見出し画像

センターポールのアスリートとの出会い⑤ 堀江航という男 その①


3年間会社勤務を経て、「スポーツ選手を支援する会社を立ち上げよう」と25歳の時に起業することになりました。
今回からようやく出会った選手が出てきます。

起業までの経緯は話はこちら。

無知で無謀な起業

若手起業家!というフレーズはやり手でカッコ良く聞こえは良いです。
しかし、25歳の田中は中身がなく経営者として無知でした。
「法務局?」「定款?」「ドメイン?」
勢いで会社を辞め、起業したのは良いものスタートラインにも立ててないままスタートを切ってしまったのです。
名刺には”代表取締役”と一丁前に書いていますが、知識、資金、見込ゼロからスタートでした。
当時の仕事はマイナーアスリートと企業を繋げるマッチングサイト(クラウドファンディング)をモデルに展開する計画でしたが、サイトはなかな出来上がらず資金もすぐに底を尽きる。
銀行はお金を貸してくれず、保険積立を切り崩す。
夕食は基本近くの蕎麦屋でもらえる天かすを米に掛けて食べてました。
ですが、1つだけ決めていたことがあって絶対に『お金がない』と口にしない事を当時決めていました。お金が無いように見られたら仕事も決まらなくなると思っていたからです。

そもそも、準備もなく100万円だけ握りしめて起業するなんでリスクが高すぎます。挑戦というより無謀です。
もし、この投稿を見ている方で起業を考えている方。やりたい事があって事業をスタートしたいのであれば別で安定的に収入を得られる様しておくことや、資金調達できるようにした方が良いです。
(タイムマシンがあればこの時の自分に会って『それじゃ駄目だって!!』と全力で伝えたい)
2か月目くらいでようやく完全に準備不足だったことに気が付きましたが、泥船で海に出てしまったので着岸するために進むしかない。
周りに『起業します!』と宣言したのに撤退したら合わす顔がないので腹を括り、とにかく動くしかなかったのです。

資金もマインドも最悪でしたが、やるしかない状況でしたので異業種交流会に行ったり、飛び込み営業を続けて提案の毎日でした。
(当時は飛び込みしか営業の手段を持ち合わせていなかったのです。)
基本門前払いで相手にされなかったですが、この期間でかなりタフになったと思います。

拾う神あり

しかし、嬉しかった事もありました。
それは大学4年生のころ、最終面接までいった国内サプリメントメーカーK社さんです。
会社にテレアポを行い、「スポーツ選手の活動支援をしている会社です。サプリメントの応援してもらえませんか?」とストレートに伝えたところ、たまたま電話出たのが当時の社長だったのです。
指定してもらった日時で最終面接で訪れた4年ぶり本社へ訪問です。
応接室に通してもらい社長と対面。私の会社の事や今までの経歴を話をすると、社長は少し黙った後に
社長:「あの、田中さん昔うちの会社に最終面接来ましたよね?」
社長とは、面接でお会いしたことはなかったのですが、最終面接に残った私の事は覚えてくれたようです。
社長:「あの年は1人も採用なかったんです。何か協力できること言ってね。いい選手がいればサプリメントのサポートできるように調整しますよ」と応援してくれることになったのです。
3年前にはご縁がなかった会社が、別の形でご一緒できるのは不思議な感覚だった事、苦しい状況で自分の活動を応援してた事がとてつもなく嬉しかったです。(今では取引は無いですが、当時の恩は忘れられないです。)

堀江航という男

サプリメントメーカーのK社さん含めて数社応援してくださる会社さんが出来たので、サポートを求める選手を探していました。
たまたま紹介で知り合った方が”パラ・アイスホッケー”(当時はアイススレッジホッケー)という種目でマネージャーをしている人と出会った。
そのマネージャーさんから「面白い選手いるから会わない?変人だけど」
と紹介してもらうことになったのです。
私は「変人紹介されても困るなぁ。。。」と思ったのですが、これも何かのご縁かと思いセッティングをお願いしました。
その人の情報をインターネットで掘ると、
”バイク事故で足を失ったらしい”
”その選手は海外で生活して最近帰国したらしい”
”車いすバスケットボールをアメリカ、スペイン、ドイツでプレーしていたらしい”
”GLAYのプロモーションビデオにも出てる。有名人らしい”どうやら凄い人らしい”
沢山情報が出てきましたが、私は今まで”障害”というものについてあまり考えたことがなかったのでどうやって接したらよいか分からず、一人で考えても仕方ないので私は考えるのを辞め、会う日を迎えたのでした。
予備情報として、野菜が嫌いで肉が好きとは耳にしていたので、先輩がやっている恵比寿のレストランにしました。

先にお店に入って、その男が来店しました。

「ボンバーヘッドだ!!!」

画像1

つづく