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制作環境が整うまで

全く絵を描かない状況が長いこと続くと、ふと絵を描きたくなることがあるんですが、今はそれをしても宙ぶらりんで終わるので、環境が整うまで制作はオアズケです。
集中して描ける環境が出来ないと、中途半端な仕上がりになってしまうんでね。
ワタシは1枚を最後まで仕上げる描き方なので、途中でなんらかの邪魔(他の仕事)が入ると、意識が遮断されるように制作中の絵の世界に行けなくなります。
何枚も同時進行で描くことがキライというより、出来ないってことですね。
連作のようにテーマに沿って何枚も仕上げる時はなんとか大丈夫なんですが、全く違うものを同時進行で描くのはものすごくストレスを感じます。
加えて、ひとつの絵を集中して描くとペン(筆)のタッチが均一でバランス良く仕上がるんですが、同時進行だとタッチがバラバラになるので美しくないんですよ。
美しく仕上がらないことがワタシにとっては一番ストレスなので、同時進行での制作は避けています。
描いている過程で「なんか違うな」なんてこともよくあるので、未完成のまま終わっているものもたくさんあります。続きを描こうとは思わないのでそのままです。
完成まで辿り着かなかったものの共通点は、その時に湧いたイメージを描いたもの。その日に終わらない場合、次の日には違うイメージに変わってしまうので、続きが描けなくなるというわけです。
塗り重ねて描くような技法ならいいんでしょうけど、ワタシの場合は細密画なのではじめから計画的に描かないと仕上がりません。
だからこそ、1枚の絵を最後まで仕上げるには、『イメージを整えて集約してまとめあげる』という過程がものすごく大事なんですね。
仕事の合間や時間のある時に数時間描き進める、なんていう作業的なことで仕上げることは出来ないので、制作に集中できるまでは安易に絵を描くことはしないんです。

とはいえ、全く何にも描かないわけじゃありませんよ。
落書きは気楽に描けるので、遊び感覚でよく描きます。
この前も「腕になんか描いて」と言われ、「何がいい?」と聞くと「なんでもいいよ」とのことだったので、5分くらいでテキトーに描いてやりました。

「稲中かよ!」とうなだれてましたが、何でもいいと言われたんでね。
こういうのが好きです。

みなさまのご支援に感謝します。