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【レビュー】Path of Exileが面白すぎて体調崩しそう(クランベリーのエオルゼア外息抜き日記3)

今、Path of Exile(PoE)は過去10年の歴史の中で最高の人数がプレイしているらしい。PoEにハマるのはこれで3回目。数年おきにドハマりしては寝食を惜しんでプレイしている。

毎度、ハマってしまえばやめどきが無くて、遊びすぎて軽く体調崩していたことに気づいてハッとする。

深く遊び倒しては休止することを繰り返して、休止中も大きなアップデートがあれば一応は起動してみるのだけど、合わないなと思えばそのままアンインストールしてしまう。

今回は、Steamのレビューに一部が日本語化されたと書いてあったのでインストールしてそのまま遊び続けている。ちょうど新しいリーグも始まったところだったので、飛んで火にいる夏の虫というか。

せっかくなので自分でビルドを組み立てることが出来ない程度のライトユーザー目線から見たレビューと日本語化の状況を書いてみようと思う。500時間遊んでおいてもライトユーザーと名乗るしかないゲームもどうかと思うけど。

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どこまで日本語化されてるの?

近年のPCゲームにおいてハックアンドスラッシュ(Diabloライク)と言えば、Grim DawnかPoEの2強だった。

Grim Dawnには早くから丁寧に翻訳してくださっている有志の方がいらっしゃって、アップデートや拡張パック発売の際にも、一時的に日本語フォントが使えなくなったりしたときの細やかな対応や使い方の細部まで行き渡った説明など、日本語でハクスラするならGrim Dawn一択と言ってよかった。

一方のPoEは継続的なアップデートが行われる運営型のMMORPGで、膨大なスキルとアップデートごとの変更点の多さなど、日本語化できるゲームであるようには見えなかった。

ハクスラを好む層はあまり言語に頓着しないというか、ハクスラのためなら英語くらいは読んじゃうのと(そもそも決まりきった単語以外覚える必要はないし)、ストーリー読んでるひとがほとんどいないことも相まって、一定数の日本人ユーザーがいたものの、ほとんどは、PoEの日本語化を諦めていたと思う。

風が変わったのは昨年。PoE2の発売を翌年に控えて、突然、開発会社のGGGが日本語翻訳者の募集を開始した。おそらくPoE2に向けての準備と思われていたし、ほんとうに翻訳されるか半信半疑のプレイヤーも多い中、今年1月、突然日本語が一部追加されたとの情報が密かに出回った。

ゲーム内のGUIを使った言語設定から日本語に変更することは出来ず、ドキュメントフォルダにあるファイルに設定を追加することでの日本語化ということで、いかにもテストバージョンといった雰囲気。

実際に起動してみると、3.16の時点でアクティブスキルやパッシブツリーの名前が日本語化されていた。(効果については英語のままのものも。)ストーリーも英語のままで、それでもいままで薄ぼんやりと理解していたスキルが日本語で頭に入ってくるのがうれしくて、3.17の新リーグを心待ちにしながら、ゲームを思い出しがてらに3.16を3,4日プレイしていた。

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それと、クエストトラッカーも日本語化されていて、次に何をするべきかが日本語でしっかり理解できるのもうれしい。これまではよくわからないまますすめて、意味もなく迷子になったりしたことも多かった。

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いよいよ新リーグが始まって、なんとストーリーが日本語化されていたことに驚いた。いかにストーリーがどうでもよくても、やっぱりずっと好きだったゲームのシナリオが理解できればうれしいし、最初から読めないのと読もうと思えばいつでも読めるのは意味が違う。

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うれしくなって珍しくじっくり読み勧めていたけれど、Act3に突入したところでストーリーも英語になってしまった。残念だけれど、Act2までの日本語に違和感のある翻訳などはなかったし、さきざきAct3以降が日本語化されるのが楽しみ。(Actは10まである)

それと、海外サイトなんかでアイテムの効果やスキルの効果を調べる際に気になるアイテムやスキルの名前ももれなく日本語になっていたけれど、これはAltを押し下げると英語が同時に表示されるように工夫されていて、すごく困ると言ったことはなかった。

ただ、PoE-OverlayやPoE-Tradeみたいな外部ツールは日本語環境下では機能しなくて、今後対応されるかも分からない。トレードや拾ったアイテムがどのくらいの価格で売れるかが楽しいゲームだけに、それを瞬時に判断出来るツールが使えないのは少し不便に感じた。

一番困ったのは、ゲーム内の倉庫のアイテムを検索して探したり出来るのだけど、それが英語名で探せず、日本語名でしか検索出来ない所。ここはなんとか対応してくれるとうれしい。どうしても海外サイトのビルドガイドなんかを参照することが多くなるから。

日本語化の状況はそんなところ。基本的に遊びやすいし、検索しずらいみたいな明らかに不満が出そうな部分はすでに対応しようという方針が見えているので、今後がとても楽しみだ。

日本語化の状況はこんな感じで、あらためてPoEについてレビューしたい。

というわけで、PoEってどんなゲーム?

