見出し画像

人物を描く

学生時代、大嫌いだったデッサンの大切さを今、思い知らされています。

現物を見たままに描くのは得意なので、資料があれば全く問題ないんですけど、頭の中にあるものを形にするにはデッサン力しかありません。

今は、画像が溢れているので資料を探せないことはないんですけど、人間のポーズなんかは自分のイメージにピッタリのものが見つかることは稀です。
「3Dの人体模型のあらゆるポーズをあらゆる角度で見ることができるサイト」なんて便利なものもあるんですけどね。
いろんな資料サイトを見てみるものの「コレだ!」というのは見つからないことがほとんどです。
(絵の資料を探したい方はこちらの参考サイトをどうぞ→『絵の資料に使えるおすすめサイト10選』)

なんとなくは描けるんですけど

画像1

画像2

この程度です。
これは、ただのイメージスケッチですからね。
ここから線をキレイにして形を整えていく、となると微妙なわけです。

資料が見つからないとなると「自分でポーズをとって写真を撮る」っていう方法が一番手っ取り早いんですけど、必要なのは「男性骨格の資料」なので、ワタシじゃダメなんですね。
とにかく、いろんな資料を見て、頭の中で合体させて、ひたすら描く、っていう作業をしているんですけど、全然描けないわけだ。

一度描いたことがあるものは、画像と描き方がだいたいインプットされるので思い出せるんですけど、「男性」を描いたことがほぼないので記憶を辿っても無理なんです。
今までに描いたことがあるメンズは石膏像くらいで

画像3

しかも、胸から上だけの西洋人。
描いたことがない、と言っていいでしょうね。

デッサンのモデルとして来られる方も女性ばかりでしたし、あとはクロッキー(主に人物や動物など動きのあるものを素早く簡潔に線のみで描写すること)くらいですから、リアルなメンズをちゃんと描いておけばよかった、とつくづく思いました。

じゃぁどうする?ってなるんですけど、ここは我が家のボスに協力してもらうことにしましたよ。
ちょいとお腹周りがトヨントヨンしていますが、見るべき所は骨格なのでポーズをとってもらい写真撮影、それをもとにスケッチしてみました。

画像4

画像5

やっぱり、人間にポーズをとってもらうのが確かですね。
ボスは手足が大きく指が長いのでイメージにピッタリで、いいモデルが間近にいたことがわかったのは大収穫でした。

ワタシが好きな画家のひとり「ノーマン・ロックウェル(アメリカ)」は、絵の細部へのこだわりからモデルを写真に撮って絵を描いていたといいます。背景や小道具、コスチューム等、気に入ったものを探して入念な準備を行ってから撮影したそうです(写真からのみ絵を描いたわけではなく、モデルを使った作品も残しています)から、細密な描写をするとなると、こうなるのは当たり前ですよね。

資料は自分で作る必要がある、というのを再認識させられました。
昔、動物を描くために動物園へ通ってスケッチしたことを思い出しましたよ。
ネットで拾う画像で甘んじるのではなく、手間を惜しまないことの大切さというのを、今回思い出させてもらった気がします。

技術を更に磨くべく、そろそろ難易度を上げる頃なんじゃないかと思っているので、今まで動植物を主に描いていましたが、今後は人物画へスイッチしていきます。
技術力を上げるには、「とにかく描く」。どれだけ描いたかが全てです。
漫画『かくかくしかじか』を思い出しますけど、根気と頑張りしかありません。
ただ、美大を受験するわけじゃないので、今デッサン(時間をかけて平面に描画)というのは必要ないんです。
とはいえ、人物画を描くなら人物を描き倒すしかないので、今年は人物のスケッチ(大まかに描写)を中心に修行を重ねつつ、作品制作を頑張りたいと思います。

みなさまのご支援に感謝します。