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フリースクールお山の樂校に未来を感じた!遂に完結!体験レポート④最終回公開!

お山の樂校に一日体験をして写真撮影をさせて頂いたレポートの最終回となります。
過去記事は下記リンクからどうぞ!
フリースクールお山の樂校の子どもたちの創造性にふれる数々の遊び!体験レポート③公開!
https://note.com/create_my_world/n/na8599140995d/edit

それではレポート最終回のスタートです!

お山っこが料理する絶品ランチ!!

これまでの記事で紹介したように、お山っこたちはそれぞれ心の赴くままに多種多様な遊びを繰り広げ、時には皆で鬼ごっこをしたりしながら午前中を過ごしました。

昼前の時間になると、女の子たちが昼ごはんの準備をし始め、校長のあいさんやスタッフのなっちゃんと共にテキパキと料理の準備をし始めました。

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慣れた手つきでお野菜を切っていきます。切ったお野菜をお口にパクっと入れる姿なんかはもう、長年台所に立つお母さんの風貌すら漂います。笑

お山の樂校は毎週月曜日に1週間分の食材をまとめて買いに行くのだそう。

その日にある材料で食べたいと思う料理を考えて料理担当が作っていくのです。(レポート①でお伝えした様に、その日の料理担当は朝の話し合いで自主的に決めます。)

もちろん月曜日から徐々に食材が減っていくため、各日の食材分配は計算しながらになるのだが、どうしても月曜日は豪勢なメニューになって、金曜になるにつれて料理が質素になっていくのだそう笑。

これを聞いた時、最初は笑ってしまったのですが、これは家庭を切り盛りしていく上でとっても必要な訓練ではないかと思うのです。

毎日の料理は時には豪華にしたくなる時があるし、ない材料の中からアイディアをひねり出して作る日もある。

そんな日々を小学生の彼ら彼女たちが樂校生活の中で実践することは暮らしを食の目線から自力で豊かにしていく術を学んでいるということだと気づきました。

そしてなんと驚いたのは、お山の樂校のお米はお山の樂校が持っている田んぼで収穫したお米だそうで、自分たちで稲を植えて収穫までした完全自給のお米なのです。

そしてそして!味噌も自分たちの手で作ったお山の特製味噌なのです!!(校長のあいさんいわくお山っこ達の手の菌が沢山詰まっている!)

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そして出来上がったランチがこちら!!

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五部付きのお米と、朝どれの生卵と、お山で採れたキノコの炒め物、高菜そしてお山特製味噌で作ったお味噌汁です!!

もうね、これは食べた人しかわからないと思いますが、めちゃくちゃ美味しかった!!本当に感動レベルで。全部めちゃくちゃ美味しくてお替わりをしてしまいました。

お山っこたちはご飯の時間と知ると、それぞれが自分で器に料理をよそって自分の好きな場所でご飯を食べます。

ある子は一人で、ある子は机の下の秘密基地みたいな所だったり、テーブルで大人と一緒に食べる子もいたり、お腹がまだまだすいてる子は自分で卵を焼き出したりと、とにかく自由です。

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このお山の樂校にいると、子どもたちが何かを作るという行為を何度も目にします。その行為に対して大人のスタッフはただただ見守るのです。

上の男の子たちは最初目玉焼きを作ると言っていたのですが、それがなぜかスクランブルエッグのようになり、普通なら目玉焼きの作り方を教えたくなってしまいそうですが、子どもたちは楽しそうなのです。

だから放っておいたら、最後になると、なぜか余ったご飯と炒めてチャーハンになっていて

「しょーちゃんチャーハン食べる?」

と聞いてきたのです。

子どもたちにとって最初作ろうとしていたものと違ったとしてもそれは失敗なんかではなくて、なにか面白いものが作れている過程なのであるのだということを見ている私は学びました。

見守ること、大人はすぐに自分の知っている範囲の正解を伝えたくなるけれど、この見守るということが子どもたちの創造性を引き出すために大人がすべきことなのではないかと思えた1シーンでした。

なんで掃除やってない人がいるんですか!?

