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【#104】幅広く、末永く(義母との同居5)

宥(なだ)めのそなえ物として 

 出張に出かけると、必ず何らかのお土産を買うことにしています。家も教会も妻に任せていくことになるので、家庭と世界の平和のために、宥めのそなえ物ということになります。忙しくさせることになる妻の負担を減らすためにという思いも込めて、だいたい翌日の朝食や昼食になるものが喜ばれるようです。

 飛行機の待ち時間にぶらぶらと、空港にあるお土産屋さんで物色しています。コロナ禍を通り、しばらく見ないうちに空港の売店も様変わりしています。少し前に妻が喜んでいた、エビとアボガドのベーグルパンもなくなっていました。また以前は2人前のものを購入していましたが、お義母さんと同居するようになって、意外と3人前の品が無いのと、妻の好みとお義母さんの好みの両方を考えるようになりました。

▲ 羽田空港の出発口近く(2023年4月21日)

幅の広さ

 「今回は何にしようかなあ」と階上にある搭乗口へ向かうためにエスカレターに乗っていると、目の前に「うどん」の文字と画像が少しずつ目に入ってきました。「エスカレータを降りたらすぐに目に付くような、そんな宣伝効果に乗るわけないでしょう」と思いながらも、足は売り場に向かっていました。きしめんの好きな私は、見たこともない平べったい麺に魅力を感じ(TOP画像)、まんまと相手の戦略に乗って衝動買いをしました。

 寒かった4月、買ったのはつけのうどん(TOP画像)なので、食卓に並んだのは5月に入ってからでした。それにしてもこのうどん、幅が広いのです。「五十年の時を経てここに復活」とありますが、多分、五十年間ぐらい需要がそれほどなかったのではないかと思わされるほどの幅の広さです。

▲ 幅広いうどん(2023年5月11日)

笑いに満ちて

 妻とお義母さんは、このうどんを食べながら、あまりにも幅が広いので、笑っておりました。5月で90歳になったお義母さん(自称93歳です!)。「こんなうどん、生まれて初めて。なかなかかめない」と言われ、食べても食べてもなかなか無くならい様子を見て、妻と二人で何度も大笑いをしていました。食べ終わっても、二人で思い出し笑いをしていました。

 あまりにも麺が広いので湯で時間もかなり必要だったようで、食事作りの妻のためになったのか、またお義母さんも一生懸命に食べなければならなかったので、果たしてお土産としては正解だったかどうか分かりません。それでも、こんなに食事の時に笑ったことはないというぐらいにゲラゲラ笑っていたので、そういう意味では良かったのでしょう。「1日1度は、お義母さんを笑わせる」ことが私の日課なので、この日はあり余るほどに達成できました。

 人間だけが声を出して笑顔になって笑うことができます。お義母さんの90代が、幅広く(末永く)、笑いに満ちたものとなりますように。

今日も主の恵みと慈しみが、追いかけてくる1日でありますように。

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