考えさせられる、ばあちゃんの「お金」にまつわる口癖。
おばあちゃんの知恵袋とはよく言ったもので。
僕には89歳になるばあちゃんがいる。
ずっと山奥の暮らしを続けていて、都会に出たことのないばあちゃん。
畑のお世話をしたり、友達と喋ったりする毎日。
そんなばあちゃんが、口癖のように言っている言葉がある。
「お金を持ってあの世へ行けるわけじゃなし。」
お金はいつか「他の誰かのもの」になる。
ばあちゃんは、そんな深い意味を込めて言ったわけじゃないと思うし、僕もそんなにこの言葉を深く考えてはなかった。
「可愛い孫のためにお金を使ってくれようとしているのか!ありがたい!」くらいに軽く聞き流していて。
でも、よくよく考えると大切なことだと思う。
生きている限り、僕らはお金を使う。
そこで商品を買ったり、サービスを受けたりするわけだけど、使ったお金はどうなる?
僕らの財布や通帳からは消えるけど、この世の中から消えるわけじゃない。
使ったお金は、「誰かの売り上げ」になっている。
僕らが使った分のお金は、別の誰かが手にすることになる。
金は天下の回りもの、とはよく言ったもの。
そして、僕らはもちろん、いつか死ぬ。
その時、どれだけの資産を持っているかは分からないけど、それも誰かに引き継がれていく。
そして、ばあちゃんが言っている通り、全てを手放して旅立っていく。
そう。
今もっているお金、これから手にするお金は全て、遅かれ早かれ「他の誰かのもの」になる。
だからこそ、生きているうちに考えておくべきことがある。
どう使うか、何に替えるか。
いくらお金を手にしたとて、それはいつか他の誰かのものになる。
だとしたら本当に大切なのは、「稼ぐこと」ではなく「使うこと」だと思う。
手元にあるお金の価値は、書かれている「数字」でしかない。
財布の中の1万円札の価値は、1万円でしかない。
でもその1万円を使って、電車で知らない土地に出かければ、一生忘れられない経験ができるかもしれない。
たくさんの本を買って読めば、自分の夢に近づくための知恵が手に入るかもしれない。
それを将来振り返った時、1万円で買った「経験」や「知恵」に1万円をはるかに超える価値を見いだせるかもしれない。
人間、いつか死ぬ。
そして「お金を持ってあの世へ行けるわけじゃなし。」
ならば、生きている間にどう使うか。
単なる数字を、何に替えるか。
こればっかりは実際に使わないと感覚を磨けないので、しっかりお金使うぞ〜。
そんな僕に、ばあちゃんは「無駄遣いしちゃあいけんよ。」って言う。
ばあちゃん、話がちがう。笑
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