の脳に戻る。衛生観念も食の好みもスッパリと変化する。
そんな私にとって、この視聴体験は自分の旅行を丸々部屋に持ってくるかのような出来事でした。

そう考えると、過去に自分は『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の聖地巡礼として秋葉原に行きましたが、あれも秋葉原という地理を自分の内面に落とし込む体験として機能していたのかもしれません。
秋葉原に一度行って以来、アニメやゲームに秋葉原が出てきた時の受容の仕方は確かに変わりました。より自分ごととして受け取れ、共感や憑依をするような楽しみ方がしやすくなりました。
『ガンスリンガー・ガール』の事例は、これと同じことがより意外性の高い地域で起こっているだけのことなのかもしれません。

みなさんも見聞を広げ、いつか見るアニメに備えて景色や地理情報を内面に取り込んではいかがでしょうか?

私は今から東京生まれに生まれ変わろうと思います。乞うご期待。

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