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UFCでの1勝

先日アメリカのラスベガスで開催されたUFCファイトナイト・ラスベガス54。

この大会では延期となっていた平良達郎VSカルロス・カンデラリオの試合が行われた。

過去にUFCに挑戦してきた日本人選手は数多くいるけれど、その中で結果を残せた選手はごく僅かであり、1勝もすることが出来ずにリリースされることも珍しくない。

そんな怪物がひしめくUFCで平良達郎は今回、デビュー戦を勝利で飾った。

修斗からUFC

平良達郎は今回判定3-0とカンデラリオに差をつける内容で勝利を収めることが出来た。

しかし、平良達郎の強みが出し切れなかった印象もある。

そこにUFCでの初戦に白星をつけることの難しさを感じた。

如何に無敗・修斗のチャンピオンという肩書きがあろうとやはりUFCというトップ団体の雰囲気に重圧を感じる場面はあったと思う。

さらに修斗というホームからUFCという半ばアウェイな環境での試合。

時差や気候の違い。

その変化は恐らく選手が思っている以上にメンタルや身体の調子に影響を与えていたのではないかと思う。

実際、決定力(特にサブミッション)の高い平良も今回の試合ではフィニッシュできる流れを何度も逃し、ポジションを変えられた上にサブミッションのカウンターをもらいかけた。

チャンスを作ってから極めまでがとても速い平良なら極めていてもおかしくはない試合だったと思う。

それに打撃のテクニックやスピードに組みの展開など、力量でも平良の方が勝っていたように見えた。

しかし、いつもの感じが出なかった。

だからUFCでの初戦を勝ち切る為には、見えない揺らぎの中でも勝ち切れるだけの力が必要になる。

修斗からUFCへ戦いの舞台を大きく変えた今回の試合。

思うようにいかない部分がありながらも初戦をしっかり勝ちで収めた平良はまずその力を有していることを世界に向けて証明したのではないだろうか。

UFCフライ級のベルト

現在、UFCフライ級のベルトはデイブソン・フィゲイレードが持っている。

一度は同級1位のブランドン・モレノに渡った王座だったが、三度目の対戦に勝利したフィゲイレードが再びベルトを手にしている。

ただ、三度目の戦いで判定3-0で勝利を収めたとはいえ、モレノとの戦いで勢いを見せていたフィゲイレードの支配力も弱まった印象がある。

そしてその王座を狙うトップ所には他にも強力な選手が控えている。

そのタイトル争いに日本の平良達郎がどこまで絡んでいけるのか。

その為にはかつての堀口恭司のようにフライ級のランカーを次々下して上り詰めて行く必要がある。

現在のフライ級のランカーにはRIZINのバンタム級でベルトを手にしたこともあるマネル・ケイプもいる。順当に行けば何処かで試合が組まれることもあるかもしれない。

当然上位に行けば行くほど世界の壁は分厚くなる。それに加えて平良達郎と同じフライ級のルーキーには新星としてタイトル獲得の期待が寄せられているムハマド・モカエフがいる。

彼は以前のロンドン大会で初出場ながら圧倒的な内容で一本勝ちを収めている。

このようにUFCには超えるべき壁がいくつも待ち構えている。

そんな世界のトップで堀口恭司がデメトリアス・ジョンソンに挑戦したように、史上初のUFC日本人王者の誕生を期待することが出来るようなストーリーを平良達郎が再び描き出してくれるのか、期待と注目が集まる。




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