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経済産業省・日本ロボット工業会が主催の記者発表会の様子をお届けします。

2024年3月21日に、経済産業省の講堂にて、令和5年度ロボフレ事業報告会として、経済産業省・日本ロボット工業会主催 / 日本惣菜協会共催の記者発表会が行われました。

この記者発表会は、2023年度の経済産業省の事業である「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」および、農林水産省の事業である「生産工程高度化推進委託事業」の成果について発表する場です。

端的に背景をお伝えすると、なかなか自動化やロボットシステムの導入が進んでいなかった領域は、人の手に頼らざるを得ないクオリティの高さや製造工程プロセスが前提となっていて、ロボット会社が単独で頑張ったところで、なかなか業界にインパクトを起こせないという問題がありました。

ロボットフレンドリーという概念で、4分野において食品製造業の自動化に取り組んでいます。

経済産業省と農林水産省では、食品製造業の生産性向上のために研究開発から一歩進めて、各種ロボットシステムを実現場に導入してみることを第一に、どうすればロボットフレンドリーな環境が構築できるのかを検証していく取り組みを推進しています。
ロボットや機械の技術発展を待つだけではなく、ユーザー企業である小売り、惣菜製造企業や包装容器・その他食品専用機メーカーなどのベンダーが手を取り合って、妥協点を見つけたり試行錯誤、すり合わせをしていくことで、ロボットが活躍しやすい環境を整備する取り組みを行なっています。

◾️2023年度記者発表の内容について

今回の記者発表会では
 ・「惣菜盛付全工程自動化統合ロボットシステム」
 ・「CVS(コンビニエンスストア)向け惣菜盛付ロボットシステム」
 ・「触覚ハンド活用多品種対応弁当盛付ロボットシステム」
 ・「高速蓋閉ロボットシステム用清流機」
 ・「製品移載連番番重移載ロボットシステム」を開発。
5つのロボットシステムについて、その成果が紹介されました。

そのうち、コネクテッドロボティクスが開発を担当したのは、マックスバリュ東海株式会社が導入した、世界初となる「惣菜盛付全工程自動化統合ロボットシステム」の開発とトオカツフーズ株式会社が導入した「CVS(コンビニエンスストア)向け惣菜盛付ロボットシステム」です。

CVS(コンビニエンスストア)向け惣菜盛付ロボットシステム

上記のロボットシステムの現場導入にあたって、ロボット導入の障壁を下げるためにユーザー側の小売店でも「不定貫トップシール惣菜」の商品化や「デジタルツイン、量子コンピューター用データフォーマットの標準化検討」「ロボフレ標準番重検討」「食品工場におけるロボット導入衛生管理ガイドライン策定」などのテーマにも取り組んで、ロボットが活躍しやすい環境のための取り組みを多方面で進めてきたことも紹介されました。

記者発表会当日はメディア関係者が多数来場されました。

最初に今回の主催である、経済産業省 製造産業局 ロボット政策室室長、
農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部食品製造課 食品企業行動室室長、
より食品産業における人手不足の課題や、生産性向上への展望も踏まえて、
この事業の背景についてお話がありました。

コネクテッドロボティクスが開発に関わった「惣菜盛付全工程自動化統合ロボットシステム」についてはマックスバリュ東海(株)の執行役員遠藤様から取り組みの紹介がありました。
すでにポテトサラダなどで活用している盛付ロボットDelibotに加えて、「ひじき、ほうれん草の胡麻和え、ほうれん草の白和え、きんぴら」などの和惣菜の製造ラインでは惣菜を盛り付ける全工程を自動化するという業界初の挑戦をしたこと。ロボット導入だけではなく、不定貫(いわゆる量り売り)、トップシールの商品に挑戦したこと。その結果、実際に従来7人で作業をしていたところが2〜3人まで人員削減ができており、売上UPにも手応えがあると成果の報告がありました。
「このプロジェクトで目指すのは成功しかない」という力強いメッセージもいただきました。

コネクテッドロボティクスからは代表の沢登が、従来の取り組みに加えて、AIでの乗り上げ検査、トップシール機とラベリングなどの一連の工程を自動化させるという、世界初のロボットシステムに取り組んで実際に現場に導入してみて、初めてわかる課題もあったこと。
しっかりと生産性の向上や質の向上に貢献できているのかを検証することが大切であるといったお話をさせていただきました。

今回は各ロボットを会場に持ち込むのではなく、一部ロボットについては食品向上の現場とLIVEで繋いで、実際に食品工場でロボットが稼働している様子を中継で紹介することになりました。
記者発表が終わると、実際の食品工場で惣菜盛付全工程ロボット化統合システムが稼働している様子をLIVEで中継したり、コンビニエンスストア向けのロボットの動作を録画した映像を紹介するなど、各ブースでの質問に対応。
細かいロボットの動きや従来型との違いなどを担当者がご紹介。

実際に紹介したロボットの動画はこちら。
🔽「惣菜盛付全工程ロボット課統合システム」
(マックスバリュ東海株式会社に導入)

この動画は、CRと資本業務提携を結んでおり、トップシーラーや不定貫ラベラーを開発・販売されている寺岡精工の方々が撮影・制作してくださったものです。さすが、わかりやすい動画です。

🔽「CVS向け高精度惣菜盛付ロボットシステム開発、現場実装」
(トオカツフーズ株式会社に導入)

コンビニエンスストアの惣菜用の小さな容器に盛り付けるため、容器供給機も盛付ロボットに付属する機構になっています。番重の上で器用に盛り付ける様子を見ていただけると思います。

コネクテッドロボティクスでは、今回の記者発表でご紹介することができた、世界初の惣菜盛付全工程ロボット化統合システムの開発や、コンビニエンスストア向けの盛付ロボット開発だけにとどまらず、
今後も、食品工場における生産性の向上のため引き続き試行錯誤しながら、改善をしていきます。