見える力 詰める力 心の叫び

2020年4月より
武蔵野美術大学 大学院 造形構想研究科 造形構想専攻クリエイティブリーダシップコースに通っています。私の学科では「クリエイティブリーダーシップ持論」という授業があり、毎週クリエイティブとビジネスを活用して実際に活躍されているゲスト講師をお招きし、お話を伺います。
あくまで講義のレポートではありますが、デザイン思考などを学び、実践している方々との繋がりや、情報の共有が少しでもできれば嬉しいなと思います。

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論 第7回【講義日】2021年5月24日(月)

今回は、高濱 正伸さんにお話を伺いました。
1959年熊本生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学に入学。大学院課程終了後、1993年に知識ばかりの偏差値重視の教育ではなく、子どもたちが主体的に考え、意欲的に取り組めるような学習教室「はなまる学習会」を設立しました。はなまる学習会の教育は、野外体験や音楽・運動教室・思考力育成アプリの開発も取り組まれています。親御さん向けの子育て支援の講演会は、毎回キャンセル待ちが出るほどの人気だそう。あの有名なドキュメンタリー番組の「情熱大陸」「カンブリア宮殿」にも出演しているすごい方なのです。
ホームページの最初のページにドドンと載るこの言葉から、高濱さんのお人柄とエネルギーを一瞬で感じられます。
はなまる学習会は「メシが食える人」「モテる人」に育てます。
痺れます。


Be yourself

兎にも角にも、本質を突き詰め、自分の心の声に耳を澄ます、強く美しい心の持ち主でいらっしゃいました。

そんな高濱さんが強く仰っていたのは「心の声」に耳を澄ますこと。
理屈で封じ込めるのでなく、悪いことも時にはしたくなる。興奮もする。心の声を大切にすることが幸せへの道なのだと仰っていました。
エリート街道を通ってきたのかと思いきや、なんと大学を3浪して4留されたそう。ギャンブル、女の子、ケンカと激しい浪人時代、その後、映画や落語、ジョンレノンにハマり、と、自身が何に感動するか、心が動くのかを必死に探索していたそう。加えて、24歳の1年間は早朝に牛乳配達しながら、哲学に捧げたそう。自分の考えを言葉にし、友人ととことん議論する中で、自分の芯ができたのだそう。さらには、学生時代からずっと日記をつけており、日々感動したこと、言葉、これからやりたいことなどを言語化することによって、内省を繰り返していたそうです。

“見える力”と“詰める力”

はなまる学習会では、「見える力」「詰める力」を育む教育を実践されています。「見える力」とは、新しいアイデアをどのように考えるか?という問いに対して、高濱さんは「問題意識」の裏返しだと回答していました。まだ誰もみていない課題を最初に発見することが重要。高濱さんがはなまる学習会を立ち上げた際、今までの教育は、合格を目指すためのテクニックを教えてくれていたが、そのテクニック発見までの思考法は重要視して教えていないことに疑問を感じたそう。ここに教育のポイントがあると高濱さんは見出し、「見えないものを見えるようにする」が重要であると提言しています。周りに惑わされず本質を見抜くこと、要点、アイデア、人の気持ち、つまり本当に頭が良いということは何か。と言うことなのです。その「見える力」を伸ばすことこそが教育であるのです。
 「詰める力」とは、サボらずに最後まで全力でやり切る力です。この力があるとグッと差がつくのだそう。GRITとも言われている力だそうです。
この、「見える力」「詰める力」の両方が非常に重要であり、これらに注目した教育がなかった点に、高濱さん自身がの課題を見つけ、その答えとして、はなまる学習会を実践されているのです。

 高濱さんの真摯で熱心で素直な生き方に本当に感動したと共に、嬉しくなりました。こんな純粋な大人が世の中のために、次世代のために力を尽くしてくださっていることに。ある意味、子供の時って、こうやって自分の素直な声を誰もが叫べていたんじゃないでしょうか。大人になり、世の中を知り、知識を蓄えて生きていく訳ですが、一度きりの自分だけの人生です。子供のように、自分の心の声に耳を済ませ、正直に、思いっきり生きなければ!!!!とジーンとした回でした。ありがとうございました。

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