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四季のない国(未完)

ああ、またこの闇だ。目が覚めてもまだ暗い。頭の中ではこれは夢だとわかっている。じっとりと、湿気と体温を含んだかのような闇。

どこか遠くからバミーヘンの匂いが漂ってくる。娘の好物だ。俺の帰りを待っててくれるのだろうか。あんなに小さかった娘も、もう料理ができるようになった。

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