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ボーナスな地で開いた、ボーナスなクラフトコーラ飲み比べ。

2/14(日)ボーナストラック(下北沢)で、「CRAFT COLA short trip #5」を開催しました。

”ボーナス”なクラフトコーラ」と題して僕が選りすぐった6銘柄から、5種飲み比べのスタイルで楽しんでもらった今回のショートトリップ。

日も暮れて、怪しくも可憐な空間に包まれた旅路を懐かしく思い出すように、振り返っていきます。

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1.コンセプトのおさらい

まず、「”ボーナス”なクラフトコーラ」について少し補足します。

”コーラっぽい”味わいや香りの再現が特別な技術ではなくなってきている今、工芸・民芸という意味の”クラフト”を冠に持つコーラには、個人の思想や郷土性、趣向、機能性、意匠性などの「付加要素」「意味」があってなんぼだ、と思っています。

ボーナストラックという場を借りるからには、その中でもわかりやすく、あるいは、喜ばしいほど贅沢な「付加要素」「意味」をむき出しに反映している、つまりは「ボーナスなクラフトコーラだ」と解釈できた銘柄を揃えたいと思い、今回のコンセプトに至りました。

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<お品書き>
●カカオコーラ

チョコレートとクラフトコーラの世界を、どちらも味わえる

●NARA COLA
フレンチシェフによる、フレンチ仕掛けが光る。サフランやシナモンリーフなど、希少で珍しいスパイスあり

●越後薬草 80"YASO COLA"
野草の力を宿した健康食品づくり40年の歴史を持ち、80種類もの野草からできた植物発酵エキスをたっぷり反映

●TÉTOTARŌ COLA
変態的料理人×熱燗DJが原価無視で追求し、カラメルを独自開発までした、クラフトコーラ界の”黒船”的存在

●薩摩クラフトコーラ
月桃×バタフライピ―、和ハーブによる作業で、紫がかった色合いに、辛口の楽しい舌ざわりまであり

●高知クラフトコーラ "sawachina"
高知の食文化「皿鉢」をルーツに持ち、あまたの高知素材で高知らしさをたっぷり反映

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2.ショートトリップの様子

さて、今回は緊急事態宣言下における開催基準に沿ったこともあり、会場のキャパシティ50%である6人を上限に、30分×4回のトリップを敢行しました。

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入場時

最初に手指の消毒をしてもらいましたが、ここにもクラフトコーラらしさを。

お品書きの1つ「越後薬草 YASOシリーズ」から出ている70%のアルコールをそのまま消毒スプレーとして使っていたんです。
(70%は消毒の有効性があると厚労省が認めており、この商品自体もアルコールスプレーの代替品としてお墨付き)

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80種類の原料が醸しだす自然な野草の香りを、手指に纏う入場の瞬間

終盤には、試飲してみたいという声が挙がり、一口体験してもらうシーンも。多くの人がこの采配に興味を示してくれて、こちらも嬉しかったです。

トリップ準備

お客さんの入場後は、飲み比べる5種をお一人ずつ伺いました。

参加者さんの中で、クラフトコーラを日常的に飲む人はごくわずか。新興銘柄も多かった今回は、「何を飲もうか?」と悩む様子がたくさん見受けられました。

そんな中で、各銘柄の”ボーナス要素”を記したお品書きをみたり、僕と会話しながら、楽しく選んでもらうことができたかなと思います。

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ここで面白かったのが、「6種から5種選ぶ=絶対に1銘柄は脱落する」形式によって起こった化学反応。

「ほかの参加者さんに選ばれなかった銘柄を選ぶ」といった人情味の連鎖が起きていたり、逆に「自分もその銘柄以外の5つを」といった刹那的なノリが生まれたのは予想外で、みていて楽しかったです。

トリップ中

レンタルしたBONUS TRACK HOUSEの艶やかな空間に、
それぞれの主張やオーラを纏った銘柄、5つの色に彩られた飲み比べカップ、露店感ある道具が、雑多に集結ーーー

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その光景は、みるからに”妖しい会合”の様相を呈していました。
空間の雰囲気も相まって、さながら飲みもの版の「ソシエダ・ガストロノミカ」*1。

*1 美食の街・サンセバスチャン(スペイン)に存在する、”秘密結社”と呼ばれる美食の会のこと

参加者の皆さんは、それぞれの銘柄の主張にグッときていたり、飲み比べ終盤には味覚に混乱が生じていたり...

