匂い

朝食・昼食・夕食、ご飯の匂い

風に乗って運ばれ巡る四季の匂い

朝と夜の空気の匂い

匂いは記臆を結び

心地の良い瞬間を記録する

目まぐるしい日々の中で変わらず漂う

その匂いが過ぎたあの頃を呼び戻す

手に染み込ませたクリームの匂い

首筋で香る肌の匂い

抱きしめた時の服の匂いと

柔らかい髪に馴染んだ匂い

もう顔や手の形は忘れてしまって

目に映った面影はどんどんぼやけてしまうけど

目には見えないその匂いは変わらずに今も残ってる

形のないそれだけがこんなにも心に残ってる

もう二度と出会えないあなただけの匂いが

しるしのように残ってる






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