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スイカのオンラインショップ販売を終えて。「農産物ネット販売」のひとつの戦い方。【振り返り】

今シーズンのスイカの収穫・出荷が無事終了。

今年ほど天気に頭を悩まされたことはなかったけれど、なんとか乗り越えてここまで来れた。

無事に終えてホッとひと息つきたいところだけれど、今年は「オンラインショップ開設」という新しい試みもあったので、そこは振り返っておきたい。

と同時に、僕が考える「農作物ネット販売」でのひとつの戦い方も示せるような気がする。

ネット販売初挑戦の成績。

まずは、今シーズンの成績から。

「福賀すいか」のオンラインショップを開設するにあたって、僕はシーズン中の注文を「100件」獲得すると目標を立てた。

100という数字にはそもまで明確な根拠はないんだけれど、

「初年度に獲得して、来シーズンの足がかりにできるお客様の人数」が100人くらいだと思っている。


で、今年いくら注文が入ったかというと…

107件…!!

ふう…ギリギリの…闘い…だったぜ…w

(危なかったー…!w)

正直、ショップ開設が7月からのシーズン開幕にギリギリ間に合った状態で。

6月中旬くらいに予約注文をとり始めてたら、もう少しゆとりをもてただろうに…反省。笑

ともあれ、なんとか目標をクリア。
来年への足がかりにできる状態で今年の販売を終えることができた!

ショップ開設にあたって考えたこと。

さて。

ここからは、「福賀すいか」のオンランショップ開設にあたって、あらかじめ考えていたことを書いていく。

いわゆる「ネット販売」であり、また「農作物の直販」というビジネスモデル。

その上で、僕の考えが、ネット販売全てにおける正しい戦い方とは言わない。

あくまでも、自分たちが扱う「福賀すいか」という商品のもつ特性を踏まえてのことなので、「これもひとつの戦い方」として参考程度に読んでもらいたい。

オンランショップ開設にあたって、僕が考えたことは大きく2つ。

⑴既存の産直ECプラットフォームは利用しない

⑵検索流入は期待しない

順を追って説明しまーす!

産直ECのプラットフォームを利用しなかった理由。

産直EC、と聞いてピンと来る人もそうでない人もいると思う。

簡単にいうと、生産者と消費者がネット上でマッチングして直接売買ができるサービスのこと。

生産者としては、市場流通に乗せるよりも高単価で取引ができるので頑張りがいがある。
消費者としても、「誰が・どんなこだわりを持って作ったものなのか」を確かめながら買うことができる。

いま、業界を引っ張っているのはポケットマルシェ食べチョクといったプラットフォーム。

「福賀すいか」のネット販売にあたって、こういったプラットフォームを利用しないのは、もちろんポケマルや食べチョクが気に入らないとか、そういう理由じゃない。

ポケマルも食べチョクも、代表の方のTwitterはフォローしてるし、理念にも共感してるし、心から尊敬してる。

出品している農家さんも尊敬するし、応援してる。

利用しないと決めたのは、ネガティブな理由ではなくて…

出品者としてすべきことを忘れたくないから。

福賀すいかのショップは、BASEというサービスを使ってる。
誰でも簡単にオンランショップを開設できるサービス。

ここには食べ物に限らず、ファンション・コスメ・インテリア・ホビーなどなど、それはもういろんなジャンルのショップがある。

プラットフォームの形式ではなく、開設したショップの運営や集客はショップに委ねられてる。

一方で、食べチョクやポケマルのような「プラットフォーム」では、消費者に対してまず「食べチョクを利用してもらおう!」「ポケマルで生産者さんを見つけてもらおう!」という運営会社の意気込みがある。

まずプラットフォームに集客し、その中で生産者を見つけてもらうという図式。

これが実際に成せるのは「出品者が優秀な生産者である」という前提を消費者に信用してもらっているから。この信用を積み上げたのはプラットフォームの運営会社の恐ろしい努力と、出品している生産者さんのこだわりなのは言うまでもない!

BASEで開設されたショップで買い物をする人は「BASEだから」という理由で商品を買うことは、まずない。

BASEアプリを日常的に使う人もいるとは思うけれど。

基本的にはショップ単位で集客を頑張って、やって来たお客さんは商品を見て買うかどうか決める。
ごくフツーの流れ。

つまり、「集客は自分でやれよ?」ということ。

これこそ、僕が忘れたくない「出品者としてすべきこと」。

集客というと広いから、食べ物に限定した言い方にすると、

「食べてくれる人を捕まえる作業」になるのかな。

今年、初めて挑んだオンラインショップ。
その駆け出しの段階から、プラットフォームに集客を頼るのはよくないと思った。

実際、プラットフォームに集客を頼るあまり、お門違いの文句を言う出品者がいなくもないらしく…

食べてくれる人を捕まえるのは、食べ物を売ることの根本的な作業。
自分の客くらい、自分で捕まえろ。

ショップ開設にあたって、自分に言い聞かせてた。

実際に、何をやったのか?