ランチが終わった後も子どもたちは元気いっぱい!もうどこから体力が湧き出てくるのかと思うほど、沢山遊びました。次はアスレチック広場で鬼ごっこやったり、上の小屋で漫才お化け屋敷に招待されたりと、息切れ、笑いっぱなしの怒涛の午後でした。

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そしてあっという間にクリーンアップ(お山の掃除時間)の時間になりました。今日一日で出したもの全てを元の位置に戻して掃き掃除や雑巾掛けをする時間です。

クリーンアップの時間は放していたヤギや羊さんを柵の中に戻したり、校舎の掃除、トイレの掃除、とにかく全てを元通りにするべくそれぞれがどんどんやっていきます。

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そしてクリーンアップの時間が終わり最後のサークル(学校でいうホームルーム)の時間です。

そこではまず、今日の司会をしたい人を決めます。そしてホームルームをやりたい女の子と男の子がいたのですが、じゃんけんで男の子に決まったものの、男の子が司会権を女の子に譲りました。なにかそうした方がいいのではないかという直感が働いたのでしょうか。

司会となった女の子が今日感じたこと、話し合いたいこととしてあったのが

「なんで掃除をやってない人がいるんですか?」

ということで、話を聞いていると、今日のクリーンアップにおいて、掃除をしていない人たちが何人かいたということでした。

自分がどこを掃除をしたのかそれぞれ言っていって下さい。という司会進行の元、掃除場所を言っていくのですが、ハキハキと回答する子もいれば、それに対して、

数名の子は「・・・・・・。えーっと。」

という感じで、校長のあいさんがその子に対して
「クリーンアップの時間だよ、って何度か声を掛けたよね。その時どうしてた?」
と問いかけてみます。そうすると、

「ぼーっとしていたら掃除するところが無くなっていた。」
とか、決まりが悪そうに下を向いている子もいました。

掃除をしていなかったことをそこでしっかりと認識した子たち。

そこで校長のあいさんが
「じゃあどうしたら皆が掃除をする様になるかな?」と提案し皆で話し合いました。
お山の樂校には掃除をする箇所を記した札が掲示されています。

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ある女の子が
「この札を掃除やったら裏返しにして、やってない表の場所に行けばいいとよ。」

といった元々以前に決めていたことを伝えてくれました。けれどその決まり通りにできていない現状があって今に至っているので、更に何か改善する必要がありそうです。

そこで男の子が
「全員が掃除の役割があるように15個(お山っこの人数)に分ければいい」
というアイディアが生まれました。スタッフの大人の含めて17~18個の役割は作れそうです。

そこで今ある掃除分担は何個あるか確かめてみよう、ということになり札を数えました。その結果、人数分の掃除の役割の数はなかったものの、それぞれの役割には必要な人数が違うことが話し合いの中でわかってきました。

その人数を確かめて校長のあいさんが掃除箇所ごとの人数を黒板にメモしていきました。

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そうすると、やぎを柵に返す役割には4人、トイレ掃除には2人必要といった形で全部足すと25人分くらいになるので、次はそれぞれの役割を少ない人数でやれないか検討していきます。

そうすると掃除箇所によって必要な最低人数が皆で把握することが出来ました。

そして掃除箇所の木札に必要人数を書き込んでいきます。

話し合いを重ねていく内に今後は
・掃除を始める前にやりたい場所をそれぞれが決めて必要な人数を集める
・人が足りない場所は早く掃除が終わった人に加わってもらう

という2つの仕組みを試してみよう。という結論になったのです。

一連の話し合いを見ていて、この掃除当番制が現状完璧なものではなくても、アイディアを出し合い、試してみて実際にうまくいくかを確かめる。
子どもたちが自分たちで考え出した仕組みをトライ&エラーしていく、この過程にこそ本当に素晴らしい価値があると感じました。

自身が小学生の頃、掃除の担当の割り当てに対してここまで話し合ったことはあっただろうか?初めから掃除箇所が割り振られて先生に行く場所を教えられて行っていた気がするのですが皆さんの小学校生活はどうでしたか?

自分たちで話し合い、ゼロから決めていくことは確かに凄く時間と労力がいります。でもその過程こそが仲間意識を醸成しているだろうし、より皆が快適に過ごしていく生活を築く為には必須なことではないかと思うのです。

お山っこたちは日々の樂校生活の中で疑問に思ったことをじっくりと話し合い、自分たちそれぞれが納得ができるやり方を見つけることを大切にして成長していっているのだと感じました。

ありがとうの時間

帰りのサークルの中にもう一つ素敵だなぁと感じたことをここでシェアさせてください。

「ありがとうの時間」を作っていて、今日会ったことを振り返ってみて、ありがとうを言いたい人は挙手して言えるという時間があったことです。

校長のあいさんが10秒数えた後に、子どもたちは挙手をしてありがとうを発表していきました。

「〇〇〇、おもちゃを交換してくれてありがとう。」
「〇〇〇、家族ごっこを一緒にしてくれてありがとう。」
「料理を作ってくれてありがとう。美味しかった!」

よく一緒に遊んだ男の子からは私に向けて
「しょーちゃん、今日一日写真撮影してくれてありがとう。」
という言葉を貰った時ちょっぴり泣きそうになったのは内緒です。笑

一日の最後にありがとうを言える時間ってとっても素敵で聞いているだけで心が温かくなるなぁと感じました。

校長のあいさんが言うには、日によっては「ごめんね」を言う子もいるとのことでした。その日起きたいろいろな感謝もごめんねも、最後に面と向かって言える時間があるのです。

子どもたちは一日をどんな気持ちで終わることが気持ちがいいことかを実感することができるんだな、本当にあったかくて素敵な時間でした!

