指先に神は宿るらしいわ

バレエ観てきたんですよ、バレリーナさんたちがクラシックに合わせて踊るあのバレエね。
球叩くやつちゃうよ。

俺さ、姉ちゃんがバレエなろてて、昔よー連れてってもろたんやけどさ、当時なんもわからんやんそんなん?
俺からしたら漫画買ってもらえる日やったんよバレエ観に行く日って、最終的に小説になったけど。
どういうことかと言うと、じっとでけへんから漫画こーてもろててんな。
それぐらいガキの時分じゃなんもわからんかったわけよ。


歳食った今ならわかる、バレエはすごい。
神は細部に宿るって言葉あるやん?
あれってゆーたら細部にこだわれば神を宿せるってことやん?
宿ってたんよ神。
意味わからんよなごめんな、俺もあんまり理解はしてへんねん。
前情報として、演目のある程度のストーリーは見た。
神話がベースになってる戯曲?みたいなもんやから、起承転結なんかあってないようなもんやわ、少なくとも俺にはわからんかった。

俺さ、映画とか音楽とか、「芸術」に括られるものを人に誘われて行く時って「どうやって楽しむか」をまず見つけるねんな。
だって楽しんで見たいやんせっかくやから。

今日バレエ観てる時ずっっっと指先と足先と影と表情だけ見てたんよ。
4つだけなら見逃さんやろおもて。
大正解。
めちゃくちゃおもろいねんその4つ見てるだけで。

ほんますごかってんなその4つだけでも。

流麗で微細な指先。
トゥーシューズを感じさせへん力強い足先。
場面に合わせて移り行く表情、クラシックが流れてるだけやのにストーリーを雄弁に語る影。
その4つ見てるだけで楽しめたわけよ。

姉ちゃんのバレエ観てる時って動きとか音楽の激しさってゆーんかな、瞬間瞬間の移り変わりがバレエのおもろさかなと思ってたんやけど、違うわ。
音楽と体を使って表現してるなにかを、頭の中で思い浮かべることなんよな。
クオリアに働きかけてくるもんってことよね。
芸術の話やのに哲学語んなやってのもわかる、ごめんごめん。

なんにせよ、めちゃくちゃ楽しめたええ時間やったわ。
みんなもバレエ観に行こ!ってのは無責任やから言えんけど、機会があるならちょっとだけストーリー調べて行くのおすすめやで。
下地の上になんか描いてもらうようなすごく貴重な経験やったわ。

あんまり長くなっても冗長やし、この辺で。
ほなまた今度。

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