僕はTwitterを発信の主戦場にしている。

スイカ栽培のことは、リアルタイムで発信して来た。

でも正直、こういう「ただ放り投げる系」の発信はどうでも良くて…

発信で意識したのは、

・農家としてのスタンスを明確にし続けた
・なるべく狂った

といったところ。

Twitterでは、僕という人間を通してスイカを見る。

なら、「フツーじゃない奴が作る、フツーじゃないスイカ」を明確に知ってもらいたかった。

もちろん「なるべく狂った」といっても、嘘偽りは口にしていない。
盛ってもいない。

ただ、スイカへの思い・農業への思いが、言葉にした時に目減りしないように、言葉選びは少し気をつけた。

おかけで「この人の作るスイカ食べてみたい!」という、嬉し泣き待った無しのお言葉が…!!



そして、実際にショップでの購入を加速させるためにTwitterでやったことがもうひとつ。

それは、「ショップ開設のお知らせを受け取りたい人」を募ったこと。

事前にGoogleフォームでアンケートを作成して、福賀すいかのオンラインショップに興味がある人を探した。

いざショップができた時に、

ショップ開設しましたー!って闇雲に宙にぶん投げるのではなく、

「情報をどこにぶん投げたらいいのか、を少しでも明確にする」という作業。

このアンケートに「ショップ開設したら教えて!」と回答してくれた人には、DMでお知らせを届けることができた。

これで、販売開始直後の30件くらいを集めることに成功。
(正直、このアンケートをもう10日早く、6月中旬くらいから打てていれば、シーズン100件の目標なんて軽々超えていただろうと思えるくらい、このアンケートの手応えは凄かった。俺のバカ。)

どんに良い物を作って売っても、情報の投げ方・届け方を間違えるとどこにも届かない。


実はもうひとつ、Twitterで意識してやってたことがあるんだけど、それは次のところに絡んでくるので、そこで説明しまーす!

検索流入には期待しない。

例えば、ネットで「スイカ 通販」とかで検索したとしても、福賀すいかのショップは上位表示に出てこない。

もし、食べチョクやポケマルに出品したとしたら、プラットフォーム内で「スイカ」が検索されて、福賀すいかを見つけてもらえるかもしれない。

でも、そういうのには一切期待しないというか、そこを狙いにいかないことにしてた。

もともと、シーズン10,000玉しかない「福賀すいか」。

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検索上位、つまり「多数派」を取りに行くことにどれだけ意味があるのだろうか…?
「福賀すいか」を選んで買う人って、その時点で圧倒的「少数派」だからw

何百万玉も出荷する大産地ならともかく、僕らの戦い方ではないなと考えて、ネット販売ではあるけれど検索流入は狙わないことにした。

その代わりにやったことが重要。

Twitterでスイカが大好きな人、異常なほどスイカが好きそうな人を、血眼になって探した。

「スイカ好き」とか「スイカ食べたい」とかのキーワードでツイートを検索し、「この人…相当スイカ好きだな…」って人を見つけては…

絡んだ。

絡んだ。

絡んだ。

なんて迷惑なやつ…w

もちろん、いきなり絡んだら不審者。

見知らぬ不審者から商品の宣伝をされても買うわけがない。

まずはその人のツイートに「いいね!」をつけるところから。
そしてフォローして、いいね!を繰り返し、引用リツイートも使って…

「知らない人」から、「なんか見たことある人」、そして「知ってる人」くらいにまで格上げしておくのが大切。

そこまでしてやっと、「こんなスイカありますよ!」って言える。

…とまあ、こういう作業を実は淡々をやっていた。


お客さんが僕らを検索するのではなく、

僕らがお客さんを検索した。

そして、

ひとりひとりと向き合って、ひとりずつ捕まえることを意識した。

「農作物ネット販売」のひとつの戦い方。

「福賀すいか」オンライオンショップ開設にあたって僕が意識したことをまとめると、

⑴産直ECプラットフォームは利用しない
・自分のお客さんくらい自分で捕まえろ
・農家としてのスタンスをハッキリさせろ
・発信では自分の狂った部分を出せ
・情報をどこに投げるか明確にしろ

⑵検索流入は期待しない
・自分がお客さんを検索しろ
・お客さんはひとりずつ捕まえろ

注意しないといけないのは、

シーズン10,000玉という、「福賀すいか」の条件を踏まえて考えた戦い方であること、

そしてこれはあくまで「ショップ立ち上げ、初回の戦い方」であること。

販売を長く続けていくうちに、「福賀すいか」の認知も広がれば少しずつ戦い方を変えていくことも十分あり得る。

でも、戦い方のひとつとして、参考にできそうなこともあるかもしれない。

ぶっちゃけ、かなりコスパの悪い戦い方なので、その辺はじゅうぶん考慮してね。笑


とはいえこれで、100件を超える注文をいただけた。

今年、福賀すいかを食べてくれたお客さんが、来年の足がかりになる。
今年と来年を切り離して考えないこと。

もう、戦いは始まってる!


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オンラインショップでご購入くださったみなさま、大変ありがとうございました!

来年はもっと美味いスイカを、もっとたくさんの人に届けます!

期待して、待っていてください!

では!

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