新年歌会始

なぜか年末年始やたらと短歌をストックしていたので一旦ここで消化しておこうかと。


スニーカーかかとを踏んで中央線こんな姿を運ぶためでも

泣き虫に格の違いを見せつけて濡れた袖口絞る冬の日

イヤホンの耳のぷにぷに失くしても声が届かぬことには同じ

不器用に生きられるほど丁寧な性格してるこれは褒めてる

ひらめきの速度を落として君からの連絡待てば夜も冷え込む

「それなり」を集めて10枚貯まったら白いお皿と替えて欲しくて

その道のプロと呼ばれる人に問うこの道どこに向かう道かと

居酒屋のトイレに貼ってた格言を座右の銘だと言ってた君だし

繰り返し聞いたからもう覚えたと言ったことさえ忘れたくせに

人を指す指で抑えた唇の許容範囲は意外と狭い

もうきっとうる星やつらは見ないのに録画予約にラムがまだいる

単純に話をまとめてあげたのにもっと最初に言うことがある

ラベルから知らないイラストが消えた心置きなくレジに向かえる

アイドルを辞める彼女が見せてくれる景色とても現実的で

つぎ君に会う約束を作れたらそれは素敵な魔法になるのに

暖房の温度を上げて乱暴に上着脱ぎ捨てバニラを堪能

頬杖にライム絞ってステアしたジンとくるほどツラい出来事

地下鉄の風が乱した前髪が隠していた景色割と綺麗だ

今夜だけ君を困らせたい遠い町の終電逃してみたり

放り込むキャラメルコーンの味さえも三十一文字に乗せてきやがる

久々に食べた気がするウエハース虚無を噛んでるような気になる

そのくせに君が嬉々として話すのは彼に唐揚げ作った話


また何個か貯まったらこうやってまとめようかと。ほんとに短歌やるなら覆面でやりたいけどね。

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