まずは基本的なところから。

・ハックアンドスラッシュ(Diabloライク)

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・基本無料

・課金はアイテム保管枠(倉庫)と見た目のみ

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・使えるスキルはキャラクターのクラスに依存せず、武器や防具のソケットにはめるFF7のマテリアのようなGemに付与されている。

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・超超超超巨大で複雑なFF10のスフィア盤のようなパッシブスキルツリーを持っていて、その取得状況次第で、キャラクターの方向性がまったく違うものになる。

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・数ヶ月に一回、リーグと呼ばれる新システムが追加され、その際にゲームがリセットされる。(既存のキャラクターはスタンダードリーグというところに全部放り込まれる)

・ドラクエのゴールドやFFのギルみたいな通貨がなく、カレンシーというそれぞれにアイテムを鑑定したり強化したりする使いみちのあるアイテムを用いてトレードする。

・トレードは物々交換のみで、オークションのような自動化システムはなく、プレイヤー対プレイヤーで直接取り引きする(相手が不在ならもちろん取引できない)

・上記の要素が入り乱れてとにかく異様なくらい複雑。

こんな風にかけば、初心者お断りにしかみえないだろうし、正直、気軽に始めてくださいね!とは言いづらい。一見オーソドックスなハクスラなのに他のゲームの常識とは全く違う部分がとてつもなく多いし、特殊な用語を調べるだけでも時間がかかる。しっかり調べようと思えば英語サイトに当たるしかないことも多い。

ただ、あえて言うなら、それこそがPoEの面白さのコアだ。近頃のゲームから失われた『見通しの悪さ』がPoEの最大の魅力だと思うので、それについて解説してみる。

無数の選択肢を持つキャラクター育成

とにかくコンテンツ量が多い。一般的なハクスラと同じように敵を倒し、装備を手に入れてキャラクターにスキルを振っていく。それが基本となるのだけれど、その過程で大量のスキルジェムが手に入る。パッシブスキルツリーもいくつもの道に枝分かれしていて、どちらに向かっていいか分からない。また、手に入る装備についているプロパティーの数も膨大だ。

初心者の場合、そのなかからおそらく好みっぽくて強そうなものを選んで勧めていくことになるけれど、それではまず間違いなく、Act(ストーリー)の途中で敵が倒せなくなって詰む。

アクティブ・パッシブスキル共に膨大な選択肢がある上、それぞれにシナジーを形成することが前提になっているので、それらの要素がばらばらだと敵の強さに刃が立たなくなってしまうのだ。

それでどうすればいいかと言えば、各種サイトに掲載されているビルドガイドをそのままなぞっていくことが一番いい。誰かに言われたことをそのまま遊んで何が楽しいんだ?そう思うことだろう。

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でも騙されたと思ってやってみてほしい、正直これがべらぼうに楽しい。なぜなら、まず間違いなく、ビルドガイドの通りには進むことは出来ないからだ。

それは例えば、3ソケットのリンクのあるワンドにAとBとCのスキルジェムをセットせよ、と書いてあったとする。初心者にはその3ソケット・リンクのワンドを手に入れる方法が分からない。

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はじめのころはMOBを倒して運良く出ないかとがんばっていても、そのうちそれが難しいことが分かる。たった3つのソケットといっても、ジェムには赤・青・緑の色があり、ジェムの色に対応したソケットの色がなければハマらないからだ。また、リンクしているかいないかも運次第。だいたい、運良く出た3ソケット・リンクのアイテムがワンドである保証はないのだ。

そこで、いくつかの方法を探すことになる。1つはトレードで手に入れること。もう一つはカレンシーという通貨の代わりになるクラフト用のアイテムを使って装備を作ってしまうこと。(あとはまれにNPCが売っていることもある。)

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そのどちらの方法を選ぶにしても、MOBを倒してカレンシーを手に入れることを目指すことになる。

そうしてようやく望みの武具を手にれてピッタリとガイドどうりのGemをはめたとき・・・!あなたのキャラクターは爆発的に強くなるはずだ!

