お山の樂校に一日体験したら子どもたちからの洗礼の数々に野生が目覚めた!体験レポート②公開!
朝のサークルが終わったらまずはニワトリ小屋にその日産みたての卵を取りに行きました。
その中には一羽大きな雄鶏がいて、その雄鶏をまず持ち上げて隔離しないと安全に卵が取れないとのこと、なぜか写真撮影をしていた私が呼ばれ、
持ち上げていて欲しいと頼まれ
「強烈なキックがあるから気を付けて!」
とだけ注意を受けて、有無を言わさず雄鶏を抱えさせられました笑。
ニワトリを手に持つと凄くあったかいんですね。手に命の温もりが伝わってきます。暴れないでおくれよ、僕は君の味方だよ、と想念を送りながら、静かに持ち上げ続けた結果、雄鶏は暴れることなくおとなしく卵を回収させてくれました。ありがとう雄鶏さん。
産みたて卵を取り終えて、次に子どもたちに呼ばれたのはヤギと羊を放牧している広場でした。
お山の樂校にいるヤギさんたちは人懐っこくて温厚な性格なのか、子どもたちととっても仲がいいんですね。それぞれのヤギさんの名前を呼び、なでたり、抱きしめたりと毎日触れ合っているためか、ヤギさんも子どもたちと遊ぶのが楽しそうです。
動物たちと共に生き、触れ合う日々を送ることは、子どもたちの愛情や感性を育むためにとって重要なことなのだと思います。命とまっすぐに向き合うことが自身の存在と向き合うことにも繋がっているのです。
まんぷくとの熱気溢れる攻防戦
そんなことを感じ写真撮影をしていたら、子どもたちから呼ばれました。
「まんぷく(羊の名前)の首輪を掴んでみて!」
と私をせがむのです。かわいい羊さんだな、と寄り添って首輪を掴んでみると温厚そうに見えたまんぷくは一変し、闘牛のように首を振りダッシュしました。掴んでいた手は余りの強烈な力に振りほどかれ、虚を突かれた私は子どもたちを見ました。
いつのまにか子どもたちは広場の柵の外側にいてにこにこ笑顔でこちらを見ています。そして出口は塞がれたのです。
子どもたちは私に、
「まんぷくの背中に乗れたらここから出してあげる。お山の皆はやったことあるから。」
そう言って、まんぷくの背に乗る方法を教えてくれました。首輪を掴んでひょいっと乗ればいいのだと。
「いやいやさっき俺、凄い勢いで手を振りほどかれたんですけど!!絶対無理やん!!」
そう言うと、じゃあここから出れません。とのこと。
そうか、これはお山の樂校における通過儀礼のようなものなのかもしれない。この課題をクリアした大人だけが子どもたちから受け入れられる、みたいな儀礼なのだ。これはやってみるしかない。
そう思い、まんぷくの背中に乗ることを決意したのでした。
つい先ほどまで温厚に見えた羊のまんぷくは闘牛の様に見え、穏やかな広場はいつの間にか緊張感あるコロシアムのような様相を呈していた。
(まんぷくは興奮すると耳がピーンって立つんですよ汗!!)
まんぷくに近づこうとすると、まんぷくが後ろに3歩ほど後ろずさりをしました。
すると急に私の方をめがけて突進してきたのです!
間一髪の所で横方向に避けることが出来、普段から体を鍛えていたおかげか対応できる。やれる!そう確信し、何度もまんぷくに近づきトライしてみました。。。
が、まんぷくも全く背中を許す気配がなく、何度も突進されそうになる度に子どもたちにもう外に出してくれ!と懇願しました。その度に子どもたちの答えはダメ!の一択。困ったものです。これはもう、やるしかない!
ぐわっ・・・・・無理だ・・・・なにくそ!何度もトライするが一向に背中に乗れる気配はない。
それからどれだけ続いたのか、時間の感覚がなくなって自身の野生が目覚めてきた感覚があった、ずっと続くかと思われたこのまんぷくとの攻防戦は
お山スタッフの「焼き芋できたよーー!!」
この一言で子どもたちの興味が焼き芋に一気に移り、終了したのでした。
鬼ごっごはお山の名物?!
つぎに子どもたちと一緒にやったこと、それは鬼ごっこ。
お山の樂校は山の斜面に作られていることもあって、校舎の周りを1周するとそれだけでだいぶ高低差があるんです。
鬼ごっこを平地でやるのとは全然違って、運動強度は段違いにキツい。その高低差のある坂道を登ったり、下ったりを走って鬼ごっこをするんですからそれはもう物凄い運動量でした。
これはやった人間にしかわからないかもしれませんが、この鬼ごっこは相当にキツイ。あっという間に息が切れました。
自分も体力には覚えがあるために参加したのですが、子どもたちはもう延々と走り続けているのです。そして小さな女の子から言われた一言が
「しょうちゃん思ってたより遅いね!」
ぐぅっ!!!何も言い返せない。
認めざるを得ない、この子達の体力は信じられないぐらい高い。
そして坂道を下るスピードは通常のダッシュかと思うぐらいスピードが落ちない。これは体幹がしっかりしていないと出来ない、お山の樂校だからこそ鍛えられた賜物だと思いました。
おやつの時間
鬼ごっこがひと段落したら、おやつにお餅を皆で焼きました。
ここで男の子2人が私に声を掛けてくれて、
「しょうちゃん、俺の半分やるよ。」
と持っていた餅を半分にして分けてくれたのです。
子どもたちは自分の小さなお餅を今日始めて知り合った大人に分けてくれるのです。
鬼ごっこで全力で走った後でお腹も減ってたんじゃないだろうか、それなのにお餅を仲間と分け合う、この瞬間になんだか心がすごく温かくなりました。なにより仲間と思ってくれたのが嬉しかったのです。
なんだかこの子たちの優しさには裏表が全くない純粋な優しさを感じたのです。持っているものを分け合う、言葉では簡単に書けますが実際に行動として移せることはどれだけ尊いことなんでしょうか。
この子たちの優しさを噛み締めるように私は小さなお餅を美味しく頂きました。
レポート②は以上です。次のレポート③がお山の樂校一日体験レポートの最終版になる予定です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?