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NTTコムが最新データセンター公開、海外より「新宿から30分」に勝算:(日経ビジネスより)

このご時世、設置や運営コストが安い地方進出が地域活性につながるという流れがよくある話だったのに、都心需要について書かれている記事は気になった。

 JR中央線の三鷹駅からバスで約15分。閑静な住宅街を抜けると企業ロゴも看板もない巨大な建物が突然現れる。この建物はNTTコミュニケーションズ(NTTコム)が運営する東京第11データセンターだ。10月上旬、NTTコムはこの施設を報道陣に公開した。

↓NTTコミュニケーションズが公開した東京第11データセンターの内部

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 2020年9月にサービスを開始した東京第11データセンター。敷地面積で1万4200平方メートルとなる大規模施設だが、無人受付と生体認証を組み合わせてセキュリティーを高め、従来のデータセンターよりも入館に要する時間を大幅に短縮できるのが特徴だ。季節に応じて空冷と水冷を切り替える空調機を導入し、消費電力も従来に比べて約6割削減したという。指紋認証でラックから訪問者自身が鍵を取り出せる。

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指紋認証でラックから訪問者自身が鍵を取り出せる
 国内では現在、クラウドサービス事業者によるサーバー投資が活況だ。これまで自社サーバーを主に利用してきた企業が、新型コロナウイルス感染拡大後の在宅勤務拡大などを理由にクラウドサービスも併用したハイブリッドクラウド利用を進めている。

 ここに来て、データセンターの国内回帰の動きも出ている。情報漏洩対策の観点からユーザー企業が個人情報保護を強化しており、国内の顧客データの海外移転が難しくなってきた。

「新宿から30分」にこだわる理由

需要の高まりを受けてデータセンターの新設を決めたNTTコムだが、こだわったのが「新宿から30分」という立地だ。これまではレイテンシー(遅延)が少ない都心部や、設置や運営コストが安い地方が多かったが、その中間である住宅街近くに建設した。あえて都市近郊にデータセンターを設けたのはなぜか。

 NTTコムが最大の理由に挙げるのが、人口密集地近くでデータセンターを利用したいという根強いニーズに応えるためだ。都心部に比べて導入コストを抑えながらも、エンドユーザーから近い場所でデータセンターを提供することでネットワークの遅延が少ない環境を提供できる。ゲームなど即時性が求められる業界の心をつかんでいる。

 さらに都心から近いことで、災害やシステムトラブルなどの異常時に都内から担当者をすぐに派遣できるというメリットも訴求できる。なお、東京第11データセンターは地盤が強固とされる武蔵野台地上にあるため、地震によって被害を受けるリスクが低い点も設置の決め手になったという。

 これらの理由から大都市近郊でも勝算ありと踏んだNTTコム。実際、東京第11データセンターのスペースは今後拡張する部分も含めて2年先まで埋まるほど需要が高いという。

 もっとも、東京など都市部近郊にデータセンターを開設するのはNTTコムだけではない。例えば、インドのIT大手ZOHOの日本法人であるゾーホージャパン(横浜市)は、東京と大阪でデータセンターを開設すると6月に発表した。米デジタル・リアルティ・トラストと三菱商事の合弁会社であるMCデジタル・リアルティ(東京・港)も、NTTコムの東京第11データセンターと同様に新宿駅から30分ほどで移動できる場所でデータセンターを運営している。

 IDC Japan(東京・千代田)の調査によると、国内のデータセンターサービス市場は25年に2兆7987億円と、21年予想比で約6割増える見通しだ。旺盛な需要が続く一方で、競争は激しさを増している。技術発展も著しく、現在の最新設備や技術で新たなデータセンターを開設しても、数年後には時代遅れになってしまう危険もはらむ。単純に新設するだけでなく、いかにユーザーが望むデータセンターを提供できるかが問われることになりそうだ。


★この記事に寄せられたコメントも非常に参考になった

△から
「人口密集地近くでデータセンターを利用したいという根強いニーズ」というのが正直言って良く理解できない。何故データセンターが身近にあった方が良いのだろうか?データ安全保障の観点から「国内に」という程度なら分からないでもないが、一体どういう人がどの様な理由で「データセンターを身近に」と主張しているのか詳しく聞いてみたいものだ。私個人的には「間違った判断」によるニーズではないかと疑っている。リモートワークが先進国の中では遅れている日本で、コロナを機会に製造業の現場製造員以外は全てリモートワーク可能な環境を用意することこそ経営者に今求められているのだと思う。

△から
首都直下地震等の有事で日本のデータセンター全滅とかやめて欲しいね。中央集権型ではなく、分散するからこそのインターネットじゃないんですか?本末転倒だと思うんだけどなー。

○から
インターネットもすでに距離によって速度が変わるほどデータ量の増加や経路の複雑化が起こっている。かつてはテキストデータを送っていたものが、今では8Kの長時間動画を送る時代になっているのだ。データセンターは、耐震、免震構造や消火設備の設置、電源や通信系統の多重化が必要で建設コストがかかり、かつ都心の災害被害の影響を受けないといった理由で地価の安い地方に建てることが多かったが、結局地方では大災害よりも頻度の高い速度遅延やシステム障害に対応する要員の派遣や現地雇用のコストのほうが高かったため、センターの都心回帰が起こっているのだと考えられる。今後は都心もしくは都心近郊のデータセンターをメインにしつつ、地方のセンターを災害時のバックアップとして万一の事態に備えるような運用に変わっていくだろう。

いつ起きるかわからないシステム障害という大災害にどう備えるかがが重要になってきました。水と保存食があればとりあえずリアルの人間は生きられるがバーチャルの人間が生き残らせるのに必要なものは何だろう?最早リアルというものがほぼ存在しない金融資産を守れる手段などあるのだろうか?


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