これがこのゲームの醍醐味!細かい理屈が理解できなくとも、これまで何度も攻撃を当てて倒していたMOBが文字通り鎧袖一触、溶けるように消えていく。

そうやって、ビルドガイドにそってキャラクターを強くしていくために四苦八苦することだけでも無性に楽しいはず。

無限に湧いてくるコンテンツ

そうやってキャラクターを強くして、Actを勧めていると、途中でストーリーとは関係ないミニイベントのようなものが発生する。それは、ストロングボックスという箱を開けたら大量のモブが発生して、全て倒すと報酬がドロップしたり、悪魔の手のようなものが生えていて、触れると無数のMOBが四方八方から襲ってきて、特殊なアイテムをドロップしたりする。

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はじめのうちは、目についたイベントをやってみるといいけれど、手に入れたアイテムをどうつかっていいかわからないことも多いと思う。また、初心者のうちはそれがひょっとしたら高価なものなんじゃないかと思って使うに使えず、とりあえず倉庫にしまっておくことにもなるだろう。

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それらのミニイベントの中にはやり方が複雑で、一度二度やってみただけでは意味がわからないものも出てくる。実際今、わたしもプレイしててこれなんだろう、まあやっとくか、みたいなイベントもある。

それらのイベントを一つ一つ調べながら進めてもいいし、とありあえずわけがわからないから飛ばしてActを進めて行ってもいい。とにかく次から次に目新しいことが出てきて、MMORPGで最初にキャラクターを作って右も左も分からない世界に投げ出されたような気持ちが延々と続くのだ。

そして、それを少しずつ少しずつ理解していくことは知識欲が満たされて大変楽しい。また、理解するとキャラクターを効率よく強くすることに役に立ったりして、それもまたうれしい。

あと、とても素晴らしいことに、一人でプレイしているなら、ダンジョン内でいくら放置してブラウザで調べ物をしていても悪いことは起こらない。ただ、たまにさまよってくるMOBだけには気をつけて。

沢山の制限があるスーパーディアブロ2.5

PoEは、ディアブロ2.5なんて呼ばれることがある。3ではない。

ディアブロ3はスキルのリスペックはいつでもできるし、レベル上げはあっという間に終わってしまう。そういう、ディアブロ2の不便を取り除いてとても遊びやすいゲームとして作られた。それは一見、ユーザーに親切な良いゲームに見えるけれど、なんだか物足りない感覚をプレイヤーに与えてしまう。

キャラクターのリスペックはActを進める段階では10程度しか与えられないから、全部のスキルを簡単に振り直すなんてことは出来ないし、新たにリスペックするポイントを得ようと思えば、カレンシーという通貨の一つを使うことになる。いっそキャラクターを作り直したほうが早いこともある。

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沢山振り直そうと思えば一人では絶対にカレンシーが集められないから、トレードに頼ることになる。一人ではなし得ない不便さがある代わりに、他のプレイヤーとの交流によって、自分の必要なものと相手の必要なものを交換するという選択肢が用意されている。これが世界の中に沢山のプレイヤーが遊んでいる存在感を感じさせて、とてもワクワクする。

ディアブロ3の初期にはオークションがゲーム内に実装されていて、アイテムの売買もシステムを介して簡単に行うことが出来た。PoEはそこにあえて面倒な対面での物々交換しか実装していなくて、非常に面倒くさい。

倉庫に売買用のタブを設定することが出来るので(これは課金で手に入る)、それを公式サイトのトレードページで見ることが出来るのだけれど、売買の相手がオフラインならもちろん買うことが出来ないし、相手が戦闘で忙しかったりトイレに行っていても買えない。

けれど、この煩わしさが楽しい。ほしいアイテムをトレードページを舐めるように見て、これだという一品を探しだす。ウィスパーで買い注文をしてもなかなか返事がないこともあれば、即座に返事があることもある。この商品だけは絶対にほしい!と思ったものが買えたときはめちゃくちゃにうれしいし、僅差で売り切れだったり返事がなければ、泣く泣くちょっと落ちる性能のもので使えるものをあらためて探す・・・。

そうやって、時間をかけて面倒くさく買い物をするのは、狩猟に似ていて、人間が原始的にもっている欲望に火を付けるのだと思う。だから、とても楽しい。

リーグ制によるインフレの防止と新要素の追加

PoEにはリーグというものがあって、数ヶ月に一度、新システムを搭載して全員がゼロからゲームをはじめることになる。以前育てたキャラクターはスタンダードリーグというところに手に入れたアイテムごと全て送られて、そちらでプレイしているひともいるらしいけれど、メインで遊ばれているのはリーグだ。

