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絵の飾り方にもこだわる

額に入った絵やポスターを壁に飾る時は、額縁の裏に取り付けられている吊り下げ金具に紐を通して壁にあるフック等に引っ掛ける、っていうのが普通だと思います。
このやり方だと、額縁が前のめりになったり斜めに曲がってしまったりしますけど、特殊金具を用いれば (紐なしで) 壁に水平に取り付けることが出来たりと、最近はとても便利になっているので、飾ること自体に苦労することはあまりなくなりました。

額縁の金具について等は、こちらを参考にどうぞ ↓

額縁に入った絵を飾る場合はこれで問題ないんですが、木製パネルを飾る場合はどうする?って話なんですね。

以前、ヘアサロンに納品させてもらったパネル画は、吊り下げフックやらが見えないように、上記の方法 (木製パネルに金具を取り付け紐を通すやり方) で壁にかけました。

動かないように、パネル裏の数カ所にクッションゴムを貼り付けたくらいで、特別なことは特にしていません。

今回制作したパネル画 ↓ を飾らせていただくのは

カフェさんのこちらの壁で

ステンドグラス型ライトの下についているフックを利用して飾ることになったんです。

となると、普通に吊るしたら、紐がガッツリ見えてしまいます。
それは嫌なので、どうしたらいい感じになるか?を考えるわけですね。

いわゆる普通の紐は、ビジュアル的に完全にアウト。
そこで、チェーンはどうか?と思いつきました。
例えば、こういうのとか

こういうやつなんですけど

絵の雰囲気には合わないかな?っていうのと、このまま使用するとフック側が傷ついてしまうので保留して、他にいい案はないもんかと考え浮かんだのが、革紐。

幅15mm くらいの平紐ならいいんじゃないか?と思ったわけですね。

これを、バッグの持ち手みたいにパネルの上部につけちゃうんです。

やったことがないので想像だけで進めることになりますが、ひとまず幅15mm の平紐を購入してみました。
色はブルーグリーン。

思ったより柔らかいのでもう少ししっかりめの方が良い気がしますが、これでやってみます。

で、この紐を、どうパネルに固定するか?ですよね。
2つの案があり、どっちにするか迷いました。

① 平紐をDカンに通しカシメで留めて、パネルに付けたヒートンとつなぐ方法
② 平紐にハトメリングを取り付けて、ネジで直接パネルに固定する方法

美しい仕上がりは ① ですが、パーツがいろいろ必要になります。
② は手軽ですが、見た目が微妙です。

やってみないとわからないんですけど、こういう、ちょっとした細かい所がものすごく気になるタチでしてね。
要するに、展示場所に合わせた飾り方をしたい、ってことなんです。

『素材、色、サイズをよ〜く吟味して、その空間にマッチするようバランスを整えて仕上げる』っていうのをやってこそ、絵も空間も活きるので。


ウチのボスにも相談し、「やっぱり ① の方が良いんじゃないか」となりまして、パーツを揃えることにしました。

Dカン、カシメ、は手に入ったんですけど

この色(アンティークゴールド)のヒートンが見つかりません。
こういう ↓ 普通のステンレスならどこにでも売ってるんですけど、この色じゃどう見てもバランスがおかしい。

調べてみると、アンティークゴールド自体、作られていないみたいですね。

ブロンズは雰囲気は近いんですが、並べてみるとやっぱり変。

う〜〜〜〜ん。
どうしたもんか。
Dカンとカシメをブラックに変えればなんとかなるけども。
やっぱり、アンティークゴールドだよな〜。

ってことで、ここはウチのボスの出番です。
ステンレスを塗装して、Dカンと同じテイストに仕上げてもらいましたよ。

さすが。
よ! 塗装職人。

これらを繋いで

まず、木製パネルに取り付けます。

Dカンに革紐を通して、カシメを打てば

完成です。

絵が完成してから、ここまで約2週間。
だいぶ時間を要してしまいましたが、納得がいくものが出来上がって満足です。

で、カフェさんへお届けに行って来ましたよ。

明かりが灯るとイイ感じじゃな〜い。

お店のキッチン側から見える壁なので、オーナーさんからは「こっちからよく見える〜」と喜んでいただけてよかったです。

壁にかけた瞬間「よし!」と思えるのはイメージ通りだったからで、「自分の考えは間違っていなかった」という自信が湧く瞬間でもあります。
そして、なんといっても、この後にじわっとくる達成感と満足感が、ワタシにとっては最高のご褒美でしてね。
この、何にも変えがたい嬉しい感覚が大好物で、「ワタシはこういうことをしたいんだな」と気づかされるわけです。

日本ではアートを生活に取り入れる習慣がないので、いろどりとして、雑貨のような位置づけで絵を飾ってもらえるようになるといいなと思っていて、個人のお部屋でも楽しめるような、小さなサイズのこういう mixedmedia 作品を今後制作していこうと考えています。


みなさまのご支援に感謝します。