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Coop MC「Home of the Killers」全曲解説

テキサスのラッパー、Coop MCにメールインタビューしました。WebメディアのFNMNLに掲載されています。

Coop MCはテキサス出身のベテランで、「GANGSTA LUV」誌にも作品が掲載されるなど日本のG好きの間では人気の高いアーティストです。ソウルフルでメロウな甘茶サウンドと適度な脱力感のあるラップが持ち味で、1995年のアルバム「Home of the Killers」などの名盤を残しています。近年はリイシューを精力的に行っているほか、先日には新たなシングル「Delilah」をリリースしていました。

今回のインタビューでは、そのルーツや「Home of the Killers」についてのエピソードなどを聞きました。同作は私もお気に入りの作品なので、あわせて全曲解説します。なお、色々なバージョンのある作品ですが今回はSpotifyやApple Musicで聴けるものについて書きました。


1. Funkytown OG

男声シンガーがフックを歌うメロウ曲。

ディープなベースをメインにクールなエレピやシンセを絡めた、派手さを抑えたストイックな曲です。Coop MCのリラックスしたラップも抜群。


2. Intro to the Funk

ねっとりとしたファンク路線。

例の高音シンセや低速化した声ネタを用いた、1990年代テキサスGらしい曲です。短い小品ながら良曲。


3. Real Chit

トロトロのギターが心地良いファンキーな曲。

タイトなドラムや控えめなストリングスも素晴らしく、ネオソウル好きの方にも聴かせたい曲です。フックでの女声シンガーの歌もばっちり。


4. Home of the Killers

物騒なタイトルに反してメロウな曲。

穏やかなエレピや甘いピアノが光る、Gセンスに溢れた曲です。フックでは例の高音シンセも飛び出します。


5. Hangin' at 2

男声シンガーが歌う甘茶ソウルフル路線。

例の高音シンセも用いたR&B風味のメロウな曲です。Coop MCの脱力感のあるラップと濃い歌の絡みも美味。


6. Pressure

サックスが沁みる哀愁曲。

インタビューでもスムースなジャズからの影響を話していましたが、それを強く感じることができる曲です。オヤGの方もソファに泣き崩れるはず。


7. Blue Sunday

UGKがやりそうなカントリーラップ系の曲。

ファンキーでいて寂しげなギターやタイトなドラムが効いたビートで、リラックスしたラップが沁みる優しい曲です。フックでのエレピに悶絶必至。


8. Same Ole Thang

女声シンガーがフックを歌う甘茶ソウル系の曲。

例の高音シンセややるせないピアノを使ったビートは、Coop MC作品らしい味わいがあります。ウワモノが切り替わる瞬間の気持ち良さが至福。


9. Funkytown

ファンキーですが穏やかな側面が際立つ曲。

柔らかなドラムやスムースなキーボードが心地良いビートで、ねっとりとしたラップが楽しめます。フックでの例の高音シンセにもニヤリ。


10. My Woman

暖かいメロウ路線。

シンプルなギターや透明感のあるエレピを使い、フックでは男声シンガーがソウルフルに歌う曲です。Gセンス抜群。


11. What's Up Now

今作の中では少し不穏さが強い曲。

太いベースが蠢くように響き、ドラムも硬質な鬼渋ファンキー路線です。フックは声ネタサンプリング系でテキサスマナーが感じられます。


12. Problems

メロウながらシリアスなムードもある曲。

UGKが出てきそうなファンキーなギターを使ったビートに、クールにラップを乗せていく曲です。チロチロとしたピアノに涙。


13. Hood Drama

ネチネチとしたギターが効いたソウルフルな曲。

広がりのある固いスネアの音も絶妙で、不穏なストリングスやピアノも見事です。サラっとしたフックにもストイックな魅力があります。


14. Pretenders

S.J.とThe Jointを迎えたマイクリレー。

やるせないピアノやディープなベースを使ったビートで、Coop MCとは異なるタイプのラッパーとの絡みが楽しめます。派手さはありませんがじわじわと効いてきます。

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