「味覚にカオスを起こして、合法的なトリップをしてもらう」という意図で、味わいや香りにバリエーションを出せるお品書きにしたので、反応のひとつひとつが嬉しかったです。

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3.飲み比べ考察 ~各銘柄の活躍~

さて、ここからは、飲み比べを通して得られた発見と、各銘柄の活躍を、備忘録がてら記します。

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「選ばれないことが少なかった」銘柄

●カカオコーラ
バレンタインデーという時機「カカオ」「チョコレート」文脈のコーラが珍しかったからか、基本的にどの人のオーダーにも入っていたように思います。文脈に合わせてクラフトコーラをセレクトする意義を感じれて嬉しかったです。

味わいは”未知の世界そのもの”なので、好みは分かれるかなと予想してましたが、No.1にあげる声もチラホラあって、「さすが伊良コーラの職人技」と感服しました。

●TÉTOTARŌ COLA
ラベルの存在感しかり、「変態的料理人」「独自でイチからつくるカラメル」といった要素しかり、魅惑的なフェロモンを放出していたことで、どのお品書きにも入っている印象でした。

「心を奪っていた」銘柄

●薩摩クラフトコーラ
「我の強い甘みがいい」「辛味がクセになる」「紫がかった色合いがきれい」という声がよく挙がっていて、印象に強く残っていた人が多かったです。ハマる人には強くハマったようで、No.1にあげる声が一番多かったかもしれません。

●TÉTOTARŌ COLA
カラメルをはじめとする独特のコク、苦みに心酔していたり、漆黒の色合いや底に残るシロップの様をみて、「これはやばい」「すげえ....」と、未知のモノに出会った時の表情や反応をしている人が多かったです。

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「広く好まれていた」銘柄

●高知クラフトコーラ "sawachina"
高知をルーツに持つ複数の柑橘、和ハーブなどによる複雑な味わいを気に入ってもらえたようで、「美味しい」「好き」と声がよく挙がってました。

●越後薬草 80"YASO COLA"
80種類もの野草からできた植物発酵エキスとコーラらしさを表現するスパイスの調和に、「優しい」「まろやか」「飲みやすい」と親しみを覚えてくれる人が多かったです。味覚にカオスが起こる”尖った味わい”が多いお品書きだったこともあり、YASO COLAが「やすらぎの場」となっていたところも面白かったです。

「予想外の反応を得られた」銘柄

●NARA COLA
苦みをもたらすスパイスとその調合に魅力があると思っていましたが、どちらかというと「甘み」に惹かれる方が多く、いい意味のギャップがありました。苦みが自然に受け入れられている様子をみるに、思った以上にNARA COLAが広く好まれる可能性があるな、と嬉しくなりました。

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4.さいごに:意図していた、好奇心の交流

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「CRAFT COLA short trip」を開くときに、毎回願っていること。

それは、参加者さんの中で、”好奇心の交流”が起こることです。

今回でいえば、「クラフトコーラ」をきっかけに「ボーナストラック」を知ってもらうこと。あるいは、「ボーナストラック」をきっかけに「クラフトコーラ」を知ってもらうことでした。

「何をきっかけにご来場いただけんですか?」
「クラフトコーラは初めてですか?」
「ボーナストラックにきたことはありますか?」

そんな会話を重ねるうちに、その願いが見事なまでに叶ったことがわかりました。

参加者さんの内訳は、クラフトコーラきっかけが6割、ボーナストラック経由が4割、といった頃合い。中にはどちらも体験していた方もいましたが、「どちらかは知らなかった、体験したことがなかった」というケースが過半数だったのです。

1つのモノコトから入ってもらい、新しいモノコトを知る瞬間をつくることが出来た。そのことが、とても嬉しいです。

クラフトコーラはもちろん、心から素敵だと思えるボーナストラックを知ってくれた方が増えたなら、なおさら喜びは募る一方です。

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〆ーーーーーーーーーーーーーー

さて、今回のショートトリップで得られた嬉しさや手応えに加えて、磨きたいこともどんどん見つけているので、さらに洗練させながら「CRAFT COLA short trip」は続いていきます。

そう遠くない内に、北品川逗子北千住西尾久あたりに登場するでしょう。
※北品川は3/14(日)になりそう?

では、またクラフトコーラを交わすその日まで、ごきげんよう。

ボーナスな地で開いた、ボーナスなクラフトコーラ飲み比べ|CRAFT COLA short trip #5

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