今日も一日、ありがとうぅー!!!

帰りのサークルが終わり最後は立って手を繋いで円になります。そして皆で

「今日も一日、ありがとうぅーー!」

と言って手を振り上げ、一日の樂校生活が終わりました。
本当に清々しい笑顔で皆が坂道を駆け下りていく姿はとても印象的でした。

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お山の樂校一日体験を終えて

フリースクールと聞いた時、少なからず公立の小学校に行くことが出来ない、とか不登校の子が行くところ、といった印象を持っている人は多いのではないでしょうか?
何を隠そう、私自身もお山の樂校を知る前はそういったイメージがありました。

フリースクールに通う子どもたちの中にはそれぞれに色々な事情があり、公立の小学校を選ばない選択をした子がいることは確かだと思います。

でも、その選択がネガティブかポジティブかは関係なく、お山っこたちを見ていると本当に感性のままに、時には感情をさらけ出して泣いたり笑ったり、ありのままの個性でのびのびと楽しく樂校生活を送っているんだとわかりました。

自然の中で生活をしていくということは、日々季節によって変わりゆくものを感じとり、生きる力を養うことだと思います。

何もないからこそ自分たちで創っていくこと、遊ぶことを通してそれぞれがやりたいことを見つけ、必要な技術や知識があれば創意工夫のなかで培っていく。

教育という枠組みの中で捉えた時、大人がなしうる役割は何なのだろう、と考える機会がお山の樂校を見ていると多くあります。

子どもたちは自らが伸びたいことを育て、学びとる力を最初から備え持っている。

という観点で教育に携わる時、大人はただその力を信じて、見守り、一緒になって感じていることを共有することが肝要で、

教えるのではなくて、共に学んでいくという姿勢が子どもたちのやりたい気持ちの伴走者としてあるべき姿ではないかと思えてくるのです。

もちろん、じゃあ計算や読み書きができずに社会に出れるのか、とか今の教育の枠組みを全身で受けてきたもう一人の私が心の中でささやきます。

計算という点に関しては、お山の樂校では週2回どんぐりの時間といってどんぐり倶楽部の良質な計算問題を皆で解く時間があるとのことでした。

子どもたちは「自分たちがやりたい!」と思ったことの延長線上に必要な技術や知識はどんどん吸収していくのだと信じた時、書物を読みたいと感じたら夢中になって字を吸収していくし、計算も必要になって自然と身についていくのだと思います。

お山っこの成長はそれぞれの心のままに伸びていくもので、それは全員が一様に伸びていくものではなく、様々な種類の花が開花時期も成長する速度も違うように、自然と共にあるものだと感じました。

大切なことは今この瞬間のやりたいことを感じとって、それに向かってやってみること、その日々の積み重ねがそれぞれの花を咲かせる栄養となっていくのだと思います。

今回一日体験を通して、お山っこの未来を見守っていきたい一人となってしまいました。これまでの教育観とは違う成長を遂げていくお山っこたちがこれからどんな未来を創造していくのだろうか。

考えただけでとてもワクワクしてきます。

まだまだブログでは伝え足りないぐらい、感動と学びを与えてくれた一日体験でした。思い出すだけで力が湧いてくるような体験をさせてもらえたことをこのブログを借りて謝意をお伝えしたいです。

校長のあいさん、写真撮影に誘ってくれたお山スタッフのなっちゃん、どこぞ得体の知れない私を受け入れてくれたスタッフの花ちゃん、お山っこたちに感謝しています。ありがとうございました!

※新校舎設立の為のご支援お願いします!※
お山の学校は現在、12月25日まで新校舎設立の為の資金集めとしてReadyForにてクラウドファンディングを行っています。目標金額には達成しましたがまだまだ新校舎設立の為には費用がかかるのが実情とのことで、もしこの記事をお読みになって下さった方で、少しでも興味を持った、応援したいという方がいらっしゃいましたら、ぜひご協力をよろしくお願いします。どんなお気持ちでも本当に感謝です!!下記リンクから支援できます。
https://readyfor.jp/projects/rakuen

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