全員がゼロからスタートだから、新規でもベテランでも、資産の差がない。だから、MMORPGにありがちな、インフレしていて良いアイテムを新規参入者が購入出来ないといったことが起こらない。

リーグの最初でレアなアイテムが出てスタートダッシュをすることもできるし、それをトレードに出して大金(といっても全員が初心者だから、流通している通貨が少なくて巨額にはならないだろうけど)を得て、必要な武具を一気に揃える資金にも出来る。

MOBを倒すときに常に宝くじを引いているような、一攫千金の楽しみが続く。それもPoEの楽しみ。

これはリーグを通して一番基本となる通貨で、初期に出るとめちゃくちゃにうれしい。

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また、そのリーグで追加された新しい要素は、新人もベテランも試行錯誤して、ブログなんかに沢山の情報が次々とアップデートされていって、みんなでゲームを開拓している感じがあってとてもいい。

アイテム整理が楽しい

PoEの倉庫は結構な広さが与えられている。ただ、ディアブロ系の宿命として、テトリスのように四角のマスにアイテムを置いていくことになる。

最初の頃はそれでも楽しい。Gemはここにおいて、武器はここ、防具はここ。そんな風に整理をしていくのは楽しいものだ。

ただ、いくら楽しくとも面倒もつきまとうし、手に入るアイテムは膨大で、いつか持っておきたいのに売るか捨てるかするしかないものが出てくる。

PoEは基本無料だけれど、なんとか、カレンシータブとプレミアムタブバンドルだけは買っておいて、倉庫を増築しておくと、より楽しめると思う。

たしかここ1年以内くらい、倉庫のそれぞれのタブにアイテムの種類ごとに自分のバックパックから自動で放り込むという機能が追加された。これはあらゆるハクスラに全て実装してほしいとてつもなく便利で気持ちのいい機能で、最小限の手間で倉庫を整理して行くことが出来る。

今回のリーグから、Gemタブとフラスコタブも売りに出されて、それぞれ500個(!)ずつアイテムを放り込んでおくことが出来るようになったので、とりあえず拾ったものをそこに放り込んでおいて、後で必要なものを吟味するなり、高く売れるものを選び出すなりが容易に出来る。(タブ内でのソート機能も充実している。)

もしもPoEが気に入ったなら、とりあえずカレンシータブだけは買ってみて、そこから徐々にタブを増やすなりしてアイテム整理を楽しんで行ってみてほしい。だれだって、自分の部屋が機能的に片付いていくのは楽しいでしょう?

ちなみに倉庫の1ページに当たるタブはフォルダを分けてまとめるなんてことも出来る。

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地道に通貨を手に入れる方法がある

それと、このゲームにはゴールドやギルはないけれど、カレンシーと呼ばれる通貨を地道に手に入れる方法がある。

NPCに拾ったアイテムを特定の組み合わせで売りに出すことで、それなりに価値のあるカレンシーを手に入れることが出来る。

がんばってMOBを倒す、手に入れたカレンシーで装備を少し整えて、さらに早くMOBを倒す。そこでドロップしたアイテムでもっと多くのカレンシーを手に入れたら、強い装備をトレードする・・・そうしていくと、キャラクターが加速度的に強くなっていく。そのやればやるほど強くなっていく感覚が病みつきになるのだ。

ちなみにこのシールドは地道に地道にカレンシーをためてレベル80にしてようやく大金をはたいて買ったものだ。この取引はものすごく緊張した。

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見通しの悪いハクスラを楽しんでほしい

まだまだPoEの要素は無数にある。だいたい、エンドコンテンツについては今回は全く触れていない。エンドコンテンツのアトラスはまさに沼だ。

ただ、ここまで書いてきたように、見通しの悪いオンラインゲームの世界に住んでいるような感覚になって、キャラクターを強くしながら、ゲームを知っていくことにハマれば、きっと一生モノのゲームになるだろう。

もうすぐPoE2が出るとアナウンスもされているし、今、日本語化と今期リーグの評判がものすごくいいので、とてもプレイヤーが多い。

これまでにはなかった、グローバルチャットで日本語が飛び交うなんてこともある。ぜひ、PoEの世界に飛び込んできてほしい。

https://store.steampowered.com/app/238960/Path_of_Exile/

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