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クリスマスがある今に生まれてよかった

クリスマスシーズンが好きだ。街は綺麗だし食べ物は美味しいしお洒落は楽しい。
物心ついてから今まで、多分クリスマスに気分が弾まなかった年はないと思う。

幼い頃はクリスマスが万人に共通して楽しみなイベントなのだと思っていた。
けれど思春期を迎えて少し経った頃、独り身で迎えるクリスマスを自虐して笑う言い回しを見かけるようになる。

そこで私は違和感を覚えた。「あれ、今でもクリスマス無邪気に楽しみだな?」「もしかして私って子供っぽいのかな?」と。

もちろんそういった自虐ネタを口にして笑う子達も本気で恋人のいないクリスマスに絶望している訳ではないことはわかる。あれは本来そういうイベントではないクリスマスが何故か恋人達のイベントになっていることへの皮肉を込めたネタだろう。そうだとしても、私にはそういうシニカルな気分の欠片さえ湧かなかったのだ。

一人でイルミネーションも見に行くし、クリスマスマーケットにも行った。今年はたまたまクリスマスの直前に腕時計が壊れたものだからアクセサリーショップに長蛇の列が列ぶ12月の新宿で自分の時計を買い、ついでに服を2着衝動買いした。なんかジェラピケにもすごい列ができていた。どの時も、帰りに残ったのは100%の充実感と高揚感だけだった。

どうしてここまで一人でクリスマスを楽しむことに抵抗がないのだろう?
一人行動に抵抗はないけど、勇気がなくて入れないお店だっていっぱいあるのに。

多分、それはクリスマスが夜のイベントだからだ。イルミネーションもクリスマスマーケットも行くのは暗い夜だから、周囲の人の視線を意識せずに済む。冬の厚着によって自分が覆い隠され取り囲む空気と隔てられているのも、守られている感じがして少しだけ強気になれる。季節に関係なく夜歩くのは好きなのだけど、それは夜の方が少しだけ自由な気分になれるからかもしれない。

就職してからというもの忙しさに負けてイルミネーションはご無沙汰だったけれど、クリスマスが過ぎてもやっているところもあるし探してまた行きたいと思った。冷たく澄んだ真っ暗な夜の中できらめく、色とりどりの光の幻想が恋しい。

ところで、このnoteを書いている日に苺のタルトとモンブランを買って帰ったらフォークも2個入っていた。もしかして2人で食べると思われたのか、そりゃそうだよな、と箱を開けて笑いが零れた。これ、自分で今夜食べるケーキと明日の朝食べるケーキなんです…。でも洗い物が面倒なのでフォークはありがたく使わせていただきました。ありがとう。

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